標高3,000mの崖っぷちに建つ、ブータンの「タクツァン僧院」に登頂してきた
ブータン

タクツァン僧院

ブータンにあるタクツァン僧院は、標高3,000mほどの崖っぷちに建つチベット仏教の僧院。「虎の棲家」という意味があり、ブータンにチベット仏教を伝えたグルリンポチェが虎に乗ってやってきたとされる神聖な場所です。ブータンを訪れたら必見のお寺ということで、険しい山道を登ってお参りしてきました。

いざ出発!目指すのは絶壁……!

山登りをするにはうってつけの快晴の日、ブータンの玄関口パロの郊外にあるタクツァン僧院へ出発。現地で手配してもらった車で登山口の駐車場まで向かい、そこから歩き始めます。気持ちの良い森の中の道は緩やかで、まだまだ余裕のお散歩気分。
タクツァン僧院
しかし少し行くと、木々の間から絶壁に張り付くように建っている僧院の姿がポツンと見え(上の写真の赤丸のところ)、これからの道のりの厳しさを改めて思い知らされました。
あんなところまで登っていけるかな……。
と不安を抱く人も多いと思いますが、大丈夫。そんな方のために、登山口にちゃんと馬がスタンバイしてくれています。私も含め、ほとんどの人は自分で歩いていましたが、どうしても! という場合に利用可能。ただし、馬で行けるのは途中までで、最後の絶壁に続く道は自力で行かなければなりません。
タクツァン僧院
さて、若干不安が増したところで、いよいよ本格的な山道になってきました。これまでの森の中の道にくらべ登り坂も急になり、これから一気に高度を上げていく雰囲気が漂い始めます。しかし、坂はきついですがそのぶん視界は開け、ブータンののどかな風景が眼下に広がってきました。
徐々に登山客の姿も増えてきて、その中でも外国人観光客の多さにびっくり。その国際色豊かな顔ぶれに、タクツァン僧院が世界的にも知られていることが伺えます。お互いぜーぜー息を切らしながら挨拶し、ゴールまでの健闘を祈ります。

展望台でひと息

タクツァン僧院
途中、馬に先を越されながらも、最初の峠に到着。峠は平らな広場になっていて、大きなマニ車やお土産を売る人たちがいました。広場の真ん中では、通り行く人々を完全に無視した犬が爆睡し、端の方ではさっきの馬が休んでいます。
タクツァン僧院
ここから少し行った所に第一展望台とカフェテリアがあり、食事をしたりトイレを利用することができます。まずはそこでひと息し、残りの道のりに備えます。建物の脇の展望台からは、谷の向こう側にタクツァン僧院の姿が綺麗に見え、ここまでだいぶ登ってきたことがわかりました。馬で来られるのはさきほどの広場までのようで、体力的にきつい場合はこの展望台で引き返す人もいるとか。
タクツァン僧院
お茶を飲んで一服したら、いよいよ僧院へ。しばらく歩いて行くと五色のタルチョがたくさん現れ視界が開けます。すると目の前に僧院が登場。黒い岩肌に建つ白い僧院の姿はとても荘厳で美しいです。
この先から断崖絶壁を下って僧院のある谷の反対側まで周っていくのですが、けっこうな高度感がありスリル満点。ちょうど道の底にあたる場所に滝があり、そこから僧院まで再び登りになります。

いよいよ僧院へ…!

タクツァン僧院
僧院の入り口で荷物を置き中へ入ります(内部の見学は事前に申請が必要で写真撮影は禁止でした)。絶壁のわずかな敷地に建っているので、境内でも上下の移動がけっこうある。場所柄広いスペースはとれないため、小さなお堂の集合体で、一箇所で参拝したらまた次のお堂へと移っていきます。せっかくここまで来たのだし、正式な参拝の方法の「五体投地」でやってみましたが、標高3,000mのこの地ではなかなか息が切れました。

帰りはカフェテリアでランチをし、同じ道を下っていきます。下りは早いものであっという間に駐車場に到着。

登る前はどれだけきつい道のりなのかとドキドキしていましたが、終わってみればあそこまで行って本当によかったと思える参拝登山となりました。

タクツァン僧院

この記事を書いた人

Kaycom

Kaycom絶景・秘境ライター

旅行記サイト「異国情緒あふれる写真と旅行記|KaycomDESIGN」の管理者。今まで、ヒマラヤ周辺の南アジア、シルクロードで栄えた中央アジア他、中東、南米、北アフリカなど訪問。カナダとニュージーランドのワーホリも経験し、養蜂やフルーツピッキングなどで旅行代を捻出。日本の温泉も大好き。

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