九州・山口(下関市周辺)のバスほぼ全線に加え、主要なフェリー航路までもが乗り放題になる魔法のチケット、それが「SUNQパス」です。今回は、バスとフェリーを組み合わせた自由自在な移動術から、デジタル版と紙版の賢い使い分け、さらには迷いやすい高速バスの予約方法まで徹底解説。実際にパスを使って九州を巡ったリアルな体験レポとともに、おトクで快適な「九州バス旅」の極意をお届けします!
SUNQパスってなに?

画像提供 SUNQパス運営委員会 (2026.03.22基準)
SUNQパスは、九州7県および山口県(下関市周辺)の高速バス・一般路線バスのほぼ全線に加え、一部のフェリー航路が乗り放題になるフリーパスです。
最大の魅力は、バスだけでなく「海路」もセットで楽しめること。フェリーをルートに組み込めれば、移動時間を大幅に短縮できるだけでなく、船上からの絶景も旅の思い出に加わります。
利用できるのは以下の6航路です(※各パスの対象エリア内に限ります)。
- ・関門汽船(関門連絡船):門司港(福岡)〜唐戸(下関)※源平合戦の舞台を海から堪能!
- ・福岡市営渡船(きんいん1・きんいん):博多ふ頭~西戸崎~志賀島 ※金印でおなじみの志賀島へ
- ・福岡市営渡船(フラワーのこ・レインボーのこ):姪浜~能古島 ※花の名所・能古島へ
- ・島原鉄道(島鉄フェリー):口之津港(長崎)~鬼池港(熊本) ※島原半島と天草諸島を最短で結ぶ
- ・熊本フェリー(オーシャンアロー): 熊本港 〜 島原外港(長崎) ※高速船で有明海をショートカット!
- ・鹿児島市船舶局(桜島フェリー):鹿児島港~桜島港 ※目の前に迫る桜島を眺めながらの「うどん」は外せません
パスの種類は、旅の目的に合わせて選べる3つのエリアに分かれています。
- ・全九州(九州7県+下関): 福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島の全県を網羅。さらに、山口県の下関市周辺も利用できます。このタイプのみ、3日間用だけでなく4日間用も選択できます。
- ・北部九州(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本+下関): 九州の北半分と山口県の下関市周辺もカバー。別府・由布院、ハウステンボス、阿蘇といった人気スポットが凝縮されています。
- ・南部九州(熊本・宮崎・鹿児島): 九州の南半分をカバー。霧島や指宿の温泉、神話の里・高千穂、そしてフェリーで渡る桜島や大隅半島など、南国情緒あふれる旅にオススメです。
SUNQパスの利用法 デジタル版 vs 紙版
SUNQパスの購入方法
SUNQパスには「デジタル版」と「紙券」の2種類があり、購入方法や価格が異なります。それぞれの特徴をチェックして、自分の旅にぴったりの方を選びましょう。
【デジタル版】スマホひとつで、いつでもおトクに!

デジタル版は、Webサイトまたは専用アプリから購入できます。
●webサイト
SUNQパスEチケット(外部リンク)
●アプリ
my route (ダウンロード)
最大のメリットは、「その場ですぐに購入できる」こと。使用当日でもスマホさえあればOKという気軽さが魅力です。さらに、後述の通り紙券よりも安く設定されているため、コスパ重視派には間違いなくこちらがおすすめです。
【紙券】窓口で買える安心感と旅の思い出に

2017年に利用した紙券
紙券は、九州7県+下関の主要なバス窓口(バスセンター、営業所、定期券販売所など)や、各空港のバス券販売所で購入できます。
スマホの充電や通信環境を気にせず、パッと提示できる安心感があります。また、使い終わった後に「旅の記録」として手元に残せるのも、紙券ならではの良さです。
デジタル版と紙券の価格比較(2026年最新)
現在、デジタル版は「WEB割」が適用されるため、紙券より1,500円〜2,000円お得になっています。
全九州(3日間用) デジタル版:12,000円 / 紙券:14,000円(2,000円お得!)
全九州(4日間用) デジタル版:15,000円 / 紙券:17,000円(2,000円お得!)
北部九州(3日間用) デジタル版:10,000円 / 紙券:12,000円(2,000円お得!)
南部九州(3日間用) デジタル版:8,500円 / 紙券:10,000円(1,500円お得!)
「安さと紛失リスクなし」を優先するならデジタル版、「充電の不安なし&思い出重視」なら紙券。自分の旅のスタイルに合わせて選んでくださいね。
高速バスの予約方法

一部の高速バスには事前に予約が必要な路線もあります。
座席指定制(要予約) 主に県間を結ぶ長距離の高速バスです。事前予約が必要で、予約時に座席が決まります。主な路線は、 福岡〜長崎、福岡〜鹿児島、福岡〜宮崎、福岡〜別府・湯布院、熊本〜宮崎など
座席定員制・自由席(予約不要) 近距離の高速バスや一般の路線バスです。予約はできず、当日並んだ順に乗車します。主な路線は福岡〜北九州、福岡〜佐賀、長崎〜佐世保など
高速バスの予約方法:3つのルート
高速バスの予約は3つのルートがあります。
1. インターネットで予約(おすすめ!)
「ハイウェイバスドットコム」などの予約サイトを利用。
決済画面で「窓口で支払う」または「SUNQパスを利用」を選択します。クレジットカード決済は不要です。予約完了画面はスクショを取っておくと後で便利です。
2.電話で予約
九州高速バス予約センター092-734-2727(8:00~19:00) で予約します。「SUNQパスを利用します」と一言添えるだけでOKです。
3.窓口で予約
バスセンターの窓口で直接予約します。当日に空きがあればその場で予約・乗車も可能ですが、人気路線は早めの確保が安心です。

予約制のバスに乗る際は、あらかじめバスセンター等の窓口で予約番号を伝え、「確保券(座席指定券)」を受け取っておくとスムーズです。バスに乗る際は、乗務員さんに「SUNQパス」と「確保券(または予約画面)」の両方を提示します。
【実践レポ1】全九州3日間パスで巡る! バスとフェリーの縦断ルート

ゆふりん号
実際に私が「全九州3日間パス」を使い、別府から熊本、島原、宮崎、鹿児島へと突き進んだリアルな行程をご紹介します。 SUNQパスを使い倒すのを目的とした旅で、九州は福岡以外初めてでした。
この記録は2017年当時のものです。当時のSUNQパスは紙券のみで、全九州+下関3日間の料金が10,000円でした。運賃や料金は当時のデータですが、紹介するバスやフェリーは、「はまゆう号」以外は、現在も運行中。ルート作成の参考にしてくださいね。
1 日目 別府の湯巡りから、阿蘇を越えて熊本へ

べっぷ地獄めぐり
旅の始まりは別府観光港。大阪港からフェリー「さんふらわあ号」で別府に到着です。まずは路線バスで別府駅へ向かい、観光快速「ゆふりん号」や巡回バスを駆使して「べっぷ地獄めぐり」を堪能しました。
午後のハイライトは、別府・由布院と熊本を結ぶ「九州横断バス」。
高速道路を通らず一般道を走るため、車窓に広がる阿蘇の山並みがとにかく絶景で、長旅も全く飽きることがありません。座席は自由席ですが、予約優先なので事前確保が安心。瀬の本高原での休憩では、澄んだ空気もご馳走でした。
1日目は路線バスもあわせて、バス6台乗車。通常料金だと 6,340円。
2日目 有明海をショートカット!フェリーで雲仙・島原へ

雲仙地獄
2日目は「海路」を活用したワープ移動に挑戦。熊本駅からバスで熊本港へ向かい、高速フェリー「オーシャンアロー」に乗船しました。フェリーは予約なしで乗船できます。
SUNQパスを提示して乗船券を受け取り、いざ島原へ。わずか30分の船旅ですが、売店完備の綺麗な船内でカモメと戯れている間に長崎県に到着です。島原港からはバスで雲仙温泉へ。「雲仙地獄」を見学した後は、共同浴場で温泉につかり、島原名物の「かんざらし」に舌づつみ。再びバスとフェリーで熊本へ戻り、夜は高速バス「なんぷう号」で一気に宮崎へ。
2日目は バス5台、フェリー2回乗車で通常料金なら 9,190円。
3日目 宮崎から鹿児島へ。桜島を眺めて志布志へ

最終日は、早朝の高速バス「はまゆう号(現在休止中)」で鹿児島へ。鹿児島市内では、観光レトロバス「カゴシマシティビュー」を利用して桜島フェリー乗り場へ向かいました。桜島フェリーは、SUNQパスだけでそのまま乗船OK。短い乗船時間ですが、目の前に迫る桜島の迫力は圧巻です。有名なうどんもいただきましたよ。
旅の締めくくりは、鹿児島市内から志布志港を結ぶ高速シャトルバス「さんふらわあライナー」。最後までパスを使い切り、充実の3日間が終了。この後は、志布志からフェリー「さんふらわあ号」で大阪に戻ったのでした。
3日目は、 バス5台・フェリー2回乗車で、通常料金 5,520円。
3日間フルに動き回った結果、通常料金の合計は21,050円。SUNQパス料金が10,000円でしたから、11,050円もおトクでした! この時は、各地でご当地グルメを食べ歩きました。
【実践レポ2】全九州4日間パスで巡る! 大分・福岡・宮崎・鹿児島
次は今年の2月に九州へ出かけたときのレポートです。今回は人に会ったり、ボランティアをしたりと、観光以外の用事も多かったのですが、SUNQパスのおかげで、移動のコストを節約することができました。
1日目 大分空港に到着! 湯布院で温泉三昧

朝、飛行機で大分空港に到着。早速、リムジンバスからSUNQパスを利用です。今回は全九州4日間。4枚のチケットがあるので1日目を利用開始にします。

大分空港から大分駅に到着したら、周辺を観光して、路線バスで別府駅へ。そこから路線バスを乗り継ぎ由布院へと向かいました。由布院では温泉とサウナ付きのヴィラでゆっくり。大分の「かぼすブリ」でしゃぶしゃぶも楽しみました。
1日目はバス3台乗車。通常料金は3,400円。
2日目 大分から博多へ移動

由布院の共同浴場のひとつ「乙丸温泉」
由布院の共同浴場を楽しんだ後は、路線バスを乗り継いで大分駅へ。バスセンターの窓口で予約していた高速バスの「確保券」3枚を受け取りました。大分駅周辺の日帰り温泉に寄った後は、高速バス「とよのくに号(スーパーノンストップ)」で福岡・博多へと向かいます。この日の宿泊場所までも路線バスで移動。電車の駅からは少し離れた場所だったので助かりました。

有名なうどんチェーン「ウエスト」で、ゴボ天肉うどんを食べたり、大人気の「イカす!めんたい寿司」を食べたりと、博多グルメを満喫しました。
この日は、バス3台乗車。通常料金は5,080円。
3日目 博多から宮崎へ移動

博多で用事を終わらせた後は、「フェニックス号」を利用して宮崎へ移動。博多では電車を使用せず、ひたすら路線バスで移動していました。大行列の「極味や」で1時間並んで極旨ハンバーグもいただきましたよ。

夜は宮崎で、チキン南蛮や馬刺し、ぐるぐるとりかわと生ビール。
バス3台乗車 通常料金で7,300円。
4日目 宮崎から鹿児島空港へ移動
宮崎駅前から「マンゴーライナー」で鹿児島空港へと移動。九州在住の友人と湯めぐりを楽しみました。
バス1台乗車 通常料金は3,500円。
4日間のバス料金は19,280円。SUNQパスが全九州4日間で15,000円だったので、4280円節約できました。今回は観光メインではありませんでしたが、それでも十分に元が取れましたよ。「時間が許せばもっと寄り道したかった!」と思えるほど、九州のバスネットワークは充実しています。
SUNQパスで九州をもっと自由におトクに!
バスの車窓から眺める九州の景色、フェリーの潮風、そして湯煙漂う温泉地。 SUNQパスは九州をまるごと体験するためのパスポートです。遠距離移動を組み合わせれば、旅費を数千円〜1万円以上浮かせることも可能。「どこへでも行ける」という安心感が、旅をより豊かに、よりクリエイティブにしてくれます。次の九州旅行は、SUNQパスを握りしめて、まだ見ぬ景色を探しにバスに揺られてみませんか?
●SUNQパス公式サイト




