新千歳空港駅から小樽駅までの間を往復している、飛行機で北海道を訪れた多くの人が利用するであろう快速電車「エアポート号」。2024年3月16日に大幅なダイヤ改正が行われた同路線は、現在毎時最大6本の電車が運行され、新千歳空港~札幌・小樽方面への移動が以前よりもスムーズに行えるようになりました。
この記事では、ダイヤ改正によって変更となった点と、乗車の際に気を付けるべき事柄をピックアップ。北海道内を旅する前に、ぜひ一読していただけますと幸いです。
JR北海道が運行する「エアポート号」とは
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今回注目する「エアポート号」は、北海道の空の玄関口・新千歳空港と札幌、小樽方面の各駅を結ぶ快速電車です。しかし、2024年3月16日に実施された大幅なダイヤ改正後は、運航便数が毎時最大6本に増便されたほか、ダイヤ改正前と停車する駅が一部変更となっています。
乗り間違いに注意! 「エアポート号」の運行種別
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ダイヤ改正前からこの区間を運行する快速列車に馴染みのある地元住民は「エアポート号」とひとくくりにして話すことが多いのですが、実はその運行種別は「区間快速」、「快速」、「特別快速」の3種類に分かれています。
時間帯によっては「快速」種別のみの運航となっているためさほど気にすることはないのですが、問題となるのはそれ以外の種別が運行している時間帯。
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「区間快速」という単語からイメージできるのは“一部区間は各駅停車になる”という内容かと思うのですが、あくまでそれは、新千歳空港駅~札幌駅間に限定されます。実は、ここに大きな落とし穴があり、「区間快速」のエアポート号と一部の「快速」、「特別快速」種別の列車は終着駅が札幌駅となっており、小樽方面へ行く場合は札幌駅で乗り換えをしなければならなくなるからです。また、「区間快速」という停車駅が多い運行種別でありながら「快速」種別の一部電車が停車する白石駅を通過してしまうという点にも留意しておきましょう。
また「特別快速」は、“特別”とついているため一般の快速電車よりも移動が速いということが想像できるかと思うのですが、こちらは新千歳空港駅を発車後、苫小牧方面へ向かう室蘭本線や帯広・釧路方面へ向かう石勝線への乗換駅となる南千歳駅で停車した以降は札幌市厚別区の新札幌駅まで停車せず、途中にある恵庭市、北広島市の駅は全スルー。札幌市内よりも手前で下車する場合は、うっかり「特別快速」の便に乗車しないよう気を付けてくださいね!
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小樽など札幌駅以西の駅から新千歳空港方面へ向かう列車の中には、札幌駅までは各駅停車、札幌駅からは快速エアポートとなる特殊な運航をしている便もあります。このケースは終点が同じとなるためさほど問題はありませんが、小樽駅~札幌駅間の各駅停車は停車駅が多くかなり時間がかかってしまうため、急いでいるときは小樽駅から快速運転を行っている便に乗車する方がベターでしょう。
乗車の際は必ず運行種別と行先を確認し、乗り間違いのないよう気をつけましょうね!
ここも気を付けて! 使用する車両は3種別共通
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エアポート号はすべての種別共通で721系、733系の車両を使用しています。そのため、札幌方面から入場してきた「快速」種別の電車が、折り返し「特別快速」もしくは「区間快速」として運行するという状況は珍しくありません。
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終着駅で乗客を降ろした電車の運行表示はすぐに変更されないことがあるため、必ず電光掲示板で次発便の運行種別と行先を確認しましょう。札幌駅へ行くのであればどの種別の列車へ乗車してもさほど問題はありませんが、こちらも留意しておいた方が良いポイントです。
ダイヤ改正で大きく変わった点は?
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運行種別や車両など、ここまで「エアポート号」のおおまかな特徴を解説してきましたが、今回のダイヤ改正によって大きく変わった点がひとつあります。それは、これまで快速列車の停車駅ではなかった「桑園駅」が、小樽方面前で行く快速列車の停車駅として追加されたことでしょう。
この桑園駅は沿線に大学の多い学園都市線の起点となっており、近隣には札幌市立病院や札幌競馬場など、人が多く集まる公共施設もたくさんあります。桑園駅に快速列車が停車することにより、近隣で暮らす人々や公共施設へ足を運ぶ人たちの利便性が向上されたのではないでしょうか。観光で北海道を訪れた方にはあまり関係のない事柄かもしれませんが、地域で暮らす人々の利便性が向上することはとても良いことですよね!
「エアポート号」の種別を知って快適な電車旅を楽しもう
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この時期で解説したように、気を付けなければならない点もあれば改良された点も多い現在の「エアポート号」。各列車の運行種別を理解し、乗り間違えによるタイムロスを防止して有意義な旅を楽しめるよう、少しでも皆さんの旅のお手伝いができたのであれば本望です。四季折々の素晴らしい風景と美味しいグルメを楽しめる北海道に今後もたくさんの観光客が訪れてくれるよう、今後もさらなる利便性と快適性の向上があればいいな…と、一地元民として期待したいところです。
みなさんも北海道を訪れたあかつきには、ぜひ「エアポート号」を利用して快適な電車旅を楽しんでみてくださいね!