ロシアの地下鉄が強烈! 豪華さと轟音の背景とは?
ロシア

こんにちは、ライターの新田浩之です。今回はロシアの地下鉄を紹介しましょう。
「なんだ地下鉄か」と思われる方もいるでしょう。しかし、ロシアの地下鉄は旅人に強烈なインパクトを与えています。
どのような点が強烈なのか、ワンポイントアドバイスも織り込みながら紹介しましょう。

高速エスカレーターと豪華なホーム

ジェトンと呼ばれるコインを購入し改札に入ると、目の前に現れるのが地下深くのホームへ向かう高速エスカレーター。あまりにも速いので慣れないと足がすくんでしまいます。
なんとか高速エスカレーターに乗ってあたりを見回すと、何食わぬ表情で乗っているロシア人の姿が。
中には熱心にキスをしているカップルもいます。「よく、こんな高速エスカレーターでできるなあ」と半ば呆れてしまう自分がいました。
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高速エスカレーターに乗って1~2分は経ったでしょうか、なんとかホームに到着。目の前には宮殿を思わせる豪華な装飾が飛び込んできます。
ロシアにある多くの地下鉄はソ連時代に作られ、ソ連の威信を見せつけるために豪華な装飾にされたのです。
感心すると同時に「相当、メンテナンスのコストがかかるのだろうなあ」と思ってしまいました。
モスクワやサンクトペテルブルクの地下鉄駅は各駅によって装飾が異なりますので、見比べるのもおもしろいと思います。
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photo by haven’t the slightest

深すぎる!?ロシアモスクワ地下鉄の乗り方

こちらの動画では地下鉄の深さとホームの豪華な装飾が紹介されています。問題の高速のエスカレーターもご覧いただけますが、ここはやはり実際に体感していただきたいです。

轟音と共にくる地下鉄

ホームで待っていると、けたたましい音を立てながら電車が入線してきました。日本の地下鉄もうるさいですが、日本の地下鉄の2倍以上の音量はあります。

(※音量注意)
乗って納得、ロシアの地下鉄は日本では見られなくなった吊り掛け駆動方式を採用しています。
細かい説明は省きますが、このシステムを導入すると下から重々しいモーター音が聞こえてくるのです。それでいて、スピードは日本の地下鉄の1.5倍。
轟音のため車内ではほとんど会話は聞こえません。
久しぶりに聞く吊り掛け駆動のモーター音に聞き惚れていました。
なお、ロシアの地下鉄は非冷房なので、夏の時期、窓は開けっ放し。
夏はいつも以上に轟音が聞こえてきます。

ロシアの地下鉄に乗る際の注意点

ロシアの地下鉄に乗る際にはいろいろと注意点があります。

乗り換え駅の駅名

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ロシアと日本の地下鉄で大きく異なることは、乗り換え駅の駅名です。
日本ですと互いに乗り換えができる駅名は、一部を除いてほとんどがどちらの線でも同じ駅名です。
例えば、大阪の大国町駅では御堂筋線と四つ橋線が互いに乗り換えができますが、御堂筋線も四つ橋線も駅名は大国町駅です。
ところが、ロシアは乗り換え駅であっても、線によって駅名が異なるのです。
サンクトペテルブルクの地下鉄を例に挙げ説明しましょう。
3号線と2号線には交じ合う乗り換え駅が存在します。3号線の駅名はネフスキープラスペクトですが2号線の駅名はゴスチーヌイ・ドヴォールです。異なる駅名ですが、乗り換えができます。
最初の頃はこのシステムに慣れるのに苦労しました。
どうしてこのようなシステムにしているのか不思議に思い、サンクトペテルブルクで泊まったホステルのスタッフにこのことを聞いてみました。
すると「あら、ロシアのほうが便利じゃない。駅名を聞いただけでどの線か分かるから」。
なるほど、国によって「なにが便利か」という基準は異なることを思い知らされました。

スリに注意

前回の記事で説明したとおり、ロシアは大変スリの多い国です。
特に、地下鉄はスリが起きやすい危険エリア。エスカレーターなどではカバンを前に持つなど、対策が必要です。
私はスリが怖いので、一人旅の際は地下鉄の写真は撮りません。露天で売っているポストカードで我慢します。きっと、露天で地下鉄のポストカードが多い理由は、私のような旅行者が多いからでしょう。
最近では、地下鉄を専門にしたツアーもあるようです。
安全に注意して、ぜひロシアの地下鉄の強烈なインパクトをご自身で感じてみてください。

この記事を書いた人

新田浩之

新田浩之鉄道&中東欧旅行研究家

1987年生まれ。神戸市在住。専門は鉄道と中東欧です。国内では鉄道系イベントの取材、国外では中欧、東欧、ロシアの歴史スポットを訪ね歩いています。チェコアンバサダー2018

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