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    アイスランドのバスのおじさんたち
    アイスランド

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    特別企画「tripro VOICE アイスランドWEEK」
    アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
    今回の記事は「優秀賞」に輝いた、水島 ゆめさんによる「アイスランドのバスのおじさんたち」 です。

     

    しとしと雨の降るケプラヴィーク空港に降り立ち、宿まで送ってくれる「フライバスプラス」を往復でお願いしました。
    チケットがペラペラのレシートのようだったので、なくさないようにしないと!と思ったとたん、すぐに雨でシナシナになってしまいました。
    シティセンターまで大きなバスで送ってもらい、そのあと小さなバスに乗り換えて各自ホテルまで送ってくれます。

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    (大きなFly Busの中)

    シティセンターで乗り換えたバスにはわたし独りしか乗っておらず、運転手さんは音楽を流しながらひょうひょうと人が良さそうに、「いいよ!運転好きだし、送るよ!」といった感じで、すごく自然体で、決してチャラいわけでもなく笑、自分の人生を楽しんでいるような人だったので、すごく居心地が良かったです。
    その人に宿の名前を正しい発音で読まれたとき、「なにこの発音!!」と自分の発音とまるで違うかっこよさにしびれました。
    アイスランド語はシガーロスのボーカル、ヨンシーの高音の声しかおそらく聞いてこなかったので、低音が巻き舌で響くような、大きな岩の固まりのようなアクセントに思わずアイスランド語かっこいい!!と思ってしまいました。巻き舌が苦手だけど、勉強したくなってしまいました。

    次の日、終日観光バスツアーに参加し、英語説明でゴールデンサークルのツアーです。
    ゲイシール間欠泉は歓迎してくれるように、ゆらゆらと透明なお湯がまあるい穴のなかでうごめいているとグワッと吸い込まれて高く吹き上げました。
    地球の体温を感じるようで、嬉しくなって泣き出しそうです。
    グトルフォスの滝やシングヴェトリル国立公園もこのツアーで見学しました。

    となりに座ってきたアメリカ人がとても五月蝿い人で、宿の値段が高いだの、今夜はターキーを食べるだの、そこら中の人に話しかけていて、

      だからツアーは嫌なんだ!アイスランドに来たのになんでそんな話ばかり!大地はこんなにも雄大に広がっているのにこの人は何も感じないの!シガーロスがDVD「ヘイマ」のなかで演奏していた、アメリカがダムに沈めた自然をあなたは知っているの!

    と心の中で思いながら私はずっと窓の外に広がる険しい大地を眺めていました。
    バスガイドのおじさん二人があからさまに言うでもなく私を気遣ってくれて、そのアメリカ人の気分を害さないような言い回しでアメリカ人に注意してくれました。

    ホテルまで送ってくれる帰り道、私が地図を見ていると「迷子になったの?」と声をかけてくれました。
    明後日から車を運転するから道を覚えようとしているのだと言うと今の道は地図ではここだよ、このバスは次にここに行くよと教えてくれました。
    降りるとき、しっかりね、と、まるで自分の娘を送り出すかのような優しさが伝わってきて、わたしが「takk!」(ありがとう)と言うと、一瞬の思いがけない言葉に少し驚きまじりでおじさんの笑顔がぱあっとひらいて、takk!と返してくれました。
    わたしはその笑顔にすっごく救われて、今日の嫌だったとなりの客なんてどうでもいいくらいに嫌なことがすっかり消し飛んで、嬉しくて嬉しくて笑顔が止まらないまま宿に帰りました。
    いつかまたあのおじさんたちに会いたいなあ。

    アイスランドのことが気になってしまったあなたへ!
    2014年9月27日(土)~28日(日)に行われるツーリズムEXPOジャパンに、駐日アイスランド大使館が出展いたします。どうぞお立ち寄りください!
    詳しくはこちら:ツーリズムEXPOジャパン

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