まだまだ語学の面では鎖国状態の日本、片や多くのアジア諸国は英語が使える所ばかり。若干どころか、多大な乗り遅れ感を感じながら、いよいよオリンピックだなんだって、国内も英語モードが活気づく。
だからって、短い会社の休みを利用して短期留学だのプチ留学だのと語学学校に1週間ほど通ったって、少しフレーズを覚えるだけ。やっと聞き取れるようになった頃には日本に戻り、またゼロベースへ戻る。
国内の学校は質が良ければ金も高いけど、高い学校だってイギリス人とアメリカ人とオーストラリア人の先生が居るなんてざらである。結構アメリカ英語とイギリス英語って発音や使い方も違うところが沢山あって、なんの訛りかわからない日本式英語が出来上がってしまう。
一方アメリカNY。語学学校にはお金持ちのヨーロピアンや日本人が通っているのは知っているけど、実際に住んでいる人たちってどうしているんだろう? 聞いてみるとまじめに大学に通う人も居るし、ESL(非英語圏の人用の学校)に通う人も居る。
でもそれも、お金があればの話。今回は、本当のところ節約したいなら一体どうしているんだろう?といった話。
無料の英語学校とか格安とかってそもそもあるの?
フリー、ニューヨークで検索すると、すぐ出てくるのはNY公共図書館。そこでやっている無料の英語講習もある。ここの講習はちょっと面白くて、国内で暴力を振るわれた場合とか、保険が無くて英語が話せない外国人はどうやってサービスを利用するか?などがテーマになっている。
タイミングを外さなければ、もちろん無料で受けられるのでいい事づくめだが……難を言えば、毎回最初の20分が自己紹介である。毎回の自己紹介に飽きてきた頃に発見したのが、ここ。International Center(インターナショナルセンター)である。
講師陣はリタイアした学校の先生だったりと、どちらかといえば中高年、お年寄りが多い。だが、ここは市民には無料で、非市民(旅行者とか、なんらかのビザで来ている人)は月100ドルと言う安さである。
講座は毎日朝から夜まで1時間半づつに区切れており、なんと通い放題である。
基本的に多いのは初中級の人達だ。完全にビギナー向けもあるのだが、残念ながら日本語では教えてくれない。
実際の手続きはどうなるんだろう。
申し込みは簡単。証明写真2枚とパスポートを持って学校に行き、受付の女性に申し込みたい旨を伝えるのみ。手続きに1週間かかる場合もあるので、そこは要注意(事前に確認もしくは、休みが短いのであれば伝えてみるのもいいかも)。
申し込みは1ヶ月単位。今月は忙しいからまた3か月後に来ようなんてと言う事も出来るし、行かない期間のお金は払わないでいい。万が一写真を忘れてしまったら、そこら中にあるドラッグストアで証明写真がほしいと言うと、すぐ撮って印刷してくれるから問題ない。
もしやこれって、うまく使えば年に何度かある色んな休みの度に、格安で勉強が出来ちゃうんじゃないのか? 実にいい仕組みである。
その仕組みを使って、全世界から、2週間の休み、3週間の休みなどで来る人も中には居るが、ここの生徒の多くは結婚で永住権がある人やグリーンカードが抽選で当たった人などが多い。
皆の関心ごとは、グリーンカードの取得した後の共通の悩みなど。目的は同じ、永住権があるから、先ず先にアメリカに来ちゃったんだけど、一体どうしたらいいんだ? そんな人が沢山居る。
在住資格のビザを得る為だけに、ろくでもない学校に高いお金を払っている人だって実際山のように居るNY。それらの学校では学ぶものなど特に無く、講師の発音なんて聞けたもんじゃない。それに比べ、ここはちゃんと教えてくれ、良心的。
↑レクリエーションもある。
数日でも通うと、周りと仲良くなれるのもいい。友達なんかもさくっとできてしまう。「ねえねえ、こんな問題でアメリカに暮らして困っているんだけど、どうしたらいい?」
ここにいい情報あったよ。など情報が行き交う。流石、悩みは同じ。暮らしの知恵の宝庫である。
生徒のバリエーションも非常に多様で、ヨーロッパ人、ロシア人、アジア人、アフリカ人などがごちゃ混ぜになっている。授業の為に高い本を買う事もない。
実際に仲良くなった女性に、ここに通う理由を聞いてみた。
「私ね、国際結婚したのね、だけど彼が私の母国語を話せるから、付き合って居る時は全く問題なかったんだけど、いざ結婚してじゃあアメリカに住むとなると、私が話せないから孤島に取り残されたみたいになっちゃった。周りは誰も私の母国語話せないし……。
ニューヨークだから探せば同じ国のコミュニティもあるけど、それなら母国に居ればいいでしょう? 別に今から大学とか行って勉強とかがしたい訳でもないし、英会話学校に高いお金払ってがりがり宿題とかもしたくないの。でも、不便だし」
彼女の言葉がその通りかもしれない。そんな学校である。授業の内容は先生によって異なり、歴史だったり発音だったりかなり豊富なので興味のあるものだけ、毎日午前中受けて午後はNY観光なんて言うのも、1つの楽しみ方かもしれない。