「生命の星・地球博物館」で地球の謎と神秘を探ってみた。
日本

今地球は様々な問題を抱えています。環境汚染や地球温暖化や生態系の破壊など、問題を上げるときりがありません。忘れてはいけないのは、全ては私たち人間が自ら招いた悲劇だということです。
 
私たちは今地球が直面している問題から目を背けてはいけません。地球の住人は人間だけではないのですから。自然の恩恵を受けながら、私たちは今日も命を繋ぐことができているのです。
 
ところが私たちはその自然に敬意を払うどころか、破壊に導こうとしています。このままでは地球上にある沢山の命が失われてしまいます。もっと大袈裟にいえば、地球の存続も危ぶまれている状態です。
 
では私たちはこの壮大な問題にどう向き合っていけば良いのでしょうか? まずは今地球で何が起こっているのか知らなければ何も始まらないということで、地球の歴史と生命の多様性を分かりやすく展示している「神奈川県立 生命の星・地球博物館」にお邪魔してきました。

博物館の入り口には……

化石
化石
博物館に入るとまずあなたを出迎えてくれるのは化石標本です。チケットは入り口を入ってすぐのところにある券売機で購入可能。


少し奥へ進むとアラスカヒグマの剥製を発見!

地球を考える

地球をおおうバリア
それでは早速、1階常設展の入り口に足を踏み入れていきましょう。手始めに大画面で地球をおおうバリア(大気)について学びましょう。
地球を考える
展示はテーマごとに分かれていてとても見やすいです。地球の仕組みから始まり、地球上にどんな生物が誕生してどう進化していったのか、人間の介入によってどれだけの動植物が絶滅に追いやられたのか、そして最後に私たちはどう自然と向き合っていけばいいのか、しっかりと順を追って展示されています。まずは地球について考えてみましょう。

地球誕生の謎と神秘を探る


いん石
いん石
宇宙
時は46億年前に遡ります。いん石やクレーターをヒントに地球形成の壮大なドラマを辿ると、地球は奇跡の星なんだということが実感できます。
火山
こちらはユネスコの世界遺産にも登録されているロシア、カムチャッカのトルバチク火山の様子。パネルだけでもすごい迫力です。

ダイナミックな地層の展示が圧巻

地層

地層

地層の面白いところは、その模様や形からかつてその場所に何があったのか、読み解くことができることです。ここでは様々な地層や、その解説がとても丁寧に展示されています。ジオパーク巡りが趣味の方にはたまらない空間といえるでしょう。
地層
今まであまり地層に興味を持ったことのない私にとっても、とても興味深い展示でした。地層から学ぶ地球の歴史、突き詰めていくとかなり面白そうです!

生命の誕生

アンモナイトの壁
ここからは生命に焦点を当てていきます。「海は生命を生み、はぐくみました」ということで、こちらは遥か昔に大繁栄した生物の一種であるアンモナイトです。ちなみに私は子供の頃、通っていた学校近くの「伊豆アンモナイト博物館」によく足を運んではアンモナイトの化石を収集していました。
恐竜足跡
生命が栄えたのはもちろん海だけではありません。やがて生命は陸上へ進出します。こちらは陸上で大繁栄した恐竜の足跡の化石です。

生命を考える

生命を考える
2つ目のテーマは生命を考える。ここは大の動物好きの私にとってはたまらないブースでした。

魚類の世界

海洋生物
おっと、なんと最初に目に飛び込んできたのは海洋生物です。魚類は最初の脊椎動物で、様々な水域に進出しています。
リュウグウノツカイ
シイラ
リュウグウノツカイとシイラが強い存在感を放っていました。
ワニ
博物館に来ている子供たちがやけに食いついていたのは爬虫類のワニ(ワニ目アリゲーター科)。

恐竜と哺乳類の世界へワープ

恐竜の時代
爬虫類が出現し進化すると、陸上には恐竜が、空には大きな翼を広げて飛ぶ翼竜が、そして海の中には魚のような形の魚竜や、紡錘形のからだをした首長竜、海トカゲなどが現れ、発展しました。恐竜をはじめとするこれらの爬虫類は、およそ1億6000万年もの間栄えました。
神奈川県立 生命の星・地球博物館公式HPより

恐竜
恐竜
化石
恐竜たちの標本や化石を見ているとワクワクしてきます。一度でいいから「ジュラシック・パーク」の世界に迷い込んで、生きている恐竜たちの姿を拝んでみたいです。

恐竜から哺乳類へ
恐竜たちが絶滅すると、入れかわるように哺乳類が地球の様々な環境に適応して広がりました。哺乳類は体が毛(体毛)で覆われ、体温を一定に保ち、子供は胎生で生まれるなどの特徴を備えています。
神奈川県立 生命の星・地球博物館公式HPより

剥製
剥製
剥製
哺乳類の剥製はただ飾っているだけではなく、各種別ごとにかなり詳しい解説がついていました。
鳥類
鳥類の世界も垣間見つつ……
化石
次の瞬間に衝撃的なものを見つけてしまいました。こちらはヒゲクジラの化石ですが、かなり貴重な状態の良い標本なようです。残念ながら写真で全貌をお見せすることはできませんので、その貴重な一体がどうしても気になる方は是非博物館へ直接足を運んでください。その完成度の高さはまるで芸術品です。
海洋哺乳類
ゾウの進化
猿の仲間
海洋哺乳類、ゾウの進化、猿の仲間と順路通りに進みやってきたのは……
昆虫標本
昆虫標本
昆虫標本
昆虫標本
お目にかかる機会の少ない昆虫の世界。動物をこよなく愛している筆者ですが、実は昆虫は苦手……。それでもあまりに美しい標本に見とれて、うっとりとしてしまいました。見たことのない色や形の昆虫がいっぱいで、昆虫の世界も奥が深いんだなぁとしみじみ感じました。

神奈川の自然を考える

神奈川の自然を考える
3つ目のテーマは神奈川の自然を考える。ここから展示室は3階に移ります。

神奈川の大地と生物の成り立ち

神奈川動物
神奈川の大地の生い立ちを探るとともに、神奈川の動物、自然の現状について考えてみましょう。
相模湾
相模湾
相模湾
こちらは相模湾に暮らす生物たち。相模湾には「生きている化石」と呼ばれている深海魚や貝が暮らしています。日本でもっとも古くから海洋生物の研究が行われてきたのがここ、相模湾なのです。
ヘラジカ
神奈川県海老名市でヘラジカの角の化石が発見されたことにより、日本にもヘラジカが住んでいたことが分かりました。

失われていく生き物たち


失われていく生き物たち
さて、地球や生命について沢山の知識を得たところで、本題に入っていきましょう。こちらのニホンオオカミ(模造標本)の後ろに流れているのは、今までに絶滅してしまった動物リスト。パネルに書いてある「いまや生き物たちの運命は人の生き方にかかっています」という言葉が胸に刺さります。



その一方で、都市に生き残ったたくましい生物もいます。都市に進出してきたもの、外国からやってきて日本の環境に適応したものなど、世の中には様々な生物がいるのです。

自然との共生を考える

自然との共生
最後のテーマは自然との共生を考える。これは今私たちが真剣に向き合わなければならない最大の問題です。

私たち人間は様々な地球環境で暮らしていますが、例えどこで暮らしていようとも人の暮らしは自然の恵みなしでは成り立ちません。私たち人類の営みが自然にどれだけの影響を及ぼしているのか、あなたは考えたことがありますか?
環境問題
ここには地球の抱えている問題の数々と、絶望的ともとれる現状が嘘偽りなく羅列されています。


どれを取っても事態は深刻です。どう深刻なのか、このまま問題が進行してしまうと将来的に地球はどうなってしまうのか、そしてそれを食い止めるために今私たちには何ができるのか、現実をしっかりと受け止め、じっくり考える必要があります。
地球は今
緑に覆われた地球に人類が現れたのは、地球の歴史の中ではつい最近のことですが、近年は人類の活動によって生物の生存が脅かされるような自然環境の変化が生じています。その実態を大画面に映し出して学ぶことができます。
動物
出口のモニターには、様々な生物の命の営みが映し出されています。この命溢れるかけがえのない地球を守るために、私たちはこれからどんな未来へのシナリオを描いていけば良いのでしょうか?

ジャンボブック

ジャンボブック
常設展示を全て見終わったら必ず立ち寄っていただきたいのがここ、3階にあるジャンボブックのコーナーです。テーマやコレクションごとに項目分けされた貴重な博物館所蔵標本が、巨大な百科事典の中に展示されいます。
ジャンボブック
ジャンボブック
ジャンボブック
こちらの実物百科図鑑ですが、項目ごとについているタイトルにとてもユーモアがあり、見開き1ページで1つのテーマに関してざっくりとした知識を得ることができるので、シンプルでとても面白いです。ジャンルも多岐に渡っていて(自然や動植物に関すること)、図鑑好きの私にとっては夢のような空間でした。ジャンボブックを制覇すれば、あなたも物知り博士になれること間違いなし!

親子で楽しめる2dayイベント!ミューズ・フェスタ

ありがたいことに、博物館の職員さんから耳寄りな情報をいただきました。来たる2017年3月11日(土)、12日(日)の2日間、博物館の開館記念日を祝うミューズ・フェスタというイベントが開催されます。当日は音楽演奏があったり、気軽に参加できる楽しいプログラムがあったりと、内容はかなり盛り沢山です。
 
そしてなんとこの日は常設展も入場無料とのこと。詳細はこちらで確認できます。

知りたいがいっぱい詰まった博物館

普段普通に暮らしていて、地球滅亡についてとか、絶滅動物についてとか、人類と自然との付き合い方とか、そういった類のことを日常的に考えながら生きている人はそう多くないかも知れません。
 
それでも私たちの当たり前の日常に、大きな影が忍び寄っていることを忘れてはいけません。そしていつその影が急速にスピードを上げ、取り返しのつかない事態が起こるのかは、誰にも分かりません。ただ1つ言えることは、このままではそう遠くない未来に、私たちは最悪のシナリオを迎えるでしょう。
 
でもまだ手遅れではありません。私たちにできることは必ずあるはずです。そのヒントを得ようと思ってやってきたこの博物館には、期待を遥かに超える知りたいが詰まっていました。

「神奈川県立生命の星・地球博物館」
〒250-0031 神奈川県小田原市入生田499
午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(祝日・振替休日にあたる場合は翌平日)、館内整備日(8月を除く、原則として毎月第2火曜日、12・~2月の火曜日)、年末年始、燻蒸期間、国民の祝日等の翌日(土曜日、日曜日または国民の祝日等にあたるときを除く)
このほかに臨時開館日、休館日があります。
公式HPはこちら

地球の悲鳴が聞こえますか?

私のような自然、動物オタクが愛読している雑誌といえば言わずと知れた「ナショナル ジオグラフィック」ですが、最近北極に関する気になる記事を見つけました。
 
タイトルは「2016年末の北極は未曽有の異常だった」。北極の氷に関しては、近い将来に溶けてなくなってしまうとか、完全になくなることはないとか、なくなってもいずれ元に戻るとか、様々な説がありますが、2016年の北極の冬は失われた氷の面積や気温上昇の面などで、今までにはない異常な事態が起きていたようです。
 
私がとにかく心配しているのは、大好きなホッキョクグマの存在。消えゆく氷の上で、彼らは一体何を思うのでしょうか? 彼らの運命もまた、私たち人間の手にかかっているのです。

この記事を書いた人

Makiko Suga

Makiko Suga海洋生物の素人スペシャリスト/動物&自然オタク/世界中の秘境地&穴場スポットマニア

幼少期に有名なイルカの研究家と運命的な出会いを果たす。以来海洋哺乳類に魅せられ、海洋生物学者への道を志すが挫折。その後は海洋生物とは無縁の生活を送っていたが、2015年に海洋生物の宝庫であるカナダに留学。あるイルカとの出会いが自分の人生を変える。子供の頃の夢を追い続けながら世界に目を向けている永遠の旅人。得意分野は自然、動物関連だけにとどまらず、多岐にわたる。

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