• オットセイが路上で寝ている街、「カイコウラ」。復興を祈ります。 | TRIP'S(トリップス)

    オットセイが路上で寝ている街、「カイコウラ」。復興を祈ります。
    ニュージーランド

    カイコウラのオットセイ

    野生の生きものたちと触れ合える街として有名なニュージーランドの観光都市・カイコウラ。オットセイが路上に寝ているようななんとも素朴な町ですが、そんな生きものたちに触れあうためにこの町を訪れる旅行者も大勢いて、夏季シーズン中の12~3月ごろはNZ観光の中心地のような賑わいになります。

     

    しかし、まだ記憶に新しいと思いますが、2016年11月に起こった地震によってカイコウラは多くの被害が出てしまいました。一刻も早い復興を祈るばかりですが、旅行が好きな旅人としては、せっかくなら観光することで復興のお手伝いをしたいものです。
    そこで今日はカイコウラの街並みと、町から徒歩でいけるオットセイのコロニーを取り上げてみましょう。きっと一度は行ってみたいと思う場所ですよ。

    カイコウラへ行ってみよう!

    カイコウラは、北島と南島に分かれているニュージーランドの南島にあります。国際空港があるクライストチャーチからは北に約200km、太平洋の海に面した人口4,000人足らずの小さな町です。ここには、オットセイをはじめとして、イルカやクジラ、貴重な海鳥が数多く生息しています。

     

    僕はクライストチャーチからレンタカーでカイコウラを目指すことにしました。1時間半ほど走ったころでしょうか、町に近づくにつれ、何やら海岸の景色に変化が現れてきました。クライストチャーチからカイコウラに向かうハイウェイは、地図の通りずっと海岸線を走っています。海岸の岩場を見ていると、大きな岩の上に点々と黒い何かがいるんです。なんだろう、あれ。車を路肩にとめて、そーっと近くまで行ってみると……

    ニュージーランド オットセイ
    ▲岩場にたくさんのオットセイ……!!

     

    やっぱり、オットセイ!

     

    コロニーと呼ばれるオットセイの繁殖地に行かないと会えない思っていたのに、まさか高速道路から見られるなんて感激です。いったん見つけ方がわかってしまえば、いるわいるわ、至る所に寝そべっているのが分かります。時には、芝生が気持ちいいのか、高速道路すれすれの草っぱらにまで来て寝ているヤツも。彼らには車の騒音は心地いいBGMのようなものなんでしょうか、肝が据わっているというか、大胆というか……。オットセイの数は道を進むにつれて徐々に増え、カイコウラが近いことを教えてくれます。

    カイコウラの街並みを楽しみ、いざコロニーへ!

    ▲カイコウラの街並み
    ▲カイコウラの街並み
     
    カイコウラは19世紀ごろに近海を回遊するクジラを捕えるためできた“捕鯨の町”。いまでもそんな当時の面影は強く残っていて、小ぢんまりとした平屋のかわいい建物がメインストリートに並んでいます。古い町並みを見ながら歩くだけでちょっとした観光です。
     
    オットセイが間近に見られるとして人気が高いのは、町から小さな半島へ向かって30分ほど歩いた場所にあるキーン岬というところ。町を出て、しばらく海や山に見とれながら気持ちの良いハイキングを楽しみます。遠くに雪山が見えて、手前に青い海。ポストカードのような風景です。
    しかし、これだけ環境がいいと、気持ちがいいのは人間だけではないようで……
    ▲こんなところで昼寝ができたら・・!
    ▲こんなところで昼寝ができたら……!
     
    道のすぐそばの海岸に、いました、オットセイたち! 雪を抱いた山を背景に、気持ちがよさそうですね~! カメラを向けると、タイミングよくポーズまで取ってくれました。さすが、観光地のオットセイは芸がうまい。

    ▲カイコウラ
    ▲実際はのびをしただけですが……そのタイミングの良さも、芸のうち!?

     

    お目当てのキーン岬の先端はひときわ大勢の人で賑わっていました。そして、それに負けないくらいのすごいオットセイの数……! ウォーキングコースを歩いていたら、オットセイが無数に寝ていて、通過できないコースもでてきました。

    カイコウラ
    ▲岩場よりも気持ちいい・・と路上を占拠
     

    こういう場合は、人間が「しょうがないな……」と言って海岸に降りて歩き、オットセイは歩道にてお昼寝待機です。目だけぎょろっと動かして人間を追ってはいるものの、動く気はさらさらないもよう。人間と野生の境界線があやふやなカイコウラの町。一部ではむしろ立場が逆転しているのを見ると、なんだか逆に清々しい気持ちになってしまうから不思議です。

     

    帰り際には、1頭の赤ちゃんオットセイが駐車場を歩いていました。カメラをもってじっとしていると、だんだんと近寄ってきます。これはチャンスと、カメラを構えていると……

     

    赤ちゃんオットセイを撮っていると・・
    ▲赤ちゃんオットセイを撮っていると……
     

    赤ちゃんオットセイは迷うことなくさらに近寄ってきて、カメラのピントも合わないくらい至近距離まで来てしまいました。好奇心旺盛なんでしょうか。もう、触ろうと思えばすぐに触れるくらい……いけない、近づきすぎた、と思っても後の祭り。お互い、どうしよう、といった感じで目を見合わせています。赤ちゃんといっても野生動物。あまり驚かせるとどうなるか分かりません。

     

    すると、どこかで待機していたのか、レンジャーと呼ばれる環境省のスタッフがやってきて、丁寧にオットセイと僕の間に割って入ったかと思うと、赤ちゃんを海の方に誘導してくれました。

     

    「オットセイの方から近づいてきても、一定の距離を置かないといけないよ。余計なトラブルを未然に防ぐためにもね。」

     

    まぁ日常茶飯事だけどね、といって、気さくにちょっとしたルールまで教えてもらいました。確かに、これが大人のオットセイだったら怖い思いをしたのかも……。野生の生き物が多いカイコウラならではの注意点なんでしょう。

    交通規制の解禁までもうしばらくかかりそう…

    今回ご紹介したキーン岬そのものに地震による被害があったというニュースはまだ確認できていませんが、どうやらカイコウラに至るまでの高速道路は2016年11月現在、土砂崩れ等によってすべて閉鎖されてしまっているようです。旅行者にとっては海沿いの道が唯一のアクセスなので、しばらくの間は観光ができないかもしれません。

     
    カイコウラのオットセイ
    ▲彼らもしばらくは静かに寝れそう……!?
    しかし、もし道路が開通してカイコウラに再び行けるようになったら、ぜひニュージーランドの南島に足を運んでみましょう。2011年にはクライストチャーチ大地震もあったNZ。地震を知る国同士、旅行という形で助け合えたらいいですね。

    何度でも遊びにいきたいカイコウラ

    この記事ネタとなったカイコウラ観光は実は一昨年の同時季(11月=初夏ごろ)だったんですが、その1年後にまさかカイコウラに地震が起こるなんて考えもしませんでした。
    文中にも書いたように、道路の復旧にはしばらく時間がかかりそうです。のんびりしたニュージーランドでは、日本のように陥没した道路を数日で埋めてしまうような奇跡は起きません……(苦笑)。きっと数か月はかかるんだろうなぁ……。

    この記事を書いた人

    外山みのる

    外山みのるアウトドアライター

    1984年愛知県生まれ。ニュージーランド(オークランド)在住。20代はバックパッカーや一万キロ海外自転車旅など世界を放する。2015年に念願だったアウトドア天国NZへ移住し、国際結婚・留学・仕事と毎日奮闘中。NZウェブマガジン『ネイチャーニュージーランド』運営。多方面に観光、エコツアー情報を発信しています。

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