イタリアの老舗パスタメーカーが「YAKISOBA」を発売。驚愕のレシピとは?
イタリア

イタリアに行くとスパゲティナポリタンが無い、というのは有名な話ですね。スパゲティナポリタンは日本人が作ったものとされています。トマトソースを作るには、生のトマトかトマト缶、トマトピューレを使います。トマトケチャップは売っていますが、あくまでハンバーガーなどのソースとして使います。

イタリアでは、パスタとソースをフライパンの上で「混ぜる」ことはしますが、焼きうどんのように「炒める」ことはしません。日本人は、食文化に限らず、なんでも受け入れ、それをより良くアレンジすることに関しては世界一ではないでしょうか?

それに比べて、イタリアは食に関して非常に保守的な国です。でも、そんなイタリアの食文化が変化しつつあります。イタリアのパスタメーカーの老舗ブイトーニ(日本語サイト)が、本気で発売したYAKISOBAを作ってみました。

食に保守的なイタリア人

「日本人って、生で魚を食べるんですってね!」約20年前に40歳位のイタリア人女性から嫌な顔つきで言われた言葉です。彼女にとって、日本人は釣った魚をそのまま食べるような野蛮なイメージだったのでしょう。美しく繊細にスライスされた刺し身や寿司のことを話しても、まだインターネットもなかった時代、なかなか理解されませんでした。
 
勿論、イタリアに日本料理屋はありましたが決してポピュラーなものではなく、どちらかと言うと物珍しさ、興味本位で行くという傾向にあったと思います。
 
マリア「ねえジュリア、中華料理を食べたことがある?」
ジュリア「いいえ、一度もないの。でもすごく興味があるわ。」
この文章は、現在でもイタリア語学習のため使われている教科書の一文です。ちょっと違和感がありませんか? 実はイタリアに来てみると殆どがイタリア料理店です。
 
ここ10年~15年位で中華料理店、韓国料理店、インド料理店、ブラジル料理店など外国料理店が増えてきました。しかし、20年位前は、外食というと中華料理店が数件であとはイタリア料理かピザ屋という選択でした。上記のような会話の例文はイタリアで珍しいものではありません。特に年配のイタリア人は、今でもイタリア料理しか食べたことがないという人は多いのではないでしょうか。

イタリア人に一番食べられているトマトソースのパスタ。日本人にとっての素うどん、基本のラーメンのようなポジションです。

空前の日本料理ブーム

イタリアは今、空前の日本料理ブームと言っても過言ではないようです。沢山の日本料理店ができています。食文化はドイツやフランスなど北から入ってくるため、イタリアはその保守性が影響してか、かなり遅れていました。スーパーには6~7年前から寿司が売られるようになり、去年からは具が詰まった謎のおにぎりも売られています。
 
特にイタリア人や外国の若い人から、日本料理屋はどこが美味しいのか聞かれます。しかし、実際に経営しているのはほとんどが中国人で、地元に住む日本人はあまり足を運びません。
 
イタリア人は中国人経営と知っている人も多くなりました。和食はヘルシーで見た目も綺麗でクールなイメージがあるようです。あれだけ、日本人は生で魚を食べる、と顔をしかめていたイタリア人。今は手のひらを返したようにSUSHIやRAMENを食べに行くようになり、驚きを隠せません。

イタリアンなYAKISOBAが売れていた!


イタリア人なら誰でも知っている老舗パスタメーカー、ブイトーニのYAKISOBAなるものをスーパーでみたのは1~2年くらい前のこと。外国料理用売場にひっそりと置かれていました。
 
種類は、クラシック味、チリ味、鶏肉味。誰が買うのだろう?と少し気になっていましたが、先日はなんとセール品になって目立つ売場に置かれていました。そして、50代くらいのイタリア人女性が何個も手に取りどんどん買っていくではありませんか! 保守的なイタリア人が! それでどんな味!?というわけで、作ってみました!

1袋が2人前!?


いきなりチリ味は刺激的すぎるため、クラシック味にしてみました。6分で出来る、麺+野菜+醤油風ソース、2人前と書かれています。どう考えても見た目1人前なのですが??

開封してみると、乾麺、乾燥野菜、パウダー状ソース、液体ソースがはいっていました。
YAKISOBAに入れるため、キャベツや玉ねぎを炒めて別に用意しておきました。付属の乾燥野菜入れると不味くなりそうな予感がしたのですが、入れてみることにします。

YAKISOBA、その驚愕の手順とは!?


さて、普通のインスタントヤキソバをフライパンで作る要領で作ろうとしたのですが、念のため作り方を読むことに。そこには驚きの手順が!
 
1.フライパンに250mlの水と付属の2つのソースの袋、乾燥野菜を入れ、1分間溶かす
2.麺を入れて、沸騰させて4分調理、もしくは水気がなくなるまで調理する
3.麺が半分くらい調理した頃、フォークでほぐして混ぜる
 
最初から水にソースを混ぜ、沸騰もしないうちに麺を入れる。かなり半信半疑な気持ちになりましたが、ご想像通り、こうなります。

ソースで乾麺を煮る状態です。

水気がなくなってきましたが、最初からソース等を入れているため、水分が完全に蒸発せず全体的なベタベタ状態です。日本の焼きそばは、水気をできるだけ飛ばさないと美味しく出来上がりませんが、これはイタリアンなYAKISOBAなので、忠実に再現です。
 
それ以前に、これが2人前とは思えないのですが……。疑問に思いつつ、別に炒めておいたキャベツや玉ねぎと混ぜてみました。

さて、実食


味は、ソースと醤油の中間くらいの味です。ちょっと「出汁」のようなコクがないかもしれません。全体的にベタベタしているのですが、中華料理屋で焼きそばを注文するとこんな味かもしれません。日本人には「最高に美味しい」とは言えませんが、鰹節などを入れてアレンジすれば、美味しくなると思います。(あくまでアレンジ大好きな日本人の個人的な感想です)
 
参考までに、ブイトーニYAKISOBA(イタリア公式サイト)には動画があり、人参とブロッコリーのYAKISOBA作りが紹介されています。仕上げにピーナツをふりかけるという斬新さです。
 
でも、あまり驚かないほうが良いかもしれません。イタリア人だって、ケチャップで作るスパゲティナポリタンにはかなり驚きますよ。
 
このYAKISOBA、イタリアのスーパー、COOP(コープ)、 ESSELUNGA(エッセルンガ)で売っていました。ご興味のある方は、大きなスーパーだと手に入ると思います。

結局、日本人の口にあうのは!?

結局、日本人の口にあうのは、日本のメーカーのような気がします。ここ数年、中華料理食材店などで売られている日清ヤキソバ海外版のほうが口にあうような。青のりは付いておらず、謎の何も書いていない粉状のソースが付いています。なんだか微妙に日本のものと違う気がしますが……。
 
個人的には、あれほど邪道と言っていたナポリタン作りにハマっています。
 
和食が好きになったイタリア人の多くが、日本に行ってみたいと言います。そして、日本に行ったことがあるイタリア人は必ずと言っていいほど日本はいい国、また行きたい〜!といいます。食を通じて日本に興味を持ってくれるのはとても良いことですね!
結局、日本人の口にあうのは!?

この記事を書いた人

ゆきとさな

ゆきとさなフィレンツェ県公認ガイド

旅行業界で20年以上働いています。旅行の度にコロコロシステムが変わるイタリアですが、できるだけ最新の情報を心掛けます。歴史と魅力が沢山の国イタリアに来て下さいね!

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