姫路市街地からほど近い広嶺山に、陰陽道ゆかりの「廣峯神社」が鎮座しています。その歴史はなんと弥生時代に遡るとのこと。奈良時代からは陰陽師たちが崇拝する聖地となり、今でも「陰陽九星詣り」という独特な参拝方法が行われています。私もこ陰陽九星詣りで神様にこっそりと願い事を告げてきましたので、その様子をお伝えします。
廣峯神社
廣峯神社は、崇神天皇(すじんてんのう)の時代(今より二千有余年の昔)に、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と五十猛尊(いそたけるのみこと)を白幣山(はくへいさん)に祀ったのが起源とされています。
大変長い歴史がありますが、「廣峯神社」と呼ばれるようになったのは奈良時代のこと。遣唐使の吉備真備(きびのまきび)が唐から帰朝する途中に素戔嗚尊の神託を受け、白幣山に社殿を建立して廣峯神社と称したのが神社の始まりです。ちなみに今の廣峯神社は、円融天皇の時代(天禄3年 ・972年)、白幣山からご本殿を遷座した場所です。
陰陽師の聖地
唐で陰陽道を学んだ吉備真備。廣峯神社は陰陽道の聖地とみなされ、陰陽師たちが崇拝しました。
人は生まれた年によって自分の運命星が決まっています。この運命星を九星で表し、陰陽道によって人柄やその年の運勢を占い、物事の吉凶を判断するのが九星術です。廣峯神社では、陰陽道による祈祷や占いが盛んに行われていたと伝わっているそうです。
陰陽九星詣りセットの授与
さて、難しいことはさておき、ここからが九星詣りの本番。社務所の九星詣り受付で「九星詣りセット(800円)」を授与していただきます。
私は二黒土星。オフホワイトと黒のツートンのはずが、いただいたのは何故かタイガースカラー。「どうして?姫路(兵庫県)だから?」と思ったのですが、どうやら見本は紫外線で色あせていたようですね。
祈願札の裏には願い事と住所・氏名・年齢を記入する欄があります。ちなみにセットは「九星御幣」、「九星御守」、「九星祈願札」の3点。祈願札以外は持ち帰るので、2点は間違わないようにバッグにしまっておきましょう。
ご本殿の裏へ
廣峯神社に限らず、神社ではまずはご本殿で日頃の感謝を伝えましょう。九星詣りはその後で行います。
ご本殿裏の穴には、九星の運命星を守護する神々が鎮座していて、先ほどの祈願札を自分の運命星の穴に入れて、願い事を三度ささやくというのが古くからの参拝方法。
なんだかちょっと神秘的で、願い事が叶いそうな気がしませんか? 穴に一礼して、名前と祈願札を投げ入れ、穴に顔を近づけてお願い事を3回ささやきます。そして最後に一礼。
「自分の運命星がわからない」という人は、祈願札に記入する台にも早見表が用意されているので、そちらを参考にしてくださいね。
●廣峯神社
兵庫県姫路市広嶺山52