話題の「ディズニー・アート展」がいかに素敵か、ディズニーマニアが徹底レポート。
日本

ディズニー映画はもちろん、学生時代はディズニーランドの年間パスポートを所持し週3回は通った大のディズニーファンです。

そんな筆者ですが、世界中の人を魅了するディズニー映画アニメーションに「命」が吹き込まれる瞬間を見ることができるというアート展が東京、お台場で開催されるというので、一足お先に行ってきました。ディズニーマニアの視点でレポートします!

全ては一匹のネズミから始まった

今回のアート展は、「ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリー」というディズニーの作品資料を保管する部門の専門家が厳選した約500点もの原画が展示されるという、過去のディズニーの展覧会の中でも最大級の規模。しかも、そのほとんどが日本初公開の原画だそうです。これは期待せざるをえません。

アート展の会場は、ゆりかもめ「船の科学館」駅から徒歩5分「日本科学未来館」です。会場入り口は「ファンタジア」のミッキーの魔法使いの帽子! まさに魔法の入り口という感じです。

そして迎えてくれるのはウォルトとロイ 、ディズニー兄弟の机上の紙からまさに魔法が生まれる瞬間! こういう演出がファンの心をガシッと掴むんですよね~。

大きなミッキーのアーチを抜けると、ミッキーやミッキーフレンズの初期の原画たちがお目見えします。

一般的に「蒸気船ウィリー」がミッキーの初登場の作品として知られていますが、実は「プレーン・クレイジー」という作品の方が先に制作されていました。

そしてこの「プレーン・クレイジー」の原画。絵は共同作者のアブ・アイワークス、テキスト部分はウォルトディズニーの手書きという大変貴重なものなのです!! もちろんこちら日本初公開です。この原画は一般に公開する事自体滅多にないそうで、ファンならずとも見る価値ありですね!

その他、人気キャラクター、ミニー、ドナルドなどのキャラクター設定が確立するまでのデッサンがあったりと、キャラクターに命が吹き込まれた瞬間を間近に見る事が出来ます。ミッキー、ミニーの構想段階からのお顔等の変化も見られて、筆者はいわゆるクラシックミッキーも大好きなので、クラシックミッキーの素朴な可愛さに興奮しました!

ディズニーはその時代時代の最先端技術の宝庫

「ディズニー作品はアニメーション映画ですが、その時代時代の最先端技術が使用されたいわば未来と科学の世界でもあるのです。」

開会式でそう語られたのは、このアート展の会場、日本科学未来館の館長である宇宙飛行士の毛利衛さん。ある意味アナログのアニメであるディズニーの展覧会が、なぜここ科学未来館で開催されるのかという事を中心に、毛利さんはお話されました。

実際、キャラクターの滑らかな動き、平面のアニメの世界に奥行きを出す画期的な技術など、「世界初」の技術を使用した作品も多数!


中でも平面のアニメーションの世界に立体感を生み出した「マルチプレーンカメラ」は映画「ピノキオ」で初めて採用されたのですが、CGのない時代にこれを考えついたという事に大変驚きました。

今回の展示では、その「マルチプレーンカメラ」の説明模型を始め、ディズニーの画期的な技術の転機となった作品を主に紹介しています。幼い頃に「ピノキオ」を見た時には全く知る由もなかった映像の秘密を初めて知って感動しました!

ディズニーアニメーターは職人!

そんなデジタルの部分と同様に、アニメーター達のいわば「アナログ」な仕事にも尊敬を持って作品作りをするディズニーカンパニー。どんな仕事も「人の目に見えるものが1割、その裏の見えない部分が9割」とはよく言ったもので、原画一枚一枚に込められた技術と情熱を改めて感じとても感動しました。

アナログ時代の貴重な原画とともに、その時代ならではの苦労と努力の秘話も紹介されています。例えば、バンビやダンボなど動物をよりリアルに描くためにスタジオに本物の動物たちを連れてきて、アニメーター全員で観察、デッサンをしたのだそう。

また、「ライオンキング」の名シーン、ヌーの暴走のシーンは約2分の映像になんと1年かかったそうです! こんな裏話を知ることができるのもこのアート展ならでは! 映画で言えば数秒、もっと言うと数コンマのためのセル画一枚に秘話が込められていたと知り、今まで以上にディズニー愛が深まりました。

2Dから3Dへ

ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのマネージャー、メアリー・ウォルシュさんの解説によると、今回ぜひ注目してみて頂きたいポイントは、「水」の描写だそう。たしかに「ピノキオ」「ファンタジア」から最新作「モアナと伝説の海」に至るまでの水の描写の進化は驚くものがあります。

映画「ピノキオ」で大クジラ・モンストロに飲み込まれるときなどのダイナミックな波しぶきや、

ファンタジアの「魔法使いの弟子」でミッキーが操った海の描写、当時はすべて手書きだったというのですから、驚きです!

そして、水と言えば「リトルマーメイド」。この作品はちょうどアナログとデジタルの中間だったそう。

実は、筆者が1番好きな映画は「リトルマーメイド」。幼少期に見て感動した、水中でゆらゆらと動くアリエルの髪や、アースラとの戦いでの波しぶき、手書きの海の中の絵にデジタルの特殊効果を用いて、水中ならではの水の揺らめきを表現したのだそうです。

アリエルが自分の秘密の洞窟で「パートオブユアワールド」を歌うシーンは楽曲の美しさと、水の光の美しさとで大好きなシーンです。このシーンの水の表現にもこの技術が使われていたのかと思うと驚きましたし、とても感動しました!

ついに「モアナ」では海に感情を持たせ、そして描写もよりリアルに! 映画館でこの海を見たときは、本物のように感じられて、鳥肌が立ちました!

ファンならキュンキュンしてしまう演出も。ディズニーミュージカル最高!

そしてただ原画を展示しているだけじゃないのがディズニー! アートの世界に入り込むようなワクワクキュンキュンする演出もたくさんちりばめられています!

「不思議の国のアリス」のコーナーへの入り口にはチシャ猫がお出迎え。

筆者が愛してやまない「リトルマーメイド」の展示スペースにはディズニーミュージカルの巨匠、アラン・メンケンとハワード・アシュマンのお写真とオリジナルの楽譜が!!!

このお二人が手掛けたディズニーソングと言ったら、「リトルマーメイド」はもちろん「美女と野獣」「アラジン」「ムーラン」ともう数え切れないほどですし、名曲ばかり!! 思わずこの写真の前で拝みたくなってしまいました。

もちろん、会場内ではその作品のスペースでその名曲たちが流れています。好きすぎて、素晴らしすぎて、音楽が流れてくるだけで泣きそうになっていました。

そして、「リトルマーメイド」では水の揺らめきのような照明があり、まるで水中にいるような感覚になりました

耳からも魔法にかかりましょう! 音声ガイドもレンタル必至です。


音声ガイドのナビゲーターを務めるのは、数々のディズニー映画で日本版キャストを務めてきた山寺宏一さんと、最新作「モアナと伝説の海」でヒロイン、モアナの声を担当した屋比久知奈さん。

ディズニーファンからしたらもう、山寺さんの声が聞こえてくるだけで感動もの! しかも、随所に山寺さんが演じられたキャラクターの声も入っていて、そのたびにテンションが急上昇でした。また、屋比久さんのフレッシュでかわいらしい声も、夢の世界を広げてくれるように感じました。

音声ガイドのボーナストラックには屋比久さんの歌う「モアナと伝説の海」の「How Far I’ll Go」も収録されています。モアナのアート作品を見ながら曲を聴けば、気分がさらに高まること間違いなしです。

見逃せないグッズコーナー


展覧会最後にあるディズニーグッズコーナーも見逃せません。この展覧会でしか購入することの出来ない会場限定グッズは約400種類! 展覧会のグッズコーナーとしてはかなりの広さのスペースにあふれんばかりのグッズが置かれていて、どれも欲しくなってしまいます。

グッズはどれも可愛くておしゃれ。そして原画を使ったシックデザインなので、大人も持てるディズニーグッズだと思います!

筆者も次から次へと買い物カゴにグッズを入れて、気づいたら、大好きな「リトルマーメイド」を中心にこれだけ買ってしまいました。

感動必至!

ディズニーの作品作りに対する情熱、そしてたくさんの方を楽しませたい、驚かせたい、という愛にただひたすら感動し、ますますディズニーが好きになりました!

日本科学未来館
住所 : 東京都江東区青海2丁目3番6号
会期 : 2017年4月8日(土)〜9月24日(日)
営業時間 : 10:00〜17:00《入場券の購入および会場への入場は閉館時間の30分前まで》
休館日 : 火曜日《ただし、5月2日、7月25日、8月1日、8日、15日、22日、29日は開館》
チケット: 大人(19歳~)¥1,800
      中人(小学生~18歳)¥1,200 (土曜¥1,100
      小人(3歳~小学生未満)¥600
公式HPはこちら

この記事を書いた人

小川希

小川希

舞台俳優の傍ら、隙間を見つけては旅行に繰り出す。旅行先では、グルメ、美容グッズ、現地の人気なものを試す事が何よりの楽しみです。甘い物が大好きでスイーツには目がありません。その一方「ダイエットインストラクター」の資格も持つ。好きなものを食べて痩せる方法を日々模索中です。アートにも興味があり、写真展・絵画展、デジタルアート展などをめぐることも好きです。世界遺産検定二級取得

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