雨が止めば行楽日和。落ち葉が積もってペグが刺せなくなる前に、思い切ってキャンプはいかがでしょうか?
でも、まずは用具を1から揃えなくては……。そもそも選ぶ基準は? アウトドアのブランドは、どこまで重要視する?
悩む前に、お店に駆け込む! そして店員さんにあれこれ聞く! それで構いません!
しかし! それではこの記事が終わってしまいます……。各用品の質の分析やブランドの相場はプロの方にお任せしまして、ここはひとつ、キャンプ好きでボーイスカウトにも参加する私が実際に使っているキャンプグッズをレビューと共にご紹介します。
テントに求めるのはひたすら通気性
▲温度調節に優れたモンベル(mont-bell)のテント
キャンプは夏に行くことが多いこともあり、通気性を求めに求め、選んだのがこのモンベルのクロノスドーム。アウトドア王道のブランド、モンベルは日本のブランドでありながらお値段もリーズナブル。ソロテント用のサイズのものもあり、男子ばかりで紅一点の時が多いボーイスカウトの活動で重宝しています。
高さが無いためテントの中でズボンを履いたりするのに苦労しますが、それ以外は特に問題ないです。何より、熱や湿気がこもりにくい。夏ほど窓を全開にしたくなるのですが、虫が多いのも夏。
藪育ちの蚊は普段住宅街で目にするものより毒性が強い故に、暑さに関しては我慢を強いられるのはキャンプあるあるなのです。
このテントの特長はそれを解決してくれる、メッシュ加工と生地の薄さ! ポールも合わせて軽量化されているので、車以外の移動を強いられるキャンプにも強いです。
こんなに布が薄いと、雨が降ったら染み出て来る? そこは正直、どのテントでもほぼ同じです。むしろこの薄さが、ボタボタという雨が滴る音を軽減してくれるくらい。
テントを建てる地面にブルーシートを敷く、カバーは面倒くさがらずにしっかりロープを張る。雨対策はテント本体そのものの質ではなく、管理方法に目を向けて徹底させましょう。長い期間使い続けることにも繋がります。
その他のオススメ
雪山用のテントと違い、キャンプが目的のテントであれば、あまり保温性や防水性は重視しません。寒いなら寝袋や防寒着を着込めばいいですし、万が一浸水しても銀マットで寝れば実質的な被害はないです。
ただし通気性だけは……テント本体にこだわるしか改善策がありません。布の暑さや重さ、出入り口の構造などに注目してみて下さい。
種類が多すぎる寝袋は、使う時期と場所で絞る
シュラフ(寝袋)は種類が多すぎて、そもそもどう分類されているのか……。まず、形状が2種類に分けられます。写真のタイプがマミー型。収納時に嵩張りにくく、登山にも使える優れものです。もうひとつが封筒型。一般的にオートキャンプ(キャンプをするために車でキャンプ場へ行く)で使われるものです。こちらは布がゴワゴワしているイメージがあります。
そしてふたつの形状のものが、使われる場所の気温によって分けられています。基本、表示されているのは最低使用温度。これよりも7~8℃ほど余裕を持ったものを選ぶと快適です。
このことを踏まえた上で選んだ、またしてもモンベルのシュラフ。こちら、肌触りがたまらなく良いんです。そして、さらさらな布地が肌にぺたぺたくっつかない所が気に入っています。
こちらの最低使用温度は4度。これよりも寒いシーズンで使う場合、私はシュラフを変えずにカバーや布を更にかけて保温効果を上げています。テント同様、用具本体以外のところで工夫すれば、使う場面は多くなります。決してお安いものでもないので、しっかり手入れする上で使い倒したいですね。
くつろぎの場は、コールマンの出番。
タープ(雨や日差しよけ用の屋根だけがあるテント)を張って、その下に置くのは椅子とテーブル。
安全面云々に関わるテントや寝袋と違い、テーブルや椅子に拘りを持つ人はそう居ない思われます。ましてや椅子は数が要る。
そこでおすすめなのが、ファミリー向けのアウトドアブランド、コールマン!
▲持ち運び楽々なコールマン(Coleman)コンパクト クッションチェア
お値段は、最近はSEIYUで扱うレベル、と言えば伝わるでしょうか……。恐らく、背もたれのあるタイプのコンパクトチェアの中で、最安値ではないかと。
実際の質はと言いますと、何ら問題なく丈夫です。ドカッと座っても、まるで軋まない。音がしない。もっと軽量化を図ろうと思うと、まず背もたれがなくなりますし、座高が更に低くなります。その面も配慮すると、持ち運びのことを考えてもコールマンが良いかと思われます。
しかしこの椅子、これでも座高は低いです。普通のテーブルだと、置かれたコップと顎の位置が同じくらい。そこで、
▲高さ調節ができるコールマン(Coleman)ナチュラルモザイクTM リビングテーブル
テーブルも、コールマンで合わせます。こちら、高さが2段階で設定できまして、低い方でセットすると丁度この椅子と高さが合います。地面と距離が近い分、何かを落として壊すという被害は減りそうです。お子さんも連れたキャンプの場合は、大事なこと。
勿論こちらも折り畳めますので、コンパクトに持ち運べます。
▲軽くて折り畳める!コールマン(Coleman) ステージテーブル
軽量化を求めるのであれば、こちらをオススメします。アルミ製は、とにかく軽いです。折り畳んだ時も、タープほどの幅は無い袋で収まりますので、銀マットと同じボジションでリュックに装備できます。
憧れのチタン食器は、スノーピーク
アウトドアの食器って何故か銀色のものを皆持っているような……恐らくそれは、スノーピークのチタン食器です。(もっとつやつやしてるのは、ステンレス製のコールマン)。
勿論、モンベルもチタン製の食器は出しています。しかし、スノーピークの方が明らかに人気です。その秘訣は、飲み口。
▲スノーピーク(snow peak) チタンシェラカップ
この反り返っている飲み口が、熱いものがドバドバ口に入らず良いのです。そしてチタンの熱伝導の悪さを活かしておりまして、直火にかけても飲み口は熱くならないんです。
この小さいフライパンのような形と取っ手は、そういう用途を含んだ上での構造。山頂で湯をわかしてひとり用のうどんを作っているおじさんは、よくコレを使っています。
▲スノーピーク(snow peak)スタッキングマグ 雪峰
こんな洒落たものもあります。スノーピークって、漢字変換あるんですね……。こちらも飲み口、反り返ってます。
▲スノーピーク snowpeak 純チタン食器3点セット
その他お皿やお椀も、是非ともチタン製を選んで頂きたい。飲み口は熱くなくとも食器の底は熱いです。そのため取っ手は、特に汁物では必須。手から滑り落ちやすい素材でもあるため、なるべく取っ手付きのものにしましょう。火傷は厳重注意です。特に野外の夕飯時は、ランタンを付けていようと手元が暗いので。
ちょっとした時に、1本。ビクトリノックスの折り畳みナイフ
▲VICTORINOX(ビクトリノックス) クラシックAL
そんな本格アウトドアはするつもりないのに、ナイフなんて――。いえいえ。小さな裁縫セット感覚で1本、携帯しておいた方が便利です。例えば咄嗟のささくれや、どうしても解けない梱包の紐等、わざわざそれ専用の刃物を仰々しく持ってくるまででもない、という時用に使うものです。あくまで、非常用。むしろ、刃も柄も小さいので日常的にザクザク使えるものではないです。
▲VICTORINOX(ビクトリノックス) ソルジャーナイフ
王道のビクトリノックスの一番小さいサイズなら、カッターと同じようなものとして持ってられます。勿論ナイフですので、扱いは充分に注意してくださいね。
ビクトリノックスの中でオススメは、ソルジャーナイフ。主にナイフではなく、ノコギリなどのギザギザした刃がメインです。縄や段ボールや小枝等、アウトドアでは摩擦で切るものが大半を占めるので、重宝します。ただ、このナイフは幅があるため、入るケースが、
▲ビクトリノックス VICTORINOX ミリタリー・ナイフケース
これしか無いです。そして、店頭で在庫に余裕があるところが少ないです。
その場合、自分で作ってしまうのもひとつの手です。ソルジャーナイフは重さがあるため、少なくとも裸のままポケットに入れておくことは出来ません。ケースは必須です。
▲オピネル(OPINEL)のナイフ
もうひとつ。よく店頭で見かけるビクトリノックスのショウウィンドウの脇で展開されているオピネル。柄の滑らかなデザインが魅力ですが、そもそも一体何に使うナイフ? とよく聞かれます。
これは、果物やチーズなどの柔らかいものを切る時に使う刃物です。包丁やバターナイフ代わりに使ってしまう人もいますが、通な扱い方ですね。お値段もリーズナブルで手荒に使うことに抵抗が無いのですが、実はフランスの山村から生まれた、愛用者が絶えないナイフです。
ただ、折り畳みのロックの扱いが難しいのと、自力で刃物が研げないと宝の持ち腐れになります。刃は外せるので、太い柄を気にすることなく手入れが出来ます。シンプルなデザインなので1本、チャレンジしてみるのもアリかと思います。
いかがでしたでしょうか?
様々なキャンプ用品の中から、目星の付けられそうなものがあったら幸いです。
キャンプの醍醐味は自然との触れ合いですが、アウトドアだからこそ触れられるアイテムもある意味魅力的なものです。快適なキャンプのために、用具にこだわるのもまたひとつの楽しみ。是非、アウトドアショップに赴く際には根気をもって色々な用具を吟味してください。
それでは、素敵な秋のキャンプを!