ドイツ南西部にあり、背後には「黒い森」を抱いている町バーデン・バーデン。古くから温泉保養地として栄えたこの町には、どことなく高級で優雅な雰囲気が漂っています。
保養で長期滞在をする人が楽しめるように町には様々な娯楽施設が揃っていますが、今回はその中から「大人の遊び場」でもあるカジノに潜入してきました。
バーデン・バーデンとはどんな町?
由緒正しい温泉保養地としてその名を知らしめているバーデン・バーデン。
その歴史は古く、紀元80年には既にローマ人がこの地で温泉に入っていました。彼らが作った温泉浴場は「ローマ浴場跡(Romische Badruinen)」として見学する事も可能です。
かつてはヴィクトリア女王やブラームスをはじめとする名だたる王族や貴族、音楽家などがこの地を訪れました。町には娯楽施設以外にも花や緑で溢れる公園・通りも多く、そこではのんびりとした時間が流れています。
カジノのガイドツアーに参加
そんなバーデン・バーデンにあるカジノは、小ぢんまりとしているものの内装が美しすぎる事で有名。プレイをしなくても中を見てみたいという方の為にガイドツアーも用意されています。
ガイドツアーが開催されるのは午前中のみ。夏は9時半、冬は10時に一番最初のガイドツアーが始まります。
普段は男性ならジャケットとネクタイ、女性はシックなワンピースといったドレスコードがあるカジノですが、ガイドツアーの時はラフな格好でOK。
実際に筆者もスニーカーにショートパンツ、Tシャツといった町歩きをするような服装で参加しました。ツアー時間は大体40分ほどで、料金は7ユーロです。営業時間中は写真撮影が禁止ですが、ツアー中は自由に写真を撮ることもできますよ。
趣の違う様々な部屋
さっそくカジノツアーに参加してみましょう!
チケットを購入したら、この待合スペースのような場所でツアーが始まるのを待ちます。
ツアーでは担当の人が建物の歴史やそれぞれの部屋についての特徴、調度品などについて詳しく説明をしてくれます。いくつかある部屋はどれも趣が異なり、1つの建物の中とは思えません。
中でも特に印象的だったのがこの部屋。まさに文字通りの「豪華絢爛」な部屋で、壁や天井に描かれた絵画はまるで美術館のよう。シャンデリアはなんと重さ1トンなのだとか。
部屋の中にはいくつもゲーム台がありますが、平日は来場者がそこまで多くないので、これら全てが使われる訳ではないそうです。
興味深かったのは、ゲーム台に書かれている文字がフランス語だという事。かつてこのような社交界ではフランス語が公用語だったため、その名残りが今でも残っています。
世界各地からのお酒が集められたバーコーナーには、なんと日本のウィスキーも用意されていました。カジノではゲームをするだけでなく、こんなバーカウンターで話に花を咲かせるという楽しみ方もあるのです。
美しすぎるバーデン・バーデンのカジノ。夜に大人の遊びを楽しむも良し、昼間に訪れて部屋をじっくり観察するも良しと、いつ訪れても楽しめる場所がここにあります。