こんにちは、ライターの新田です。今回は日本最大の私鉄、東武鉄道が運営する博物館「東武博物館」を紹介します。
「東武博物館」は充実した展示物はもちろんのこと、浅草からのアクセスがいいのも大きなポイントです。それでは、さっそく「東武博物館」に入館してみましょう。
浅草駅から3駅目「東向島駅」にある「東武博物館」
東武博物館は東武伊勢崎線、「東向島駅」の高架下にあります。「東向島駅」は浅草駅から3駅目なので、浅草観光とセットにして訪れることもできます。
「東向島駅」の裏には落語家、三遊亭圓歌さんの母校でもあり、落語でも登場する第二寺島小学校があります。ところで、ご年配の方でしたら「東向島」という地名よりも「玉ノ井」のほうが馴染みがあるかもしれません。
なお「東武博物館」の入場料は大人200円! ふらりと立ち寄れる料金設定も魅力のひとつ。私が訪れた日は平日ということもあり、親子連れの姿が目立ちました。
SLからスペーシアまで、いろんな車両に出会える「東武博物館」
「東武博物館」の魅力のひとつにいろんな車両に出会えることが挙げられます。館内に入り、まず目に飛び込んできたのがSLです。
このSLは明治31年にイギリスから輸入されたもの。昭和40年まで東武で活躍しました。2017年夏、東武鉄道ではSL「大樹」がデビューしたので、より一層注目を集める展示物になるのではないでしょうか。
SLの横にあるいかつい電車「デハ1形5号」は大正13年に生まれました。当初は現在の東京スカイツリー駅から西新井駅までを走りました。写真以上に迫力を感じます。
「デハ1形5号」は車内も見学可能です。車内はレトロの一言。まるで、タイムスリップしたような感じになります。
なお「東武博物館」に展示されている車両の多くが、車内見学可です。これほど、車内見学が可能な鉄道博物館も珍しいのではないでしょうか。
外にも展示車両があります。そこで見つけた愛らしい車両が5700系5701号電車です。この愛敬のある丸っこいスタイルは「湘南型」と呼ばれ、1950年代の鉄道界で大流行しました。
5700系電車は日光、鬼怒川方面の特急列車としてデビュー。そのため、車内はこのようなロマンスシートになっています。当時は向かい合わせのボックスシートが主流だった時代。きっと、多くの乗客はこのロマンスシートに驚いたことでしょう。
ここで、変わり種の車両をご紹介しましょう。それがこちら、路面電車の200型203号です。「東武」と「路面電車」と聞かれても「?」マークが浮かぶ方が大半でしょう。
実は昭和43年まで日光地区では東武鉄道が運営する路面電車が走っていました。
車内は思ったよりも近代的。昭和29年製ですが、あまり古さを感じさせません。なお、200型の一部は岡山市内を走る岡山電気軌道で活躍しています。
お待たせしました。昭和時代の東武の顔1720系「デラックスロマンスカー」です。今見ても、優美なスタイル。優等列車にふさわしい品格を兼ね備えています。
1720系は昭和35年に登場し、平成3年まで特急として活躍しました。リクライニングシートはもちろん、ジュークボックス付きサロン室もあった超デラックス特急です。
こちらが「デラックスロマンスカー」の車内です。現在でもきちんとリクライニングします。今の車両にはない重厚感を味わえることでしょう。
車体ではありませんが、現在活躍している「スペーシア」の「コンパートメント」が展示されていました。社長室のような重厚な雰囲気。思わず、ずっといたくなります。
「デラックスロマンスカー」「スペーシア」に共通するのは「重厚な雰囲気」。このワードは東武特急を語る上では外せませんね。
東武博物館のシミュレーターで運転士気分を味わおう
「東武博物館」にもシミュレーターが設置されています。私は東武伊勢崎線の8000系にチャレンジしました。実は私は神戸生まれの神戸在住。そのため、東武伊勢崎線に乗ったのは今回が初めてでした。
全く知らない風景の中、走行するのもなかなかおもしろいもの。「こんな風景なのか」「こんな駅があるのか」とあれこれ思いながら運転しました。シミュレーターの近くにはスタッフがいるので、誰でも安全運転ができるはずです。
地面に書かれた大きな東武鉄道の地図
最後に関東最大の私鉄、東武鉄道の大きさを示す地図を紹介しておきましょう。館内には地面に貼り付けられた東武鉄道路線図があります。
浅草駅から出発して、群馬県、栃木県方面へ向かう伊勢崎線系統、そして池袋駅から出発して埼玉県方面へ向かう東上線系統の2つに分かれるのが東武鉄道の特徴。
こうして見ると、東武鉄道はなかなか奥の深い鉄道会社だなと思いました。東武ユーザーはもちろん、東武鉄道に馴染みのない方でも楽しめる博物館です。