マレーシアでは、いたるところで韓国料理店を見かけます。味がはっきりしているので、濃口料理を好むマレーシア人にとっても受け入れやすい味なのだと思います。マレーシアの韓国料理事情や、今回訪れた韓国料理店についてのレポートです。
マレーシアの韓国料理事情
マレーシアには様々な宗教の人が住んでいます。当然ですが、宗教によって食べられるもの、食べられないものが異なります。
例えばイスラム教の人は、イスラム法上で食べることが許されている食材や料理である「ハラル」以外(豚肉やアルコール類など)は食べられません。またヒンドゥー教の人にとって牛は聖なるものであるため、牛肉は食べられません。
そんな文化的な理由から、マレーシアにある韓国料理は、様々な宗教の人が食べるようにアレンジされたものが多いようです。
活躍するのは鶏肉! マレーシアの韓国料理店では鶏肉を使った料理をよく見かけます。ですから、韓国人に言わせると、マレーシアの韓国料理は「韓国風料理」なのだそうです。
とはいえ、そのようにアレンジしてまで韓国料理を食べるということからも、マレーシアでどれだけ韓国料理が好まれているのかがおわかり頂けるかと思います。
韓国人が経営する韓国料理店
今回、クアラルンプールにある韓国人が経営するサムギョプサル(韓国風バーベキュー)のお店「BAMBOO HOUSE(バンブー ハウス)」に連れて行ってもらいました。
訪れたのはクアラルンプールのプタリンジャヤという場所にある支店です。本店はアンパンという場所にあります。アンパンは韓国人が多く住んでいるエリアで、韓国の食材も手に入れやすい場所です。そこに本店があるのも納得です。
バンブーハウスの様子は……
バンブーハウス(竹の家)という名前の通り、竹でインテリアされたお店でした。入り口周辺が竹でデコレーションされていたり、テーブルを隔てる壁が竹だったりしました。スタッフがお肉を炭火で焼いているため、店の前は少し煙たい状態でした。
中に入って行くとバーベキュー用のコンロが置いてあります。そう、ここはバーベキュー専門、食べ放題のお店なのです。
韓国系のお酒も充実していました。
サムギョプサル食べ放題
席に着くと注文は一切聞かれず、豚肉が盛られている皿を持ってこられます。スタッフが店の前で炭火で焼いていた豚肉です。半分ほど火が通ったところでテーブルに持って来られ、残りを自分たちで焼いて食べるシステムになっていました。
1枚1枚がかなりの大きさです。以前韓国に行った時に食べたサムギョプサルと同じサイズでした。肉が焼けるのを待っている間に、サイドメニューが運ばれて来ます。
何種類かのキムチはもちろん、サンチェ、サラダ、チジミ、キムチスープ、韓国風味噌汁テンジャンチゲなどテーブルの上に乗り切れないくらいたくさんのサイドメニューです。
しかも全部おかわり自由だから驚きです。サイドメニューを食べているうちに肉が焼け、サンチェなどに包んで食べます。お味は……最高です!
みんなひたすら肉を焼き続けとにかく食べ続けます。こうなるとサイドメニューに目を向ける人はほとんどいなくなります。お腹いっぱいになるまでサムギョプサルを食べることができました。
店内の雰囲気は?
周辺のお客さんを見ると華僑(中国系マレーシア人)だけでした。イスラム教の人はもちろんですが、ヒンドゥー教の人が豚肉を食べにわざわざくることは少ないようです。お店の客層を見るとマレーシアの文化や背景を強く感じます。
華僑が多いので(?)店内はかなり賑やかに感じます。中国語のトーンの関係だと思うのですが、中国系の人が多く集まっているお店は特に賑やかに感じることが多いです。
リーズナブルで美味しく、しかもお腹いっぱいになれます!
ランチタイムに行くと1人25リンギット(約660円)、ディナータイムに行くと1人29リンギット(約770円)でサムギョプサル食べ放題なのでとてもリーズナブルだと思います。
帰りがけにたまたま韓国人のオーナーと話すことができました。他の従業員に混じって一生懸命に働いているオーナーは、紹介されない限り、他のスタッフと見分けがつきません。フレンドリーなオーナーに笑顔で見送られ、店を後にしました。
私は韓国料理と豚肉が大好きなので時々食べたくなります。家から遠い場所にありますが、クアラルンプールに来る用事があった時についでに寄りたい場所でした。
この値段で本場の韓国料理を味わえるのはお得なので、旅行中マレーシア料理に飽きた時に訪れるにもちょうどいいお店だと思いました。