オークランド博物館、館内だけ楽しむなんてもったいない!隠された5つのスポットとは?
ニュージーランド

海外旅行で大きな都市に着いたら“とりあえず”行く人も多いであろう「博物館」。
ニュージーランドの最大都市・オークランドにも大きな博物館があって、3階建ての重厚な建物は展示物が充実していて見ごたえがあります。
しかし、このオークランド博物館の面白さは、館内を見て歩くだけではありません。周囲には広々とした芝生の公園が広がっていて、そこに点在する見どころも「生の展示物」として来訪者を楽しませてくれます。

この記事では、館内の展示物だけにとどまらない、僕が「ここはぜひ行ってほしい!」と思うオークランド博物館の見どころを5つに分けてご紹介してみましょう。これさえ押さえておけば博物館を120%満喫できること間違いなし! ですよ。

1.年間を通してお花が楽しめる大温室「ウィンターガーデン」

オークランド博物館
▲オークランド博物館
ウィンターガーデン
▲ウィンターガーデン
 
ちょっとした丘の上に建っている博物館を出てあたりを見おろすと、まず最初に目に入るのは2棟に分かれた大温室、『ウィンターガーデン』です。建設は1914年。なんとWW1の直後の時代にできた建物ですね。200年ちょっとしか歴史のないニュージーランドからすれば、かなり古い部類の建物と言っていいと思います。

ウィンターガーデンの中庭。
▲ウィンターガーデンの中庭。結婚式の写真にもよく使われるそうです。

 

中に入ると、これはもうイギリス系の国の植物園にかならずひとつはありそうな色とりどりのお花が植えられたみごとな大温室で、ここだけで入園料をとってもよさそうな出来栄えに思わず見入ってしまいます。2棟の間には噴水のある中庭があり、結婚式の写真撮影などでもよく利用される場所です。

2.NZの自然を体験できるネイチャートレイル

ネイチャートレイル
▲ネイチャートレイル。大きなシダもたくさん!
 
博物館をでてまっすぐ公園を歩くと、小川沿いにネイチャートレイルの入口が見えてきます。ここは都会の中とは思えないほどしっかりと奥深い自然が残っていて、

 

「こんな都心に森林浴スポットがあるんだ!」

 

と、その意外さにきっと驚くことでしょう。往復でも歩いて20分くらいなので、博物館の展示でNZの自然を学んだあとに歩いてみると、より面白いかもしれませんね。

3.オークランドの貴重な花見スポット

オークランドの花見スポット!
そのネイチャートレイルを抜けた先には、あまり知られていませんが、桜並木がひっそりと続いています。
桜と聞いて日本人なら行かないわけにはいきませんよね!! ソメイヨシノではなさそうですが、日本のそれに近い、淡いピンクのお花で、ちょっと日本を意識したのか、朱色の小さな橋もかかっています。満開の季節でもお客さんはあまりおらず、ゆっくり花見をするにはうってつけです。ニュージーランドは季節が逆なので、だいたい10月ごろに満開を迎えます。

 

これは余談ですが、ニュージーランドにはゴザを敷いて花見をする習慣がない上に、公園でのお酒はたいてい禁止されています。満開の桜を前にして、提灯もビールもない花見はちょっと味気ないよな~と思うのは、きっと僕だけではないはずです。

4.マオリ族の王の記念樹

最初に挙げた大温室の横手には小さな丘があるんですが、その頂上には1本の樹が植えられていて、しかもうやうやしく柵で囲われています。でも、特に案内看板は何も出ていないんです。
マオリ族の記念樹
▲マオリ族の記念樹
 
「これ、何の記念樹なんだろう?」

 

不思議に思って調べてみると、どうやらNZの歴史に関するけっこう重要な樹のようでした。
ニュージーランドの先住民族はマオリ族という、あのラグビーチームのオールブラックスが試合前に披露するハカの踊りが有名な民族です。どうやらその初代の王様がその場所に住んでいたようで、末裔の手によってずいぶん昔に植えられた樹なんだそうです。

 

どうしてマオリ族の王が担ぎ出され、この地に住んでいたのか、この樹を選んだ理由等々、いろいろ背景があるわけですが、ここでは長くなりそうなのでやめておきます(笑)。でも、博物館のとなりに、ホンモノの歴史の生き証人が現存しているというのも、なんだかちょっと皮肉なような気もしますね。こういうその国の歴史をじかに触れて学ぶことが好きな方は、きっとこの「名もない記念樹」を見てみるのも面白いと思います。

5.オークランド博物館でハカを観る!

最後は、博物館の中の見どころについて。
展示物をひと通り見終わった後は、先ほども触れたマオリ族の踊り、「ハカ」を実際にこの目で見てみましょう!
入口で追加料金を払うことで、マオリ族による伝統舞踊のパフォーマンスを見学することができます。1日に3~4回と開催時間が決まっているので、ハカ見学を念頭に置いて展示を見て回るといいと思います。
マオリ族の戦闘舞踊「ハカ」。この写真は別の場所で撮ったハカ。
▲マオリ族の戦闘舞踊「ハカ」。(この写真は別の場所で撮ったハカですが、参考までに)
 
パフォーマンスでは、屈強なマオリの男たちによるハカの踊りや、女性陣のポイと呼ばれる糸の着いた玉をまわす独特のダンスが披露されます。踊りや文化について解説もしてくれたり、なぜかギターを持ちだしてお茶目に演奏してくれたりもします。彼らの文化に触れる機会って意外と少ないので、この機会に観ておくといいと思いますよ。

 

せっかく時間を割いて博物館を見に行くなら、隅から隅までしっかり見ておきたいですよね。オークランド旅行の先はぜひ博物館とその周辺部にも足を運んでみてくださいね。

この記事を書いた人

外山みのる

外山みのるアウトドアライター

1984年愛知県生まれ。ニュージーランド(オークランド)在住。20代はバックパッカーや一万キロ海外自転車旅など世界を放する。2015年に念願だったアウトドア天国NZへ移住し、国際結婚・留学・仕事と毎日奮闘中。NZウェブマガジン『ネイチャーニュージーランド』運営。多方面に観光、エコツアー情報を発信しています。

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