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    三菱デリカ率9割の村で、山上の教会をめざすとこうなる
    ジョージア

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    ジョージア(グルジア)北部、あと少しでロシアとの国境というコーカサス山脈の麓に、「カズベキ村」という小さな村があります。

    アルプスのような山の景色が美しいと聞いて行ってみると、そこでは意外な光景を見ることができました。

    ソクたびソクたび

    山上教会へは〇〇〇で向かいます

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    静かでのどかなカズベキ村の、ほぼ唯一の見どころとなっているのが、集落から望む山の頂に建つ「ツミンダ・サメバ教会」です。

    教会へ行くには、トレッキングとして足で登るか、車で登るかの2つがあります。さすがに登山するつもりはなく、迷わず車をお願いしました。
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    宿に迎えに来てくれたのは、四輪駆動車。しかも三菱のデリカです!

    おおーー、こんな小さく辺鄙な(失礼)村にも日本車が。車に乗り込むと、シートベルトや椅子の背面などに書かれた注意書きが日本語でうれしくなります。

    教会への道のりは、舗装が一切されていません。そのため、山に入った途端にでこぼこ道。なるほど、四輪駆動車が登場するのも納得です。
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    道は窪んだりえぐれたりしているので、車はそれを避けながらゆっくり進みます。

    山道にはヘアピンカーブもありますし、大きく揺れるので、乗り物酔いしやすい人は事前に酔い止め薬を飲んでおきましょう。私が乗った車も、こんなに傾いています!

    車に揺られていると、前後に同じく教会をめざす車を見たり、山から降りてくる車ときわどくすれ違ったりしますが、あの車もこの車も……どの車も三菱デリカなのです! 三菱の回し者じゃないかと思うほど(笑)。
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    ▲前を行く車も、同じ三菱デリカです
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    ▲すれ違うのも三菱車

    ドライバーに、デリカばかりだねと聞くと、返ってきた答えは「カズベキ、ファイブハンドレッド デリカ!」。えっ500!? カズベキ村に500台もデリカがあるの?

    どう多めに見積もっても人口は1,000~2,000人かなというカズベキ村。500という数字が多少盛り気味だったとしても、驚きです。
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    でもたしかに、カズベキ村で見る車の10台のうち、8~9台はデリカでした。それ以外も日産やトヨタだったり、(私たちにとっての)外車は、ほとんど見なかったかもしれない……。

    ドライバーは「トヨタ、ホンダ、ジャパン グー!!」と私たちをヨイショ(?)してくれ、同行の友人は「このセリフ、日本のおじさま達に聞かせてあげたい……」と感激にむせんでいました。

    私たちが乗ったデリカは窓ガラスにひびが入っていましたが、ジョージアではそんな車をたくさん見かけました。ロシアとの内戦(2008年)の影響なのか、建物のボロボロ具合や物乞いなど、少し貧しさも垣間見えるジョージア。

    日本以上に車は大切な資産なのでしょう。みんな自分で修理をしながら、長年大切に乗っているんだろうなと伝わってきました。

    絶景のツミンダ・サメバ教会

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    デリカ率の高さに驚きながら山上に着き、視界が開けると……なんて幻想的な風景! この日は朝から雨が降っていたので、雲海の中にいるような光景です。
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    教会の背後にそびえる、標高5,033メートルのカズベキ山。万年雪をたたえています。高い! 山上にいるときは雲がかかって見えなかったので(1つ上の写真でいうと、撮影したサイドにそびえます)、宿から見た写真です。
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    先ほどまで私たちがいた集落を見下ろします。ひと目で村が見渡せることから、推定人口1,000~2,000人と判断しました。
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    ジョージアのおもな宗教はジョージア正教(キリスト教の一派)。教会は素朴な造りが特徴です。
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    教会から駐車場を見下ろすと、三菱デリカのオンパレード。どれが自分の車か、外見では見分けがつきませんね(笑)。ナンバープレートで区別するしかないのでは。
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    ジョージアで興味深いと思ったのが、教会とは別に十字架が単独で直接、地面に立っていること。同じ光景を他でもたくさん見ました。

    そして十字架も教会も、山のてっぺん(このカズベキのように)や、川べり、断崖絶壁のキワキワの場所などなぜか「先っぽ」「端っこ」に配置するのがお好きなようです。
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    そのほうがより象徴的で信仰心が増すという考えでしょうか。そこに到達するまでの苦労は信仰心に直結しますし、旅行者にとってはフォトジェニックだし、一石二鳥です。

    見どころはこの山上の教会だけという、本当に小さなカズベキ村。でも、この教会を訪れ、ほかの時間は鳥のさえずりが聞こえる集落をぶらぶら散歩するだけでも、この村に行く価値はじゅうぶんにあります。

    ジョージアのアルプスで癒されてください。

    カズベキへの行き方

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    首都トビリシの地下鉄「ディドゥベ駅」を降りると、駅前広場がマルシュルートカ(乗り合いバス)や乗り合いタクシーのターミナルになっています。たくさんの運転手が声をかけてくるので、乗りそびれることはないでしょう。
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    トビリシからカズベキまでの道は「ジョージア軍道」といって、18世紀に帝政ロシアが軍事用に切り拓いた道で、景色が美しいことで知られています。
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    ▲ロシア・ジョージア友好記念碑

    マルシュルートカだとカズベキまで直通で2時間半~3時間程度ですが、途中にアナヌリ教会や展望台など立ち寄りたいスポットもいくつかあるので、途中停車のできる乗り合いタクシーで4時間くらいかけて行くのがいいでしょう。

    ツミンダ・サメバ教会(ゲルゲティ三位一体教会)

    防寒対策は万全に!

    私がジョージアを訪れたのは6月半ば。日本より暑く、首都トビリシでは半袖で十分でした。カズベキに着いても、初めはとくに涼しさを感じませんでした。

    が、「山の天気は変わりやすい」というのは本当ですね。一気に雲行きが怪しくなり、雨が降り出すと寒くて寒くて。Tシャツの上にロングカーディガン、さらに綿製の上着を羽織ったのですが(写真)、それでも「寒い」という感覚からは解放されず。

    トレッキングに来た欧米人たちはしっかり山登り用ジャケットを着ていて、自分の間違いを思い知らされました。山間部に行くときはたとえ夏でも、薄手でいいので風を通さないウインドブレーカーは必須です!
    防寒対策は万全に!

    この記事を書いた人

    合楽 仁美(らく)

    合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

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    神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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