ビジネスパーソンの間で、「朝の座禅会」などが一時的なブームから、生活の一部へと定着しつつある最近、新たにお寺での「写経(お経を書き写すこと)」も密かにブームになりつつあるとのことで、早速筆者も写経体験をして参りました!
今回は、神奈川県鎌倉市にある浄土宗系の長谷寺にある書院にお邪魔しました。
実は以前、鎌倉観光でお庭が美しくて有名な長谷寺さんに訪れた時に、敷地内に佇むこの書院を発見し、こちらで写経ができることを知りました。
それからというものずっと気になっており、今回写経の体験できる機会を得たため、長谷寺さんに行くことにしました。
こちらの写経会場は、9:00-15:00までの間であれば自由に訪れることが出来ます。全ての道具を借りられるため、持ち物は何も要りません。
いざ、書院の中へ
私は午前11時頃に伺いました。まず、受付の方より、写経の簡単な説明を受けます。
長谷寺さんの写経会場では、3種類(40文字程度の短いお経、般若心経、仏様の絵をなぞる写仏)からひとつを選び、用紙を購入します。
筆者は最も一般的な般若心経を選びました。
その際に、塗香(ずこう)というお清めや浄化の為の”塗るお香”を左手の平に乗せて頂き、反対の手でこすり合わせ、お香を体にすり込ませ清めます。
これを行うだけで、お香の独特な香りで神聖な気持ちになりました。
初の写経体験、いかに?
さて、とうとう写経会場に入ります。
写経会場は、とても静かで、若い方からお年を召した方までが、書に集中していました。
(神聖な場所なので、写真撮影は禁止されています)
まずは、会場内にある仏様に手を合わせ、筆ペンか毛筆かを選び、好きな席に着きます。長谷寺さんの写経は、薄く印刷された字をなぞるだけなので、字の上手さに自信のない方でも、気楽に取り組めます。
ただ、この「なぞる」行為、やってみて思いましたが、実はすごく集中力が必要でした。
集中力が切れたり、他のことを考えて注意散漫になると、すぐ自分の字のクセが出てきて線からはみ出したり、線の太さが変わったりしてうまくいきません。
何度も集中力を取り戻すために気持ちを切り替えながら書き続け、私は書き終わるのに1時間半もかかりました。
最後に「家内安全」などの祈願と自分の名前を書き、奉納しました。
写経を終えて感じたこと
実際に体験してみて感じたことは、写経とは、基本的には祈願しながらお経を書き、それを奉納することによりご利益があるというものです。
しかしそれだけではなく、1時間程度の間、「書に集中する」という行為自体が、座禅にも似た精神集中を促し、終わった後は、頭の中がすっきりし背筋が伸びており、ある種のデトックス効果を感じました。これが、ブームの理由かなと思った次第です。
皆さんも、気分転換がてら、日ごろの色々の一切を忘れて、静かで神聖な空間で、写経に没頭してみてはいかがでしょうか。長谷寺では毎日写経が行われているので、ぜひ好きな時に行ってみることをおすすめします。
長谷寺で写経のスケジュールはこちら→長谷寺公式ホームページ