■ライター情報 川野歩美 国際貨物輸送代理店で3年勤めた後退職、一念発起し協力隊として新たな道を行く。バングラデシュにコミュニティ開発隊員として派遣。農村地域の生活向上の為、住民組織の結成や組織での活動、会議の促進などを目指す。現地の人と一緒になって活動することをモットーに、体当たりでバングラ文化に飛び込んで行く。 Webサイト:walker’s time in Bangladesh~ |
バングラデシュに来てからもうそろそろ1年が経とうとしているが、どうしようにも赴任当初より変わらないことがある。それは、何をするにもどこにいくにも、必ずついてまわる、バングラデシュの人々からの熱い視線。二度見三度見は当たり前、ともすれば至近距離からの凝視である。
特に、外国人は恰好の標的となる。
初めは、好奇心丸出しのベンガル人に私もたじたじであった。あの目力で、あの人口密度で見つめられるのを、ちょっと想像してみてほしい。
勇気ある者は、積極的に私に話しかけてくる。まずは国名を聞かれる。そして、兄弟は何人か、結婚しているか聞かれ、終いには、給料はいくらかと聞いてくる。 初対面の人にいきなりそこまでプライベートな質問をしてくるのだ。
これが普通。 この一年で、この質問に何百回、いや、何千回答えてきたことだろうか。定番一問一答形式の会話、私のベンガル語もこれだけは完璧であると言える。話が盛り上がると、かなりの確率で紅茶やミルクティをごちそうしてくれる。お家に招かれてご飯をごちそうになることも。一見シャイだが、一度打ち解けるとものすごい歩幅で距離を縮めてくるベンガル人。暑苦しいと思う時もあるけど、なんか、憎めない。