こんにちは! 小春日和です。最近映画の舞台を回ることを「聖地巡礼」というみたいですが、今回ご紹介するのは本物の聖地のご紹介です。ヨーロッパにたくさんあるカトリックの聖地の中で、私も思わず感動した北スペインの聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラの大聖堂のご紹介です!!
聖地 サンチャゴ・デ・コンポステーラとは……
北スペインのガリシア地方にあるサンチャゴ・デ・コンポステーラは「野の原の星」という意味合いです。8世紀頃に羊飼いが星の導きにより聖人サンチャゴ(聖ヤコブ)の遺体を見つけたことに由来しています。つまりサンチャゴ・デ・コンポステーラの大聖堂は聖人ヤコブを祀っている大聖堂です。
8世紀というとイベリア半島はイスラムの勢力が侵入し、キリスト教徒たちは奪われた自分たちの土地を奪い返そうというレコンキスタ(国土回復運動)の運動が始まりつつある時期でした。実はこの聖ヤコブはイスラムとキリスト教徒の戦いの中で騎士の姿で現れ劣勢だったキリスト教徒を助けたということからキリスト教徒の守護聖人でもあります。
ということでこのサンチャゴ・デ・コンポステーラは、キリスト教徒の聖地となり、長い長い巡礼を終えた人々が最後に訪れる重要な大聖堂なんです!
とにかくこの大聖堂は立派!! 長い年月をかけて拡張され様々な建築様式が混在しています。ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス、バロック……今回は建築の詳しいお話は割愛しますね! でも圧倒される感じです。
こちらは大聖堂の入り口のひとつ。いろんな出入り口があります。
内部は荘厳な雰囲気!
さぁ内部に入りましょう! 祭壇は金銀細工で施されカトリックの偉大さを感じずにはいられない雰囲気です。祭壇に祀られているのはもちろん聖ヤコブ。聖ヤコブは3変化するのですが、この祭壇では使徒としての姿です。長い巡礼を終えた信者はこの聖ヤコブの後ろに回り、背後から抱擁しすべての罪を赦してもらうのです。
こちらは栄光の門の近くにある柱の一部。現在は直接触れることはできなくなりましたが、よく見てみてください。人の手の形にくぼんでいるのがわかりますか? 巡礼を終えた人々がみんな無事に巡礼が終わったということでここに手を置いたんですね! 人々の思いが形となって表れているんだなぁと思うと感動!!
さぁ、ボタフメイロの儀式です!
この大聖堂は毎日ミサを行っています。パイプオルガンの荘厳な演奏と透き通った修道女の歌声には、キリスト教徒でなくても感動します。
さらに見てほしいのが「ボタフメイロ」の儀式。ボタフメイロとは香炉のことですが、ここのボタフメイロは巨大! 写真のように3~4人がかりで持ち上げます。
上から滑車のロープでで吊り下げます。そして……!
この香炉(ボタフメイロ)を振り子のように横に振るんです!! 天井ぎりぎりまで振り上げられる光景はスリル満点。こうすることにより、お香の香りが大聖堂全体に行き渡るという仕組み。当時の巡礼者は1か月ほどかけて巡礼の道を歩いてきました。もちろんお風呂なんてないですよね。ということは、みんな臭い! その臭い消しの役割も果たしているそうなんです。
荘厳なパイプオルガンの演奏とともにこのボタフメイロが空中を舞い、それを見ながら巡礼者の人々は涙を流していました。その姿を見て私ももらい泣き……いろんな思いを背負って巡礼をしてきたのでしょうね! そんな人々の思いを感じながらこの儀式をみると、やはりこの地は特別な力がある「聖地」なんだなぁしみじみ感じました。
このボタフメイロの儀式は毎日は行っていません。特別なミサの時しか行わないのですが、不定期です。信者の団体がお金を出してこの儀式を行うこともあります。運が良ければという感じになります。また、現在、大聖堂は一部修復作業が行われています。
サンチャゴ・デ・コンポアステーラ大聖堂のHPはこちら
Praza do Obradoiro, s/n, 15704 Santiago de Compostela, A Coruña, スペイン