無数の建物がひしめく新宿。その中でオアシスを探しているあなたへ、町中から一瞬のうちに神秘の異世界へワープできちゃうパワースポットを二社ご紹介します。西向天神社の「東大久保富士」と呼ばれるエネルギースポットは、SNSでも紹介され注目を集めているのだとか。さらに巳年の今年に欠かせないのが弁天参り。新宿には由緒ある弁財天を祀った抜弁天も鎮座しており、こちらへも足を運んできました!
東新宿の異世界―西向天神社

地下鉄東新宿駅を出て、ひっきりなしに車が行き交う大通りから脇道に入ると、そこだけ時が止まったかのような空間が広がっています。かつて東大久保村と呼ばれたこの地に、13世紀から鎮座する「西向(にしむき)天神社」は、時を経てもなお静寂に包まれた聖域のたたずまいを残しています。

「天神社」の社名、そして道真が愛した梅の花紋からわかる通り、菅原道真を祀った神社です。かつては「大久保天満宮」の名で知られていましたが、生前の道真が暮らしていた京都、さらには福岡の太宰府天満宮がある西向きに社殿が建てられているため、今では「西向天神社」と呼ばれています。

鳥居から始まる階段が、木々が生い茂る静寂の別世界へとあなたを誘います。そのまま進むと一対の狛犬に寄り添うように、楠木のご神木が神様のすみかである社殿を守っています。明晰な頭脳で知られる道真公を祀った神社ですので、学業成就、合格祈願、知恵を授かる等のご利益があるとか。
坂の多い地形もあり、高台に鎮座する静かな聖域といった雰囲気の西向天神社ですが、更なる魅力を知るには、右方向にある公園へ向かってください。地元の方々の憩いの場になっていますが、鬱蒼とした木々に覆われた場所に何やら不思議な気配が・・・その正体は、溶岩がうずたかく山のように積み上げられた冨士塚「東大久保富士」でした。

この富士塚は江戸末期に建造され、一時は撤去されるも再建された経緯があります。藤塚とは、富士山から運んだ溶岩で、霊山である富士山を模したいわゆる手作りパワースポット。富士山の神様・木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)が祀られています。エネルギーに敏感な方だと、冨士塚が放つ濃厚で強力なパワーが感じられるかもしれませんね。

境内から見ると2メートル程度の高さですが、西向天神社自体が高台に鎮座しているため、境内脇の階段の下から見れば、10メートル級の迫力満点の姿を現します。ぜひともこの階段から拝んでいただきたいパワースポットです!
●西向天神社
東京都新宿区新宿6-21-1
新宿でできる巳の日の開運弁天参り―抜弁天

西向天神社の異世界エネルギーで浄化されたら、いささか名残惜しい気持ちもありますが、大通りへと戻りましょう。次は金運などあらゆる運を開いてくださる弁財天の宿る神社へ向かいます。

国道302号線を若松河田駅方面へ少し進むと、「抜弁天」の信号表示が見えてきます。その下に鎮座するのが、弁財天を祀った厳島神社、通称「抜(ぬけ)弁天」です。

今では車の往来が激しい場所ではありますが、神社の歴史は古く11世紀初頭、奥州征伐の途中に立ち寄った源義家がこの地から富士山を拝み、広島の厳島神社に必勝祈願したのが始まり。その後お礼参りをした義家がこの厳島神社を建てたそうです。

厳島神社の神様・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が祀られており、水の神様つながりで弁財天(もとはインドの女神)と習合したため、新宿の弁天様になったとか。境内のご由緒によると庶民からの信仰も篤く、江戸六弁天の一つにも数えられているそうです。周辺のお寺と併せて「新宿山ノ手七福神」の一つにもなっています。新宿で七福神巡りも楽しそうですね。

こぢんまりとした境内であってもよく手入れされており、池には錦鯉が泳いでいて、大変清浄な空気に包まれています。小さな祠といえども、古くからこの地を守り続ける神様の風格なのか、威厳に満ちたオーラを感じました。
毎月3回程ある弁天様の縁日・巳の日は弁財天の寺社を参拝すると、運開きにつながると言われています。とはいえ有名な弁財天まで足を運ぶのが難しい方には、新宿の弁天様こと、抜弁天をオススメします!
●抜弁天
東京都新宿区余丁町8-5
東京の町中パワースポットはおもしろい!!

ほかの記事でもご紹介してきたように、都内の街角に何気なくたたずむ神社仏閣にも、歴史があるわけで、そのご由緒を紐解くだけでも知的好奇心を大きく掻き立てられます。
パワースポットというと自然豊かで、広大な境内をイメージされる方も多いかもしれませんが、都会のパワースポットにも、古の時代に暮らした私たちの祖先の歴史があるので、スピリチュアル要素だけでなく、ぜひこういった歴史も学びながらお参りすると楽しさも倍増しますよ!
 
						 
									
 
										


