アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
今回の記事は「優秀賞」に輝いた、山本美那子さんによる「全ては運次第!?星降る夜空をそよぐオーロラ鑑賞~きらめく地球の息づかい~」です。
テレビやインターネットでオーロラを見るたびに、なんて幻想的な風景なのだろう。映像だから綺麗に見えるのだろうか。一体、オーロラを自分自身の目でみたらどんなふうに観えるのだろう。いつか観てみたいなあ、観られるといいなあと、なんとなく考えていた。
今回のアイスランドの旅は正直、ブルーラグーンが大本命でオーロラには期待していなかった。事実、着いた直後のレイキャビークの街ではオーロラは観られなかった。
レイキャビークからレイクホルトという国立極地オーロラ観測所がおかれる、オーロラ鑑賞にお勧めの地域へ移動した。
なんと、ホテルの庭で鑑賞できるというのである。そんなに手軽で簡単にオーロラ鑑賞ができるなんて、さすがにあり得ないだろうと驚いた。テレビでオーロラ鑑賞といえば、一般的に暗いところまで移動して、ごっつい防寒着を着てひたすら待ち続ける“ザ・忍耐”の映像が色濃いからだ。半信半疑、夕食後ぼんやり待つことにした。
庭に出ると、とても空が澄み渡っていて、それでいて星が大きくて、キラキラ煌めいていて今にもこぼれ落ちてきそうだった。よく見る星座の絵が、自然と浮かんでくるほどだ。ラッキーなことに3回くらい流れ星を見た。大きな大きな星がシューーっと音を立てて、勢いよく空を横断する。最初は流れ星だと認識するまで時間がかかった。今までの人生で見てきた流れ星は、あっという間にチュンと消えてしまう刹那的なものだったからだ。あんなに豪快に流れる様子が見えるなんて知らなかった。宇宙船か何かかと思ってドキドキしてしまったくらいだ。流れ星をみたら、願い事を三回唱えると叶うといわれているが、あんなに長い流れ星だと願い事は叶い過ぎるのではないだろうか。おんなじ空なのに、場所が変わればこんなに違うものなのだ。アイスランドの空は、格別なのだ。アイスランドの星空だけでも十分に感動できた。オーロラが観られなくてもそれはそれで構わないと思えるほど美しい夜空だった。
ホテルの従業員の方が、ここ数週間曇りで全然オーロラが出なかったけど、今夜はすごくクリアな空できっとオーロラ鑑賞できると思うよ、と教えてくれた。そんな従業員さんは、半袖のTシャツとジーパンだった。私たちはスキーウェアの下に何枚もババシャツを着こんでいた。慣れは、偉大だと実感する。オーロラの出現も予想できるし、寒さにも強い。
うっすら、雲のような、少し色づき出した夜空。先ほどまでの透明感はない。流れるように表情を変えていく。オーロラの出現だ。あまりにも幻想的な地球の息づかいに、見惚れてしまう。一瞬たりとも見逃したくはない、ずーっとずっとみていたい。写真に撮るともっと色彩が鮮やかになり、まるでとても大きな天の羽衣が、可憐にそよめいているようだった。満天の星空にダイナミックなオーロラ。九時前くらいから出現し始め、深夜1時過ぎにはなくなってしまった。時間にしてみれば、4時間と長く思うかもしれないが、本当にあっという間だった。12時過ぎたあたりからは、消えないで、もう少しいてくださいと強く願っていた。かけがえのない素晴らしいひとときだった。
4時間も鑑賞でき、本当に幸運だったと今でも思う。いつも眺めている四角い暗い空と同じ空に、こんなに華やかな美しい空があるとは全く知らなかった。アイスランドは、地球を、宇宙を感じさせてくれる美しい国だ。自分たち人間がどんなにちっぽけか気付かせてくれる。心に奥行きができる場所だと思う。あの美しいアイスランドの夜空が恋しい。今度訪れるときはどんな彩りを魅せてもらえるだろう。ありったけの運を高めて望みたいと思う。
2014年9月27日(土)~28日(日)に行われるツーリズムEXPOジャパンに、駐日アイスランド大使館が出展いたします。どうぞお立ち寄りください!
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