アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
今回の記事は「優秀賞」に輝いた、和田佳子さんによる「街をキャンバスにアートを楽しむ ポップでカラフルな氷の国の首都 レイキャビク」です。
誰にも教えたくない、出来れば秘密にしておきたい場所。
でも、言いたくて仕方ない
そんなお気に入りの街や国ってありませんか。
私にとっては、レイキャビクの街がそう。
最近ではツアーも多く、その地を訪れるのはそんなに難しくなくなってきているけれど、
まだまだ何か秘密がありそうな、そんなことを感じさせてくれる不思議なところ。
旅のアンテナが大きく振れたのは、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖の写真をみたときだった。
当時、どうしても行きたかった南米の氷河はシーズンオフ。
「あー休みどうしようかな・・」とあきらめきれず、「南極」、「氷河」などと往生際悪く検索していると、
北極海クルーズという文字が目に入ってきた。
「北極か―」と今度は何となく「北極」、「氷河」と検索。
その時に「アイスランド・・・・・氷河」という言葉が見えた。
アイスランド?あの火山で大変だった国・・・?
ほんの数時間前まで考えにもなかったアイスランドが急浮上。
調べれば調べるほど、「イッタイどんなトコナンダ・・」と気持ちは高まった。
翌日、会社の同僚から休みの渡航先を聞かれ、
「アイスランドに行こうかと・・・」と言ってみると、数名から「アイルランド?」と。
私「・・いえ、アイ・ス・ランドです」と「ス」を強調してみる。
世界一大きな露天風呂があって、
宇宙飛行士が月面に見立てて訓練したところで、
地球の割れ目ってのがあって・・・
意外と寒くないらしく、オーロラも見られるところで・・・
調べたことをありったけ並べてみたけれど、「スウェーデンなの?」といった返答。
他の人には「また変わったとこ行くんだって?」で済まされてしまう。
旅行前の私も自分で話しながら「そう、変わったところ・・・なんだよね」と思っていた。
9月中旬。
現地ツアーの豊富さに迷いながらも、行けるところは目いっぱい入りこむことにして出発。
到着したのは夜中だったため、バスから見える景色は白黒の世界。
街に近付いてくるとだんだんと光が見えてきた。
ホテルへ到着する。
「あーやっとついたー」
期待してカーテンを開けてみるものの、部屋は海側。
アイスランドの街の様子は翌朝までのお預けとなった。
翌朝、まだ薄暗いうちに朝食を済ませて早速街へと向かった。
まずはメインストリートのロイガーヴェーグル通りから。
かなり早い時間だったためお店はどこも閉まっていたけれど、
通りに沿って赤い実をつけた樹がみえてくる。
私の中のアイスランドが色づき始めた瞬間だった。
南天みたいだけど、なんだろう。。。可愛いな。
更に先の方に見える建物の色合いに心が弾む。
右、左、前方、通ってきた道と何度も見ながら歩いていく。
ん?樹にらくがき?
近づいていくと、1本の樹にニットが。
「おぉ、なんて可愛すぎる・・というか、おしゃれすぎ!素敵です。アイスランドの方々」
周りを見ると、建物は赤やら黄色やら青やら・・・
壁の落書き(アート?)もこれでもかと色を使っているけれど、
それぞれがケンカをすることなく、街そのものがかわいらしい置物のような印象をもつ。
「アイスランドってこんなにポップな感じなの?」
いい意味で大きく期待を裏切られた。
数歩すすんではカラフルな家を、ものを、写真に撮っていく。
「どれだけ写真撮らせるんだいっ」
心の中はもうずっと舞い上がりっぱなし。
お店の窓にもそれぞれの個性を出して画が描かれている。
消火詮だって画になる。
アイスランドの自然を目的にする人は多いと思うけれど、
こんなにかわいくてハッピーになれる街が、あまり知られていないのはもったいない。
だって・・・
メイン通りを抜けても、ほら、こんなにカラフル。
こっちも、
樹だって、
猫だって、鮮やか!
何よりも私を驚かせたのは、翌年のレイキャビクの街だった。
アイスランドがすっかり気に入ってしまった私は、
他の人もそうであるように、1年経たないうちに2回目のアイスランドへ旅立った。
あのニット街路樹あるかなー
夏だからないかな・・・
また見たいなー
通りを歩いて行くと見慣れたお店たち。
「やっぱり可愛いな・・・・ん?」
・・・あれ?何だか違う。。。
そう。
街に新たな装飾とニューカマーの色たち。
「1年毎に、いや季節毎に変えてるの?」
街のあちこちに足跡があったり、
ファスナーで開いちゃった木があったり、
新入禁止の案内に本物の自転車が使われていたり、
風船で飛んでいく人がいたり、
かわいらしいお店がオープンしていたり。
1年経ってまたやられました。
遊び心いっぱいに街を飾って、やっぱりポップな色に溢れていたレイキャビク。
行けない年にも、誰かのブログで街の様子を見る楽しみができました。
でも、やっぱり自分の目で見るべきかな。
また言われるんだろうな、「イギリスの下にあるところに行くの?」
そうしたら今度はこう答えてみよう。
いえいえ、イギリスの上の方にあるアイ・ス・ランドへ行ってきます。
とってもカラフルで楽しい宝探しができる街へ。
2014年9月27日(土)~28日(日)に行われるツーリズムEXPOジャパンに、駐日アイスランド大使館が出展いたします。どうぞお立ち寄りください!
詳しくはこちら:ツーリズムEXPOジャパン