地球の島めぐり アイスランド旅物語 
アイスランド

アイスランド到着

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特別企画「tripro VOICE アイスランドWEEK」
アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
今回の記事は「優秀賞」に輝いた、鉄人60さんによる「地球の島めぐり アイスランド旅物語」です。


アイスランド到着      
地球の歴史を語るアイスランド。自然の造形美が海岸線に多く見られるフイヨルド
地熱発電所が各所にあり温泉のお陰で冬でも凍結しない湖がある
レイキャビックは「煙の港」を意味する。ヴァイキングによって発見された島は火山で生まれた温泉の湯煙が至る所でたなびいている。ホテルは温泉を利用した暖房が行き届き、硫黄の匂いで温泉気分が味わえる。10日間のアイスランド滞在は市内のアパートメントホテルを拠点に旅の計画を立てた。生憎の雨、冷たい強風が吹き荒れどんよりと黒い雲は絶好の休養日。
何もせずに休めと言う事か…と勝手な解釈で何もしない一日からスタートする
明日は北部の町から探索、アークレイリーは一泊の予定であったがホテルの予約が取れず日帰りツアー。早朝の6時30分の出発とはきついなぁ~。
アークレイリー・ゴールデンサークル(アイスランド観光の人気エリア)-ホフン(氷河散策)・ウエストマン諸島(海鳥の聖地)等〃 地球の歴史探索へと一歩足を踏み出した。
レイキャビックから45分の空の旅。氷河を空から望む絶景も早朝のため機内でグッスリと寝込む。訪れた植物園は朝8時に開園、その上入園料無料とは嬉しい。
園内の管理は中高生のアルバイトで行う。そう言えばフエロー諸島でも早朝の清掃車に多くの若者を見た。世界中から集められた花々、鮮やかな色彩はお目にかかったこともない品種に目が輝く。幸いにも薄日が差してきて花たちは輝き始める。早朝の植物園なんて初めての体験だ。予定時間をはるかにオーバー、花から花へ飛び回る我々を見て「ごゆっくり」…とガイドさん。後で時間調整しますので……。静かな園内も急に賑やかになり花々も活況を見せる。ニューヨークからの団体さん。「日本人?何処から?」「神戸から」「おお神戸ビーフ」花より団子は世界共通、名残惜しいが次の予定地へ。
アイスランド滝

「神の滝」と名付けられたゴーザフォスの滝、見事な瀑布にしばし見とれる。
岩山の上から滝つぼを覗き見ることもできるが、日本なら立入禁止区域のロープが張られるだろう。全ては自己責任、柵も何も無い豪快な滝を見て世界一だと感動する者もいる。
断崖の上にタンポポを見つけ近づいて撮ろうとするが足が竦んで前に出ない。這うようにして崖プチまで進む。「カシャ」記念の一枚はフイルムに納まる。
ハイライトは世界最大の露天風呂、ブルーラグーン。それも混浴(水着着用)(1500円67才以上は2割引)、ブルーの温泉なんて初めて!日本人の温泉好きは有名。温度は少しぬるめであるが(35℃~39℃)適温を探して温泉中をウロウロする。
足元には砂利が敷き詰められている。ケイ素が含まれている温泉はつるつるとして、肌にも優しい。久し振りの温泉に旅の疲れもお湯の中に流れ出る。
湯上りに飲む一杯のビールで「乾杯」、乾いた喉を擦って味わう液体は一気に胃袋へ直行。
「う~んうまい」これ以上に旨いのが水道水だ。溶岩でろ過されて1000年の年月を経た、ミネラルウォータを飲めるところは世界に類は無い。
豊富な水源は氷河である 。レイキャビックの町からすぐに大自然の中に分け入る事ができる。温水は有料であるが水道水は無料。一般家庭の光熱費は月額2500円程とは羨ましい。
アイスランド水
数ある滝の中にフロインフォサルの滝は私の一番のお気に入りだ。
溶岩の中から湧き出る滝は(幅1km)は200年も掛けて地下に沁み込んだ水が滝となる。その滝の造形美はまるでマジックを見ているようだ。水のカーテンが描き出している模様は毎秒変化をする 町から2時間30分のデコボコ道をドライブした甲斐は十分にある見所。
流れ落ちる滝はミネラルたっぷり、念願かなったフォトジェックな一枚は私の島めぐりの記憶の中に永遠に刻み込まれる事だろう。
ストロックー間欠泉は5分間隔で熱湯を吹き上げる。あたり一面は湯煙が上がりその周囲に集まる観光客。マグマの呼吸を思わせる噴出口(2m)の間隔は毎回異なる じっくりと観察していると水面が盛り上がりブルーに変化したかと思うと一気に空中へ温水柱が上がる。
もっと高く上がるのでは…と期待感はいつ果てるとも無くこの場を去り難い。もうひとつの滝は見るものを圧倒する壮大な滝「グリトフォス」(川幅70m落差32m)水飛沫が煙のように立ち上がり不気味な迫力がある。
アイスランドの間欠泉
岩の上から覗くとゾクッとするほどの激しい躍動美、これも氷河が作り出す自然の勇姿である。
ヨーロッパ最大の氷河は(レイキャビックから500km)氷河の先端が黒くなっているのは汚れではない 海岸線には多くの黒砂が見られる。
黒玄武岩が砂状になったものが風で運ばれて氷河に付着したものである。
欧州最大のヴァトナ氷河の上を四輪駆動で行くアドベンチャー。氷河をジープで走る光景を想像しただけでも興奮する。
山頂に微かに見える氷河の麓で日本車製の四輪駆動車に乗り換える。車は力強く山頂を目指し800m付近の山小屋まで一気に登る。途中の砂利道は快適な走りを見せ、ガードレールも無い山道はスリル満点。熟練ドライバーの腕の見せ所である
眼下に広がるパノラマは一味違うダイナミックさ、山小屋で車のタイヤの空気を半分に調製して氷河の上へと乗り入れる。空気を抜くのはタイヤ面積を広くし雪道の滑り止めのためでもある。氷道を走る事30分、氷河の大きさは計り知れない面積(8400平方km東京・神奈川・埼玉を合わせた大きさ)。時々顔を出す不気味な溶岩、小さなクレパスなどは簡単に車で飛び越えている。この山の北側で1996年10月に大爆発が起こっているレイキャビックから国道一号線を走ってきた。多くの橋は氷河が溶けた濁流に飲み込まれて、水没した記録も生々しい。
いよいよ頂上に到着。氷河に降り立つ瞬間、なんだか信じられない。まるでエベレストを征服したようだ。この下が氷河なんて!360度の大パノラマ、黒い断層が不気味に牙を剥き迫る。足元の崖縁まで寄せ付けない恐怖感が迫る。
アイスランド 氷河
アイスランドに来て7日目にしてやっと好天気に恵まれた。青空の下で見る氷河はこの世のものとは思えないほど雄大である。一点穢れ無き乙女のような姿をファインダーで覗く、
その美しさはカメラで伝える事は難しい。頬に当る冷気(4℃)氷床に立つ足の感触、全てが一体となり五感に伝わってくる。世界でも最大級の氷河の景観は「すごい」…と思わず声に出して叫んだ。氷河を降りてインゴルフスヘヴジの(76mの岬)黒砂のデルタ地帯を農耕用トラクターで行くバードウォッチングツアーや氷河湖のクルージング。自然界は人間の都合の良いようには出来ていない。荒天が続き合羽を離せない毎日続いていたのに今日の好天は自然の計らいだろうか。神秘と驚異の余韻がいつまでも残るヴァトナヨークトル。
南に位置するヘイマエイ島は野鳥の天国。1973年の火山の爆発により溶岩が港に流れその凄まじさを目の辺りにする。人を寄せ付けない島は鳥たちの聖地となっている。
ボートツアーで海からのバードウォチィングでは大好きなパフィンに会える。
ウミガラスやフルマカモメには簡単に出会えたがパフィンは中々近くではお目にかかれない。子育ては7月の後半には終わるので帰巣は少なくなっている。島1週のボートツアーは結構楽しめる。洞窟で吹くオーナーのテナーサックスの音色は岩壁に響き旅人の心を癒してくれる。
今度は陸からパフィンウォチィング。目の前に飛ぶパフィンに中々ピントが合わない
やっと撮らえたショットも満足のいくものではなかった。
パフィン
島の東側に残る溶岩台地 僅か36年前の爆発の凄まじさを肌で感じる。
黒々とした大地、赤茶けた噴火口、溶岩で押しつぶされた家屋は火山により新しい島が誕生したのが見える。奇跡的に一人の犠牲者も無く、現在は昔の美しい町並みが再建されている。しかし溶岩の下で今も眠っている家屋、「島は生きている」と実感した事に感動を覚える。
島を縦横に旅した10日間。ユーラシアプレートと北アメリカプレートの分岐点に立つ地球の割れ目を確認。海底火山が顔を出して出来たアイスランドは地球の歴史を随所で見る事ができる。温泉好きの我々一行は3ヶ所の温泉めぐりを楽しんだ。
氷河をジープで走り、1000mの氷河の上に立つダイナミックな景観を楽しむ。
本当は足元が縮む思いの恐怖感。捕鯨の国の日本と同じくこの島民も鯨を好む。
スーパーで鯨肉を買い求め、部屋で食した「くじらのたたき」(1kg900円)、あまりの旨さに二回も食卓を賑わした。
おおらかで優しいアイスランド人。ハトルグリムスキルキャ教会でのパイプオルガンコンサート、シンプルな教会内部に響き渡る音色に聞き入るひと時。
心を洗われたような清々しい気持ちにさせてくれた。街の人気レストランカルソ(CARUSO)で味わう郷土料理に舌鼓を打つ。カタコトの日本語で話してくれるウエイトレスに感激。楽しいスーパーでの買い物は短い時ではあったがアイスランドの生活を体験した貴重な思いで。島は生きている事を感じさせられた数々の出会いにありがとう

アイスランドのことが気になってしまったあなたへ!
2014年9月27日(土)~28日(日)に行われるツーリズムEXPOジャパンに、駐日アイスランド大使館が出展いたします。どうぞお立ち寄りください!
詳しくはこちら:ツーリズムEXPOジャパン

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「アイスランド総合研究所」は、アイスランドを愛するすべての人が参加できるアイスランドファンのための団体です。各種キャンペーンなどを通じ、さらに多くの方にアイスランドの魅力に触れていただけるよう活動中。

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