アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
今回の記事は「優秀賞」に輝いた、Rumiさんによる「止まった時間の中で、豊かな光と色彩の恵みを旅する」です。
日照時間が4時間ほどしかない12月のアイスランド。地球の裏側に浮かぶこの島国は一体どんな場所なのでしょうか?
私は「ほぼ闇に閉ざされた氷の世界」だと思っていました。しかし実際にはイメージが完全に覆されるほど、街も自然も一日中色彩豊かな光に満ちています。そしてその世界があまりにも美しい。
日本にいるとあまり気づきませんが、日照時間が少ない季節というのは光の移ろいがとてもゆるやかなんですね。極夜に近ければ近いほど、時間の流れが減速していく。時が止まった写真の中を散歩しているような感覚です。
夜明け前は、深く透明な「青い国」。徐々に日が昇り、昼過ぎになっても朝焼け色が残り香のように空をほんのり染めていたかと思うと、いつしかそれは夕焼け色へと変わっていて、ふたたび深く息を吐くようにして太陽が眠りに落ちる。そして永遠に続くマジック・アワー。
では曇っているときはどうなのかというと、それはそれでこの美しさです。
空と雪山とブルーラグーンが繊細なグラデーションの中で溶け合う静寂の世界。もちろん太陽が出ているときは、また違った表情を見せてくれます。
アイスランドに来てよかった。
美しい景色にふれるたび、何度そう思ったか分かりません。ほぼ丸一日かけてこの国に来てよかったなと。まとまった情報が少ないので今回は事前にWebで調べたり大使館のリーフレットを活用させていただいたりしながら辿り着いたアイスランド。本当に来てよかったです。
こちらはアイスランド最大の天然湖「シンクヴァトラヴァトン湖」。バスで通りすがっただけの場所ですらこんなに綺麗。
下の写真はシンクヴェトリル国立公園の中にある世界遺産「ギャウ(大地の割れ目)」。海底山脈がなぜか地上で剥き出しになっているという、世界でも非常に珍しい場所です。右に向かって北アメリカプレート、左に向かってユーラシアプレート。
じつはこの2つの地殻プレートを持つ国は日本とアイスランドのみ。そして、ギャウから生まれたプレートが日本で再び出会って消滅してゆくという不思議な縁があります。しかも両国とも島国で、首都が北アメリカプレート。
現地で知り合ったアイスランド人にこの話をしたところ、驚いたように「昔話にも共通項があるんだよ」と教えてくれました。その方は日本のアニメで昔話をチェックしているそうですが、たとえば桃太郎はグリンピースのさやに入って流れてくるのだとか。
そもそも日本の昔話に関するアニメをアイスランドで放送している自体が驚きなんですが、こうなるとアイスランドの昔話にも俄然興味がわいてきますよね。そんなアイスランドの、まるで童話のような風景がこちら。
そして夜を彩る光といえば、やっぱりこのオーロラですよね。
アイスランドはメキシコ湾流(暖流)の関係でオーロラが見える地域としては暖かいと聞いていましたが、事前情報に違わず。オーロラツアーだけではなく、札幌と同じくらいの気温となるレイキャビク市街地の公園からも上の写真のようにはっきり観測できました。
上空で舞い踊る巨大な光の帯。この時間だけは流れが速かった…!
世界一平和と言われるこの国で、夜明け前から夜中まで美しい色と光を貪る。それはまるで夢でも見ているかのような贅沢な時間の連続でした。夏になると行ける場所も増え、同じ場所でもだいぶ表情が違うそうですね。
また景色が美しいだけでなく、人々も穏やかで、ごはんも美味しい。毎シーズンでも行きたい国、それがアイスランドです。
2014年9月27日(土)~28日(日)に行われるツーリズムEXPOジャパンに、駐日アイスランド大使館が出展いたします。どうぞお立ち寄りください!
詳しくはこちら:ツーリズムEXPOジャパン