熊本は“水の国”!?水前寺・江津湖・白川水源・池山水源…市街から山麓へ、水の道を辿る旅
日本

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ライターの伊藤です。
今回訪れたのは九州の熊本県。
そこにあったのは、肌で水と触れ合う事のできる素敵な場所の数々でした。
水のルーツを巡る為、熊本の市街地から阿蘇山の山麓まで足を伸ばしました。

くまモンや阿蘇山だけじゃない!水の都“くまもと”の魅力」

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突然ですが、熊本というとみなさんは何を連想しますか?
筆者は熊本を訪れた事がなく、阿蘇山かくまモン…?というような認識しかありませんでした。
しかし阿蘇山を有す火の国として有名な熊本県は、実は全国でも有数の水の国でもあるのです。
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熊本は地下水がとても豊富です。これは、古くからの阿蘇山の噴火活動で独特の地形が作られており、阿蘇山から遠くの有明海まで地下水が流れる“水の道”が作られています。その為、湧き出る水は非常に豊富で、熊本の水道水は全て地下水で賄われているほどです。

そんな熊本では、豊かな水を肌で実感できる場所が多く存在します。今回は筆者が渡り歩いた場所をご紹介します。

湧き水と日本庭園の驚くべき調和 水前寺

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最初に訪れたのは、熊本市内の中心地にほど近い水前寺成趣園(じょうじゅえん)です。
水前寺成趣園は熊本藩細川氏が築き始めたもので、東海道五十三次を模した庭園が有名です。
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園内にはミニ富士山や庭園ならではの建物が沢山あり、のんびり回っていても飽きることがありません。
そして何と言っても眼を見張るのが、庭園の中にある巨大な池です。
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この池、園内にある湧き水を使って池にしているというから驚きです。
地下水が豊富に湧き出る熊本だからこそ成り立つ庭園なのかもしれません。
また、庭園の中にある出水神社(いずみじんじゃ)では、長寿の水と呼ばれる水を飲める場所があります。
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この水ももちろん天然の湧き水。美味しい水を飲み続ければ長生きができるという説明にも納得がいきますね!

そして、水前寺の園内にある泉里では熊本の水で育まれたうなぎを食べることができます。
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こちらのうなぎは熊本の湧水で一晩泳がせてから捌いているそうです。実際に食べると非常にふっくらしていて、口の中で溶けてしまいそうな感覚に…
庭園を眺めながら、幸せな一時を過ごすことができました。

まるで沖縄のマングローブ林!? 芭蕉の木が生い茂る江津湖を歩く

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次にやってきたのは水前寺と同じく熊本市内にある江津湖(えずこ)です。
市街地のすぐ側に水の綺麗な湖があるというのは、中々お目にかかることの出来ない光景です。
江津湖は自体は広く様々な楽しみ方が出来るのですが、今回訪れたのは湖の北側にある芭蕉園です。

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芭蕉林の中に入ることができますが、沖縄のマングローブ林と見間違えてしまうような光景が広がっています。

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芭蕉園から一歩出ると、透き通った川を見ながら歩くことの出来る道が整備されています。
鮎釣りをしている川の側に市街地が広がっている光景を見ると、熊本の人々にとって水がとても身近にあることを感じさせます。

熊本県の水が生まれる場所 白川水源

熊本市内を後にし、熊本の水のルーツを感じる場所に向かいます。
まず最初に向かったのは、白川水源です。
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白川水源は阿蘇山から熊本市内を通り有明海に注ぐ、一級河川白川の水が生まれる場所です。
その大きい川の元と思えないほど、水源の水は透明に透き通っています。
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毎分60トンもの水が底砂から湧き出る様は、まるで生き物が中にいるように見えて、なんとも不思議な気分になります。

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ちなみにこの白川水源の水は、そのまま飲むことができます。
湧き水が溜まった池から直接水を飲む、ちょっと不思議な体験です。

別府湾の源 人里離れた場所にある池山水源

次に訪れたのは、阿蘇外輪山と九重連山の間にある池山水源です。
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この池山水源から湧き出た水は、熊本側ではなく遠くの大分県別府を経て有明海に注がれます。
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先程の観光客で賑わっていた白川水源とは違い、水を汲みに来る地元の人が訪れる場所です。普段は人が少なく、静かに水が生まれる瞬間を目にすることができます。
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もちろんこちらの水も飲むことができます。別府湾に注がれる水は、熊本側で飲む水とは一味違うような気がします。

綺麗な水を眺め続けていると、まるで心が洗われるような感覚になります。
今回巡った場所だけでなく、もっと多くの水と触れ合える場所に行ってみたい。そう思わせる旅でした。

この記事を書いた人

伊藤 太成

伊藤 太成

1990年1月神奈川県藤沢市生まれ。島を愛する男。大学生の時、離島の魅力にノックアウトされ、以降沖縄を中心に全国の様々な島を渡り歩く。ドライブも趣味としており、月に1回は日帰り温泉へ行くことを心がけている。将来の夢は日本の離島を全て制覇すること。

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