今回はブルガリア政府観光省の案内で訪れた、ブルガリアの世界最大のローズオイルの生産地カザンラクとその近郊スコベレボについて紹介します。
私も今回訪れるまでは一般の日本人の認識と同様に、ブルガリアについてあまり具体的なことは知りませんでした。
出発前に周りの人にきいてみた感覚ではブルガリアのイメージは9割がヨーグルト、残り1割が琴欧洲といった感じですかね。
相撲好きな私からすると琴欧洲の故郷を見られるということでテンションは上がっていましたが!(実際は琴欧洲の生まれ育ったヴェリコ・タルノヴォは訪問していません)
ブルガリアは見どころ満載
実際たくさんの都市を回ってみたところ、日本人が知らない魅力がブルガリアには盛り沢山でした!
トラキア人や古代ローマ時代の遺跡をはじめとした多くの歴史遺産や、いたるところで温泉が湧き出る広大な自然など、物価が安いこともあって最近ヨーロッパから観光客が急増しているのも納得できます。
中でもブルガリアが世界で断トツの生産量(世界生産量の80%以上)とクオリティを誇っているのがローズオイル! その材料となるダマスクローズの大半を生産しているのが「バラの谷」と呼ばれるエリアです。バルカン山脈とスレドナゴラ山脈に挟まれている盆地の環境がバラの生育に完璧な条件(年間の温度差が小さいが、1日の寒暖差が激しい)を整えているようです。
その中心で最大の都市がカザンラクです。
毎年6月ごろのバラのピークシーズンには盛大なバラ祭りも開催されています。もちろんバラの谷にあるカルロボなどのほかの都市でもバラ祭りは行われます。
全てがバラに包まれるようなお祭りになるようですよ。
今回の訪問は8月末でシーズンを過ぎていましたが、祭のメイン会場になる町の広場ではブルガリアの歴史を伝えるイベントが開催されていました!
この町の中心部のHotel Kazanlak前が広場になっています。
バラ博物館
町の広場から少し離れたところにバラの谷でのローズオイルの歴史を紹介している博物館があります。こちらは最近オープンした新館です。
過去に実際の生産に使っていた器具などが展示されています。昔から他国からもバラ栽培の研究に数多くの人々が訪れるそうですが、ブルガリアのような高い品質のバラとローズオイルの生産は難しいようです。
その結果、ヨーロッパの高級ブランドの数多くの香水にはブルガリア産のローズオイルが使用されています。
ローズオイルは酸化しにくい性質から、貨幣に近いような扱いでこのような容器に入れられて銀行の金庫に保管されていたこともあったようですね。
1グラムのローズオイルを作るのに3,000本のバラが使用されるらしいので、この瓶1本作るのに必要なバラの量を考えると気が遠くなります。
ランチタイムの花嫁
昼食で立ち寄ったレストランでは偶然結婚式の準備が行われていました。
このきれいな新婦を祝う周りの女性たちも、もちろんたくさんのバラで祝福しています。
ついついバスのドライバーさんも新婦の美しさにテンションが上がってしまったようです。
サングラスの向こうから視線が新婦にくぎ付けです。
あまりの迫力にちびっこの表情がゆがんでいます。
スコベレボのローズオイル工場
カザンラクから車で少し行ったスコベレボにある最新の設備を備えたローズオイルの工場にもお邪魔してきました。
厳密に管理された工程で質の高いローズオイルを生産しています。
バラを育てるのに最高な環境に、古代からのラキアと呼ばれるワインの搾りかすから作られる蒸留酒(イタリアのグラッパのような飲み物です)を作る習慣と技術が出会ったことで、ブルガリアで質の高いローズオイルが作られるようになったという、何とも酒好きにはたまらないストーリーもあるようです。
オイルを揮発させて純化する技術は、アルコールを揮発させて作る蒸留酒の技術と基本的には同じです。
こちらは別の場所にあるワイン工場のラキアを作る機械の写真です。
少し見にくいですが、ローズオイルを作る機械と似ていることがわかりますよね!
最後に
ブルガリアにバラのイメージはほとんど持っていなかった私ですが、町全体がバラで成り立っているその規模感に圧倒されてしまいました。
町のいたるところでバラの商品を扱っているお土産屋さんもあって、眺めているだけでも楽しかったです!
バラのジャムなど日本では珍しい商品も売られていました。
ドライバーさんもお疲れのようなので、今回はこの辺で。
9:00-18:30