オトクに旅を!台湾の便利すぎるカードやチケットを在住者がまとめました
台湾

海外旅行へ行った時大変なのが、現地の交通手段を利用しなければならないということ。

見慣れない券売機で切符を買ったり、普段使い慣れないお金を使って支払いをしたりしなければならないのって、ちょっと億劫ですよね? 後ろで待っている人がいるから紙幣を使ってなるべく手早く支払いを済ませ続け、気が付いたらお財布の中が硬貨でいっぱいに……なんて経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

台湾でもSuicaやICOCAが使えたらいいのに!と思われたあなた、実は台湾にも、SuicaやICOCAのような電子マネーカードが存在します。しかもそれを使うと、結構色々お得なこともあるんです! 今回はそんな台湾の便利でお得な交通に関するカードをご紹介いたします。

台湾の電子マネーカード

台湾の電子マネーカードは、悠遊卡(EASYCARD)、一卡通(iPASS)、有錢卡(happycash)、愛金卡(icash)の4種類。どのカードもデポジットとして100元~でカードを購入、その後カードにチャージをして使用する形となります。

まずは4種のカードに共通するお得情報をご紹介してから、各カードについてご紹介しましょう。

4種カード共通のメリット

・台北MRTの乗車賃が20%off(桃園MRTは含まれません)
・高雄KRTの乗車賃が15%off
・台北MRTから路線バスに乗り継いだ場合、バス料金8元引き(バス料金は一定区間で15元、距離に応じて2区間分、3区間分支払う場合もあり)
・路線バスから台北MRTに乗り継いだ場合、MRT料金20%offから更に8元引き
・高雄市公車(バス)は1日3段目の運賃から無料。市バス同士の乗り継ぎは割引あり(愛金卡は今後対応予定)
・台鐵(台湾鉄道)は、運賃1割引(自強という特急にあたる電車は、70キロまで1割引)。ただし普悠瑪号、太魯閣号、觀光列車など一部の電車はカードが使用できません。

※電子カードで乗車した場合には、電車の座席代はふくまれません。台湾鉄道の座席は、基本的には全席指定席です。誰も座っていない場合は座っても良いそうですが、席を予約している人が来たら速やかに席を譲りましょう。

旅行でよく使用する範囲の割引だと、ざっとこんな形でしょうか。

台湾の各電子マネーカードの特徴

悠遊卡(EASYCARD)


台北を旅行するのであれば、一番手に入りやすいのがこちら、悠遊卡(EASYCARD)です。MRTの窓口で購入できる他、悠遊卡券売機、悠遊卡服務中心(サービスセンター。台北駅の地下3階)、台北捷運商品館(MRTグッズのお店、台北駅内)、コンビニ(ただし駅構内のコンビニでは販売なし)などで購入できます。

使用できる範囲

台北、桃園、高雄の捷運(MRT及びKRT)、台湾各地の路線バス、客運(長距離バス)、台湾鉄道、淡水の遊覧フェリー(台北航運・順風航業ともに使用可)高雄の観光フェリー、YouBike、i-Bike(台中)、T-Bike(台南)などのレンタル自転車で使用できます。台北でたまに見かける赤いオープントップバスも乗れますよ!

そして台北を旅行する際嬉しいのは、猫空のロープウェイも悠遊卡で乗ることができるということ。これは他のカードではできません。

おトク情報

お得情報に関しては、4カード共通の割引の他、台南の大台南公車に乗る場合は、悠遊卡で綠、藍、棕、橘、黃、紅のラインに乗ると、8キロ分は無料になります。大台南公車→大台南公車への乗り換え、台湾鉄道→大台南公車への乗り換えでも9元の割引、台中市区のバスは10キロまで無料などがあります。

この他、悠遊卡と提携している施設へ行った時に悠遊卡を持っていると、割引を受けられたりもします。台湾でよく見かけるあのコーヒーチェーン店で、2杯目⚫︎割引なんてキャンペーン、ちらほら見かけます。割引は期間限定がほとんどなので、詳細は悠遊卡のホームページを確認してくださいね。

注意点

・高雄KRTの駅内でのチャージができません
・高雄ライトレール(LRT)は乗車することができません
・2016年まではMRTの窓口で購入したものは使用後窓口で返却、デポジットの100元も返ってきていたようですが、現在はカードは買取式となっています
・台湾高速鉄道(新幹線)はクレジットカード一体型の悠遊卡のみ使用できます

一卡通(iPASS)


台北でよく見かけるのは悠遊卡ですが、高雄で見かけるカードいえばこちら、一卡通です。高雄のKRTはなぜか萌えキャラ押しで、ちょっとした社会現状にまでなっているのだとか。

写真は一卡通のイメージキャラクター、魔法少女iPASSの小帕ちゃん。他に高捷少女というキャラクターもいます。高雄のKRTに乗ると彼女たちの姿を見かける……かも?

こちらは高雄KRTのサービスカウンターや、コンビニなどで買うことができます。

それと一卡通にはちょっと特殊なカードの購入方法があります。一卡通のホームページでは、なんと自分で撮った写真で一卡通を作ることができるページが存在するのです。愛犬や愛猫の写真を入れてもいいし、高雄で撮った写真をもとにカードを作っても面白いですね!

使用できる範囲

使用できる範囲は悠遊卡と概ね同じです。

台北、桃園、高雄の捷運(MRT及びKRT)、台湾各地の路線バス、客運(長距離バス)、台湾鉄道、高雄の観光フェリー、YouBike、i-Bike(台中)、T-Bike(台南)などのレンタル自転車で使用できます。オープントップバスもOK。

また一卡通では高雄ライトレール(LRT)に乗ることができます。

おトク情報

お得情報に関しては、台南の大台南公車は綠、藍、棕、橘、黃、紅のラインに乗ると、8キロ分は無料、大台南公車→大台南公車への乗り換え、台湾鉄道→大台南公車への乗り換えでも9元の割引、台中市区のバスは10キロまで無料は悠遊卡と同様です。その他、桃園市バスの指定の路線は一卡通で無料(免費公車)、台南のT-bikeは30分5元で使用できるなどの割引があります(通常10元)。

また便利な使用方法として、一卡通に1日(120元)及び2日間(250元)のKRT乗り放題パス機能を追加するということもできます。KRTを使ってたくさん移動するという方は、そういう使い方も便利ですね。

注意点

・猫空のロープウェイは使用できません
・淡水の遊覧フェリーは台北航運のみ使用可です
・台湾高速鉄道(新幹線)はクレジットカード一体型の悠遊卡のみ使用できます

有錢卡(happycash)と愛金卡(icash)


MRTやKRTでは購入することのできないカードですが、地下鉄でもバスでも普通に使用できる便利なカードです。

愛金卡はセブンイレブン、有錢卡はファミリーマート、Hi-lifeやOKなどで購入することができます。

使用可能な範囲は悠遊卡や一卡通より少ないですが、提携店での割引やポイント付帯制度などが充実しています。提携店での割引内容については、各カードのホームページを参照してみてください! ちょっとしたコンビニでの買い物で、思わぬ割引を受けられることもあるかも?

また、有錢卡は悠遊卡では乗れない高雄ライトレールに乗ることができますよ!

注意点

・猫空ロープウェイでは使用できません
・観光フェリーは高雄の観光フェリー以外は乗れません
・レンタサイクルでは使用できません
・路線バスでの使用は、台北や高雄では問題なく使用できますが、その他のエリアの路線バスではまだ対応していないところも多いようです

チャージなんて面倒くさい! 乗り放題で乗りたい!

残額を気にするのが面倒くさい! いっそ乗り放題のパスはないの!?という方は、乗り放題のチケットを利用するという方法はいかがでしょう? 一卡通の項目には高雄KRTの乗り放題を記載させていただきましたが、台北にだって乗り放題のチケットがあります。しかも、ただの乗り放題とは違うんです。

台北観光パスポート


台北観光パスポートは、短期で台北を旅行する方向けの乗り放題チケットです。

乗り放題の期限は、1日(180元)、1日(猫空ロープウェイの乗車券つき350元)、2日(310元)、3日(440元)、5日(700元)で、台北MRT、台北や新北市の路線バス、また台湾好行バスのうち指定の5路線を乗り放題できるというものです(ただし猫空ロープウェイは1日パスの猫覧版のみ乗り放題ができます)。

各駅のサービスカウンター(服務台)にて購入ができます。

台北観光パスポートのお得ポイント

台北観光パスポートのお得なところは、実は乗り放題ができる、ということだけではありません。

実はこの観光パスポートには、クーポン付きガイドブックが付帯しています。しかもそのクーポンの数、全部で100個もあるんです(2017年版)!

クーポンの内容はありがたいことにホームページからも確認することができます。台北101の入場割引や、かき氷の有名店の割引なんてのもありますよ!

観光ガイドブックも画像だけならネットで見ることができるので、行く前にちょっと見てみて、旅行ルートを決定するのに役立てても良いでしょう。

北北基おもしろカード(Fun PASS TAIPEI)


台北観光パスポートと同様の乗り放題機能のあるチケットで、かつ観光客が良く行く観光スポットのチケットがあらかじめセットになった、北北基おもしろカード(Fun PASS TAIPEI)というものもあります。

こちらのカードの機能としては、MRT、路線バス(ただし4桁のバスは除く)や台湾好行バスのうち指定の5路線を乗り放題できる他、台北101(600元)、故宮博物館(250元)、淡水古跡博物館(80元)、淡水漁人碼頭クルーズ(120元)など全12箇所の観光ポイントの利用券がセットになっているというものです。

つまり、提携している観光地に行けば行くほどお得になるということ!

また優待がある店も100店以上あり、公式サイトから一覧を見ることができます。

こちらはネット上で購入し、台北駅や松山空港など指定の旅遊服務中心(トラベルサービスセンター)で受け取るか、台北駅1階北二門近くのライオントラベル台北駅支店で購入ができる模様です。

1日券1,200元、2日券1,600元、3日券1,900元の三種類があります。

注意点

・観光ガイドブックは無くなり次第配布が終了となります
・バスの路線番号が4桁のバスは乗り放題で使用できません
・使用期限は最初に使用した日から起算して、カードに記載された日数までです。1日券は使い始めてからその日の営業時間まででチケットの期限が終了してしまうので、朝早くから使うのが良いでしょう

台北MRT1日乗車券


バスには乗らないからMRTだけの乗り放題でいいかな……、という方には、MRT1日乗車券もあります。

日付で区切る1日券(150元)と、時間で区切る24時間券(180元)、48時間券(280元)、72時間券(380元)の4種類を購入することができます。
各駅のサービスカウンター(服務台)にて購入が可能です。

台北MRT1日乗車券のお得ポイント

こちらも乗り放題ができることだけがお得ポイントではありません。パスを購入すると、いろいろなお店で使用できるクーポンがついてきます。
クーポンの内容は全部で6種類ですが、なかでも一番嬉しいのは、猫空ロープウェイのチケットが1枚50元で購入できるということでしょう(通常120元)。また、台北101のチケットが10%offになるなんていうクーポンもあります。

旅の目的地に猫空や台北101が入っているなら、パスを購入して割引を利用するなんていう手もあるわけです。

注意点

・販売期間は2017年11月~2018年4月末までです。また優待を受けることのできる期間は2018年の5月31日までです。

桃園から使用できるチケット「JOINT TICKET」


2017年には桃園国際空港から台北へ直行する桃園機場捷運(MRT桃園空港線)ができ、桃園から台北まで38分と、空港までの交通が今までと比べ物にならないくらい便利になりました。

もう既にMRT桃園空港線を利用して台北へ行ったよ!という方も、かなりいらっしゃるのでは?
実はこのMRT桃園空港線にも、お得なチケットが存在するのをご存知ですか? チケットの名前は「JOINT TICKET」。MRT桃園空港線の往復と台北MRTの乗り放題を兼ねたチケットで、乗り放題48時間券(520元)と72時間券(600元)の2種類があります。

桃園空港から台北の駅までは片道160元ですから、80元~100元お得になるわけですね! 桃園空港の第一、第二ターミナル及び台北駅で購入可能です。

注意点

・MRT桃園空港線は往復チケットのみで、乗り放題ではありません
・旅行がお得になる施設などのクーポンは付帯していない模様です

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、2017年とうとう台湾に移住しました。新北市にある大学の言語センターで1年間中国語を勉強したのち、台湾で日本語の教師として就職を果たしました。 趣味は旅行と登山と古い建物巡り。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。主な燃料はコーヒーとミントです。

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