フィレンツェに1月6日にお越しいただければ、時代行列を見ることができます。まるで、ルネッサンス時代の絵画から出てきたような老若男女。世界遺産フィレンツェ歴史的建築物地区を背景に繰り広げられる、時代衣装を着た美男美女のパレードを見ていると600年前にタイムスリップした気持ちになれます。美しい写真を撮る穴場も紹介します!
東方三博士の礼拝とは?
日本でクリスマスと言えば、12月25日まで。クリスマスを過ぎれば、お正月の飾り付けが始まります。しかし、ヨーロッパではクリスマスは1月6日まで。この日はイタリアでは祝日となっており、エピファニア(御公現祭〜ごこうげんさい〜)と呼ばれています。
クリスマスの日、ベツヘレムに新しい救世主キリストが誕生します。それから約2週間、1月6日は東方から星に導かれて三人の博士が幼子キリストを見にやってくると言われています。別名、マギの礼拝、三王礼拝とも呼ばれ、王冠を被った三人がルネッサンス時代の絵画にも多く描かれています。三人の博士は、ペルシャの占術師だったとも言われているので、オリエンタルな衣装を身に着け、それぞれ乳香、黄金、没薬という宝物を持っています。サンドロ・ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ビンチ(ウフィッツィ美術館蔵 現在修復中)など多くのルネッサンスを代表する画家たちが、この主題で絵画を制作しています。特に豪華で有名なのは、ベノッツォ・ゴッツォリの描いたメディチ家リッカルディ宮殿内の礼拝堂です。もし、このパレードを見に来られる方がいらっしゃれば、パレードの前に見ておくと良いかもしれません。時代行列はこの豪華な壁画を参考にしています。
ルネッサンス時代には、東方三博士信心会と連れ立って、メディチ家も積極的に参加したパレードを行う習慣がありました。その後、廃れてしまったパレードは、1997年にフィレンツェ大聖堂700年記念をきっかけに復活します。
穴場はスタート地点、ピッティ宮殿前!
1月6日の祭りは午後から始まります。14時過ぎにはピッティ宮殿前に衣装を着た人たちが集まってくるので、14時前にはスタンバイしておきましょう。イタリアのこの時期の日の入りは17時前後。明るいうちに写真が撮りたい人は暗くなる前にスタンバイしておくことをオススメします。もし、ピッティ宮殿に来れなくても、心配ありません。時代行列は非常に長く、2時間以上続きます。
標準ルートは、フィレンツェの中心街を南から北へ移動します。
出発はピッティ宮殿〜グイジャルディーニ通り〜ランベルテスカ通り〜ウフィッツィ美術館広場〜カルツァイウオーリ通り〜フィレンツェ大聖堂広場が終点です。
イタリアファッションは歴史の中でもかなりオシャレだった!
普通のオジサマも衣装を着ると役者さんのようにキリリとします。男性も羽根をつけたりしてオシャレ!
こちらは、親子でパレードに参加している様子でした。ぐずっている息子をなだめていましたが、この男の子の手綱さばきは見事でした。
寒空に男性はタイツですが、ルネッサンス期の男性は長めの上着とタイツ着用でした。女性は上半身がタイトで下半身にボリュームをもたせたドレスを着用していました。ペアルックのような見事な色使いにも注目です。
両手に花? の嬉しそうなおじいさん。当時の上流階級の人々は、装飾された服や毛皮で富を誇示していたそうです。
上記は2012年の写真です。夜の街の繁華街に突然ラクダが現れてビックリ。「東方」からやってくる設定なのでオリエンタルな動物が参加することもあります。
終点は大聖堂前となっています。こちらはかなり込み合いますし、柵が設けられているので、あまり近くでは見ることは出来ません。もし近くで見られたいならパレードが大聖堂につく前をおすすめします。大聖堂前で見られたい方は早めに行かれたほうが良いですね。どちらにしても2時間以上続くパレードです。移動しながら楽しんで下さい。人でいっぱいなのでお手荷物にも気をつけて身軽な格好で行ってくださいね。
Piazza de’ Pitti, 1, 50125 Firenze, Italy