栃木県日光市の最北部、平家落人伝説が残る歴史の古い湯西川温泉にある「亀の井ホテル 日光湯西川」。長年、豊かな自然と源泉かけ流しの温泉で訪れる人々を癒してきたホテルが、この冬オールインクルーシブとなってリニューアルオープンしました。様々な充実したサービスで極上のホテルステイを体験してきました。
傷ついた平家の落人を癒した湯西川温泉
開湯は天正元(1573)年、400年余りの歴史を持つ日光湯西川温泉。壇ノ浦の合戦に敗れて逃れてきた平家落人が、河原に湧き出る温泉を見つけ、傷を癒したという伝説が残っています。日光国立公園の中にありながらも山々に囲まれ静寂な雰囲気は、まさに「秘境」。ノスタルジックな街並みはタイムスリップしたかのようです。
秋には錦絵のような山々を見ることができる紅葉の穴場スポット。冬は1月下旬から3月上旬まで「かまくら祭り」が開催され、河川敷に約1,200個のミニかまくらが作られます。日が落ちて、かまくらの中のロウソクに火が灯る光景は幻想的! 一度は見たい絶景です。
「亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル」は、そんな湯西川温泉の一番奥。路線バスの終点「湯西川温泉バス停」から、歩いて3分の場所にあります。
12月1日からオールインクルーシブへ
宿泊費に食事・ドリンク・アクティビティなどの料金が含まれている、最近注目のオールインクルーシブ。滞在中は追加料金を気にしないで、快適、かつ贅沢に過ごすことができます。亀の井ホテル 日光湯西川も12月1日から「亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル」へと変わりました。
滞在中自由に利用できるラウンジ
チェックイン後はロビーラウンジを自由に利用できます。
しかも、ラウンジにはアルコールを含むドリンクやスナック・おつまみが用意されていて、どれもオールインクルーシブなので無料! 山道を運転してきたドライバーさんもほっとひと息つけます。
ビール、スパークリングワイン、ワイン、地酒、サワー、カクテルなどなど、ないものはないのでは? というくらいアルコールの種類も豊富です。
ピクルスやフムスはワインによくあいます。絶対食べてほしい。
ソフトクリームは甘さ控えめのさっぱり味。ドーナッツやドライフルーツ、チョコレートソースをトッピングしてもおいしいですよ。
夜は22時30分まで、朝は7時からラウンジを利用可能。朝はアルコールなしというところが多い中、こちらでは朝からスパークリングワインが飲めるのも嬉しいですね。
無料で楽しめるアクティビティ
ひたすら飲んで過ごしたいところですが、せっかくなのでいろいろアクティビティも楽しんじゃいましょう。電動自転車も無料で借りることができます。雪の時期は難しいですが、暖かい時期はサイクリングが気持ち良さそうです。
ボードゲームや卓球、ダーツも無料。温泉卓球、これぞ昭和から続く鉄板アクティビティ!
夜食に夜鳴き担々麺
21時から22時半の間だけロビーラウンジに現れる「熊八亭」。夜食で夜鳴き担々麺を1杯いただけます。四川担々麺、白ごま担々麺、黒ごま担々麺の3種類のうち、どれか1種類。出かけた日は白ごま担々麺でした。白ワインと一緒にいただきます。近くにコンビニなどはありませんので、夜遅くまでラウンジで飲めるのはありがたいです。しかも無料。
和室でゆったり
ホテルの全客室数は54室。客室で一番オーソドックスなのが10畳+6畳の和室です。他にも8畳、10畳、12畳+6畳と4タイプの和室があります。ベッドを利用したい人のためのツインルームもありますが、和室でもお布団を敷いているスペースが小上りのようになっているので、起き上がるのが楽でした。
トイレとお風呂は別々。洗面台もダブルシンクなので、朝は自分のペースで準備ができてストレスフリー。
押入れの中には湯かごとバスタオル、フェイスタオル、帯、半纏。
浴衣は1階に男女色浴衣と作務衣があるので、好きなものを選んで着ることができます。
冷蔵庫にテレビ、サクサク使えるフリーWi-Fiがあって、お部屋では快適に過ごすことができました。
寒い冬も体の芯から温まる源泉かけ流しの温泉
大浴場の内風呂は、自家源泉を加温・循環ろ過・消毒なしのかけ流しで使用しています(源泉が熱いので加水はあり)。ホテルの前では温泉が櫓から噴出している様子を見ることができます。
小さな温泉宿ではかけ流しの温泉に入れるところもありますが、この規模でかけ流しは貴重! 寝湯やぬる湯もあるので、いろいろ楽しめます。
PH8.4の弱アルカリ性のお湯はとぅるとぅるした肌ざわり。美肌の湯と言われています。
露天風呂は循環ろ過・消毒ありですが、自然に囲まれているのでお湯に紅葉が浮かんでいたり、夜、空を見上げると満天の星空が広がっていたりと、とっても癒されました。
サウナや水風呂もあるので、一度大浴場に出かけたら1時間はあっという間に過ぎちゃいますよ。
パウダールームにはDysonやReFaのドライヤーもあり! 髪の毛がしっとりまとまります。美肌の湯で肌が、高性能のドライヤーで髪の毛が、どちらも艶々になって湯上り美人のできあがりです!
朝も夜も里山のご馳走に大満足
食事は2階の囲炉裏がある食事処でいただきます。
囲炉裏で楽しむ夕ご飯
季節の前菜・お造り盛り合わせ + ハーフビュッフェスタイルです。
季節の前菜はヤシオマスの金山寺味噌、クリームチーズ醤油、長葱の煮びたし 鮪のトロの湯霜添え、日光産湯波鰹醤油掛け。
メインの板台餅、山女魚、田楽、野菜、つくね、千鳥串は、ライブキッチンの大きな炉端で炙られているので、食べたい分持ってきて自分のテーブルの囲炉裏で温めます。
他にもビュッフェメニューには、湯西川名物 鹿茸鍋や味噌仕立てのビーフシチュー、たくさんの小鉢が並びます。
特に気に入ったのは「真鯛昆布じめ」。シンプルな真鯛とクセのある菊花、春菊との相性が最高! これ、香味野菜好きの女性にはたまらない一品。サーモンの押し寿司が人気でしたが、私は鯖の棒寿司が酢の〆具合が絶妙でとっても好みの味でした。野菜が高騰している中、サラダも嬉しかった。
おにぎりは目の前で握ってくれます。具は筋子、鶏そぼろ、べっ甲卵の3種類。欲張って筋子とべっ甲卵の2つを一緒に握ってもらいました。ねっとりとしたべっ甲卵がご飯とからんでおいしい! もう一個食べたかったけど、お腹いっぱいで断念。
オールインクルーシブなので食事の時のドリンクも無料です。
ビールや日本酒、ワインと、お料理にあわせてお酒も変えて、楽しみ方無限大といった感じです。ここにはない地酒やワインが飲みたい場合、持ち込み料金が無料なのも嬉しいサービス。
デザートにはプリンや水ゼリー、フルーツなど。大人気だったのはスモアでした。
卵の食べ比べが楽しい朝ご飯
朝ご飯も選ぶのに迷ってしまうくらい、たくさんの小鉢が並びます。ビュッフェスタイルなので、好きなものを好きなだけ。ライブキッチンで焼いてくれる出汁巻き玉子も忘れずに!
具沢山の味噌汁に湯波の入ったけんちん汁、どちらも甲乙つけがたいおいしさでした。
一番楽しかったのが栃木の卵の食べ比べ。さすがに5個は食べられないので、悩んで悩んで2個を厳選。1個はベーコンエッグ、もう1個は卵かけご飯でいただきました。
しかも、朝からフリードリンクでスパークリングワインもいただけます。これぞ休日の楽しみ方。
秘境ならではの過ごし方
「亀の井ホテル 日光湯西川」は、温泉宿・ホテル総選挙2024 の秘湯宿部門で全国ランキング第1位を獲得しました。
湯西川は鬼怒川温泉駅からは路線バスで1時間、湯西川温泉駅からもバスで20分ほどと、決してアクセスが良いとは言えません。だけど、だからこそ他では体験できない静かな時間を過ごすことができます。ゆったりとした時間を過ぎしたい人にオススメです。
栃木県日光市湯西川1033
電話:0288-98-0016
※2025年1月4日~1月30日は冬期休業