フランス、ロワール地方には映画、眠れる森の美女の舞台になったと言われる優美なお城や王侯貴族の豪華絢爛な古城が点在しています。その1城1城に物語があり、その端々にかつて暮らしていた城主の想いが息づいています。今回はその優美な古城の数々をご紹介致します。
シャンボール城
シャンボール城はルネサンス初期の1519年から建設され、ルイ14世統治時代1685年に完成しました。当時この地を統治していたブロワ伯爵の城館で当時の国王フランソワ1世が狩猟をするために建てられたそうです。ロワールの古城の中で最も大きく、城内で人とはぐれたらなかなか見つけられないくらいの広さを誇ります。シャンボール城の見所の1つに二重螺旋階段があります。レオナルド・ダ・ヴィンチが設計したと言われるこの階段は、上る人と下る人がすれ違わないように作られたそうです。場内にあるお土産屋さんではシャンボール城のマグネットや置物、キーホルダーなどのグッズが売られています。買い物の際に国籍を聞かれますので答えられるようにしておきましょう。レジに観光客の客層を登録しているものと思われます。
シャンボール城
シュノンソー城
シュノンソー城は静かな川の上に浮かぶ古城で、過去6人の城主が全て女性であったことで有名です。川をまたぐ様に浮かぶお城の右手にはアンリ2世の愛妾であったディアーヌの庭園が広がり、左手には正妻であったカトリーヌの庭園が広がっています。どちらも絵に描いたような素敵なヨーロッパの庭園という様相ですが、1つ屋根の下に正妻と愛妾が同居するという環境は緊張感があったものと想像されます。居室内は重厚感があり、ついつい余計な想いを巡らせてしまうような、想像力を掻き立てるほどに再現されています。永遠の美女と名高いディアーヌは城下を流れる川を愛しよく泳いでいたとされ、川から上がってくるディアーヌが目に浮かぶようです。
シュノンソー城
アンボワーズ城
中世の城砦であったアンボワーズ城ですが、のちに王家の居城となりました。ロワール川を見渡す岬に建てられたこのお城は歴代の王に愛され、さまざまな芸術家が招かれ滞在していたと言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチもその中の1人で、一説によればアンボワーズ城の中にある教会に埋葬されているそうです。ロワール川の対岸から全景を見渡すことができます。曇り空の下、川に写しだされるお城も風情があり、歴史を感じさせます。
アンボワーズ城
さて、今回はロワール地方を代表する古城をご紹介致しましたが如何でしたか?フランスの絢爛豪華な文化が好きな人にはこのザ・お城ともいえる古城の佇まいは興奮必至であり必見です。映画で観るような王族の生活を垣間見ることができ、かつて栄華を誇った貴族たちの華麗な生活が思い浮かびます。その後の歴史の移り変わりにも想いを巡らせてみてください。果てしないロマンに浸れることでしょう。