【ヨーロッパ軒ソースカツ丼】迫力満載!福井県民のソウルフード
日本

カツ丼といえば一般的に思い描くのは、どんぶりご飯の上に卵でとじたトンカツがのっている、子供から大人にまで愛されているあのカツ丼だと思います。
しかしひとたび福井県に入ってしまえば、そのイメージは共有できないことでしょう。
なぜなら、福井県民にとってはカツ丼とはあのカツ丼ではなく、「パ軒のカツ丼」らしいのです。

同じ日本に属しているはずの福井県。特に方言というわけでもなさそうなのに想像するものが合わないとは一体どういうことなのか。「カツ丼」は分かっても「パ軒」というなんとなくちょいワル感を醸し出しているこの単語は一体なんなのか。
実際に行って確かめてきました。

ヨーロッパ軒

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早速種明かしをしますが(すでにタイトルにも書いていますが)、「パ軒のかつ丼」とは、「ヨーロッパ軒のソースカツ丼」のことです。
ヨーロッパ軒は福井県内に約20店舗程度あり、その歴史は古いことで知られています。戦前にヨーロッパで料理修行を積んだ高畠増太郎という人(”天皇の料理番”の秋山徳蔵と同期)が創業した店で、メニューはカツ丼以外にも「パリ丼」(=メンチカツ丼)というようにヨーロッパ風メニューもあります。
あのトンカツを卵でとじた一般的なカツ丼は、実はこの高畠さんが考案したソースカツ丼から派生した、とも言われています。
なにはともあれ福井県民は小さいころから、このヨーロッパ軒に何かお祝い事があった時や人生の節目に訪れているらしく、まさに地元に愛されているレストランのようです。

敦賀ヨーロッパ軒

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今回訪れたのは、敦賀ヨーロッパ軒本店。
ヨーロッパ軒からのれん分けした店舗のようで、敦賀市内にあるヨーロッパ軒はすべて敦賀ヨーロッパ軒の支店です。
写真にある通り、通り沿いにヨーロッパ風の建築物が表れたらそこが敦賀ヨーロッパ軒本店です。

▲場所はこちらです。

これが地元のソウルフード

昼前のお腹を鳴らし、期待に胸を踊らせながら、賑やかな体内状態で入店します。
席につくやいなや早速ソースカツ丼セットを注文。
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待つこと数分、出てきたのは自分が知っているカツ丼とはやはり違います。
どんぶりにぎっしりと盛られたご飯の上に(カツを取ってみると、上から押して敷き詰められるだけご飯を敷き詰めてる疑惑あり)、大きなカツが3枚も豪快に重ねられ、その上からソースがかけてあります。
シンプルながらも、これこそがソースカツ丼だ、といわんばかりのものすごい主張の強さ。
これで本当に一人前?全部食べきれるのか・・・!?と食べる前からその存在感に圧倒されてしまいました。

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▲今回注文したのはソースカツ丼セット(1,050円)
食べる前からこんなことではいけない、と思い直し、早速トンカツからかぶりつきます。
すると、このトンカツが外はサクサク、中はジューシーに揚げられており、とてもおいしい!
ソースもトンカツにとてもよくあいます。
食前の不安など感じていたことすら忘れるがごとく、どんどんご飯が進んでいきました。
気がつけばいつの間にかさらりと完食!

平成生まれの筆者ですが、食べながらなぜか昭和を思い描いてしまうほど(ちなみにヨーロッパ軒の創業は大正ですが)のシンプルかつ素朴な味がとてもおいしく、福井のソウルフードのポジションを不動のものにしているのも納得できるソースカツ丼でした。

福井県民にとってソースカツ丼は”B級”グルメではない

ちなみに、福井のソースカツ丼は、全国的にはB級グルメのひとつとしてよく知られているかもしれません。
B級グルメとは、庶民的で日常的に味わうことのできる飲食物のことですが、福井県民の前でヨーロッパ軒のソースカツ丼をB級グルメといってしまうと、誤解も手伝って福井県民からそれはそれは怒られるので気をつけましょう(実体験に基づく)。
「パ軒のカツ丼」は福井県民にとって親しみのあるA級、いやS級グルメなのです。


次回ヨーロッパ軒を訪れる際にはパリ丼を注文してみたいと思います。
ヨーロッパ軒総本店

この記事を書いた人

甲斐 大輔

甲斐 大輔

平成元年宮崎生まれ。南国出身よろしく寒いと身体機能が低下する習性を持つ。都内の大学を卒業し、国会議員の公設秘書を務めた後、半年間海外に留学。冬のはじめの11月に成田空港に降り立ってはじめて、夏を南国で過ごしてしまったことに気付き愕然とする。
魅力ある地域にスポットライトを!が人生のテーマ。

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