バリ島という自然あふれたこの土地で、美しい景色・サンセットをみたい!という方は少なくないであろう。
壮大な海に沈む夕日を、ゆったりと座りながら、インドネシアの伝統文化であるケチャックダンス(以下 ケチャ)を楽しめる場所があるという噂を聞きつけた。
温かな風に吹かれながら、壮大な海をバックに行われるケチャ。さぁ、最高の瞬間を皆さんにお届けしよう。
夕暮れ時からケチャ、始まる
多くの観光客が列を作っていた。ここはバリ島ウルワツ寺院。クタの南の果てである。
バリ島の6大寺院であるこのウルワツ寺院は、海辺にあり絶景スポットで人気の寺院。ここで夕日を見ながらケチャが見られる!とのことで多くの国から人々が押し寄せていた。
開演時間が近づき、席は満員。おしくらまんじゅうが如く、ぎゅうぎゅう詰めで座り合う観客。平日とは思えないこの人気さ…我々の期待はさらに上がりつつ、50分間の演目が始まった。
半裸の男たちが円になり呪文のようにケチャと唱える。彼らが作るその音楽と踊りは、なんとも不思議な気持ちと解放感を作り出した。
王子様がいて、お姫様がいて、悪者がいて…と一見普通のストーリーであるが、その物語を色づけるケチャは、それを全く違う物に作り上げ、すべての観客をケチャの世界に引き寄せた。
物語が盛り上がると共に、夕日が沈む
物語が盛り上がると共に、美しい海に夕日は沈んでいった。空の色がどんどん変わり、数秒の間に表情を変える。そのダイナミックな景色は今までにみたことのないほど感動的だった。
大きな空というキャンパスに描かれた色たちが、流れるように変化していくその様は、言葉を失うほど素晴らしく、一瞬ケチャを見るのを忘れる。
迫力のあるダンスも演技も、空が描くこの息をのむ瞬間も。こんなにも壮大で解放的な舞台で見られるなんて…
なんともいえない感動と解放感で、一瞬にしてバリが好きになる。
素晴らしいダンスと夕日が一気に楽しめる、そんな場所はなかなかない。
さぁ、バリ島の不思議な世界へようこそ。