伊豆大島に人が暮らし始めたのは、約8000年前。
人々は、この島にあふれる自然と共に長い歴史を積み上げてきました。
観光しながら、大島を流れた時間を大地や神社から感じることができることでしょう!
そんな歴史の魅力に迫ります。
Photo:Oshima By _
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『色んな時代の跡。』
■今回の旅の達人 千葉県出身。自然の中にいることが大好きで、心のままについ動いてしまうので、数あるあだ名の一つに、海藻がある。 幼い時、初めて舞台で歌ったのが、『大島アンコ』であったが、今回が、初めての伊豆大島。 |
伊豆大島には、古い伝説が、いくつも残されている。
自然の力と、人々歴史、戦乱の世。
島を回りながら、色んな時代の跡を、見ることができた。
島を一周
波治加麻(はちかま)神社。神秘的な雰囲気があたりを包む。
始めに向かったのは、泉津の、波治加麻(はちかま)神社。
背の高い木々が立ち並ぶ、その奥に、また違う空気を持ってたたずむ。
この地、波治ヶ間にまつわる、波知命を祭神に。
分厚い苔の参道をいくと、社は、大木に囲まれている。
自然と、守られているのだろうと思う。
この神社のお話は、室町時代の書物に記されている。
ご挨拶をしよう。
そこから車で、裏砂漠へ向かう。
快適な島のドライヴから、山の上へと上がって行くにつれて、霧が濃くなっていった。
道も細くなっていく。
風も吹く。
蛇行した山の道を、ゆっくりと進み、駐車場で車を止める。
まるで岩場に押寄せる波の中のように、霧のシャワーが山の風に揺らぐ。
それを全身に浴びながら、小道を歩いていく。
緑を抜け、山肌が現れると、更に霧も風も強くなってきたので、ここで立ち止まる。
黒い斜面に寝ころがると、嬉しさがこみ上げてきた。
山を下りて、海へ。
筆島海岸へ向かう。
切り立った岸壁に、激しくぶつかる波、そこにある筆島。
伊豆大島ができる前にあった火山の、中心火道が、残ったものだという。
次は、踊り子の里から歩いて、波浮港へと出る。
明治から昭和にかけ、多くの作家や貴人が愛し、また華やいでいた時代の跡は、奥ゆかしい。
長い石階段を、港へと下りていく。
ほっこりとした、漁港が見えてくる。
歴史を感じる町並みを過ぎて。
港を、ぐるっと回っていった先のお寿司屋へ入った。
そのあと、ふらっと港のコロッケ屋をのぞく。
仕事の休憩に買いに来たのか、揚げたてを待つ人々が、店の前でおしゃべりしたり。
昔から、多くの著名人も訪れている。
店のご夫婦は気さくだった。
寄り道しながら車へ戻って、今度は、バームクーヘンが人気だというので、
コーヒーと一緒にと考えていたら、何ともロマンのある、地層の断面だった。
大宮神社へ。
はじめに行った、波治加麻神社の祭神の兄、阿治古命が祭られている。
海から三原山へ向くように、鳥居をくぐり、これまた長い階段を上がっていく。
やはり、外の世界とは違う雰囲気をもっている。
午後のひと休みに、藤井工房で、木彫り体験をする。
アンコさん人形。
ずぅっと、やっていたい。
岡田には、鎮西八郎為朝の伝承が多いという。
そこにある神社や、祭りに見ることができる。
色んな時代の記憶が、語りかけてくる。
ただ、ぼうっと眺めてもいいし。
食べ歩いてもいい。
大きな時の流れを感じて、嬉しくなる旅でした。
この瞬間も、自然と人とが生きて、大事なことを伝えてくれている。
生きる、伊豆大島。
※このコンテンツは、tripro「旅の達人」を再編集したものです。