「出雲さんを参拝するなら、少し距離はありますが美保神社も併せてお参りしてください」出雲参拝に詳しい筆者の知人がそのようにアドバイスしてくれました。というのも、あの日本最大規模の出雲大社だけでは「片参り」になってしまうのだそう。同じ島根県の反対側にある美保神社と併せてお参りすることで、開運効果も倍増の「両参り」になるというのです。アドバイスにしたがって筆者も「島根のえびす様」と名高い美保神社を参拝してきたので、アクセス方法と併せてご紹介します。
美保神社とは?

【ご由緒】
正確な起源は不明ですが、8~10世紀の記録にはその名が残されており、さらに古墳時代の祭具が発掘されたことから、その古い歴史が垣間見られます。
【ご祭神】
・三穂津姫命(みほつひめのみこと)
大国主神(おおくにぬしのかみ)の妻神。名前の「穂」は稲穂を示し、そこから五穀豊穣・子孫繁栄・家内安全を司る女神様です。美保神社の社名は、漢字こそ違えどこの神様からきています。
・事代主神(ことしろぬしのかみ)
またの名を「えびす様」。大国主神の長男で、釣竿と鯛を持った姿でおなじみですよね。そこから海上安全・大漁・商売繁盛の神様として絶大な信仰を集めていることは言うまでもありません。そして美保神社は全国のえびす様の神社の総本山になります。

さらに「関の明神さんは鳴り物好き、凪(なぎ)と荒れとの知らせある」と代々船乗り達の間で言い伝えられている通り、歌舞音曲の神様としても知られています。その関係でこれまでに数々の楽器や日本伝来最古のオルゴールやアコーディオンが奉納されてきました。
荘厳な拝殿でお参り!

参道を通りいよいよ境内に足を踏み入れると、威厳のある神門に続き、堂々たる社殿・本殿が目前に迫ってきます。筆者が参拝した日はあいにくの雨模様。ですが雨天ゆえの静けさが神秘的な雰囲気をより一層高めているように思いました。

周囲を山と海に囲まれた美保神社は、結界が張られているような強いご神気が漂う空間です。ちなみに参拝時は出雲大社とは異なり、二拝二拍手一拝が作法とされていますので混乱なきよう。

いにしえの時代から続く古社とあって、飾られている品々も興味深いものばかり。参拝の際は、ぜひディテールにも意識を向けてみてください。
「呼ばれた!?」本殿裏のパワースポット

そして忘れてはならないのが「裏参り」。本殿裏へ回って、より神様に近い場所で改めてお参りするのが筆者的にオススメです。画像の通り本殿では二柱の神様を祀っているため、2つのお社が一体化しています。この特殊な様式は「美保造」または「比翼大社造」と呼ばれています。

裏参りを終えた筆者は、ちょっと不思議な体験をしました。本殿裏の小さなお社―若宮社・今宮社・秘社―が目に留まったのですが、本降りの雨を言い訳に、武将にも本殿裏の屋根下から手を合せた時…ふと「ちゃんと階段を上がってお参りをしなさい」と言われたように感じたのです。これは失礼だったかなと反省し、改めてお社に上がって再度手を合わせた時、思わず息を呑みました。お社の脇には小さな池が隠れていたのです。

神社の境内図に記載はありませんし、あくまでこれは、本殿裏の急斜面から流れる雨水を受けとめる「沈砂池」であって、ご神池というわけではないのでしょう。しかしながら、えびす様の御子神と、現在にも伝わる神事を整えた人物が祀られたお社の辺りには、独特なエネルギーが漂っているように筆者は感じたのです。

本殿の後ろの山のパワーが雨の水と相まって、より一層清らかさが増していたのかもしれませんね。
アクセス方法

気になる美保神社へのアクセス方法について解説します。いくつか方法がありますが、どちらもコミュニティバスを利用するため、現金払い用に小銭の用意が必要です。

① 米子鬼太郎空港からお越しの場合
【徒歩】 米子鬼太郎空港 ➡ JR米子空港駅(すぐ目の前)
【電車】 JR境線:米子空港駅 ➡ 境港(さかいみなと)駅
【バス①】 美保関コミュニティバス(境港線):境港駅 ➡ 宇井渡船場(ういとせんば)
【バス②】 美保関コミュニティバス(美保関線)に乗り換え:宇井渡船場 ➡ 美保神社入口(終点)
② JR松江駅からお越しの場合
【バス①】 一畑バス(美保関ターミナル行):松江駅 ➡ 美保関町民ターミナル
【バス②】 美保関コミュニティバス(美保関線)に乗り換え:美保関町民ターミナル ➡ 美保神社入口(終点)

ちなみに筆者は②で現地入りしたのですが、一畑バスの終点に着くとすでにミニバスが待機しており乗り換えはスムーズでした。ただし、①②共に交通機関の時間によっては待ち時間が発生することもあるため、片道1時間15分から、余裕をもって2時間ほどかかるとみておくと良いでしょう。(記載時間はあくまで目安です。道路状況などにより所要時間が変動する可能性があるのでご注意ください)
また到着したら、帰りのバスの時刻も調べておくのがおススメです。バスの本数が限られているので、時間に間に合うように逆算して行動するのがいいですね。

美保神社周辺も魅力的なので、ぜひバスを待つ間に散策を。美保関漁港周辺のお土産屋さんで買い物したり、雨の日には青く変色する「青石畳通り」で旅情を感じたり・・・さらに天気の良い日には神社目の前の美保港から大山が望めるそうです。晴雨それぞれの美しさを参拝時に楽しんでいただけたらと思います。
●美保神社
島根県松江市美保関町美保関608




