季節の移り変わりにもニューヨーカーはおしゃれを忘れない、などと言ったファッション誌の見出しを何度となく日本で見たことか。
実際におしゃれな人も居る。だがそれ以上に逆方向にパンチの効いた人が沢山居る。ここはダイバーシティNY。人が全世界から集まってくるところである。そんな所でのNYスタイルなんてそもそも無いのではなかろうか? いやいやそんなワケあるかと、足を運ぶはファッションが集まるSOHO(ソーホー)へ。ここは、ハイファッションのブランドから小さいブランド、セレクトショップやギャラリーが集まるところである。
そんなところをウロウロしたら、やたらマッチョなおっちゃんが二人居る凄いセレクトショップがあったよという話。
期待値が高まる
3NYというその店はソーホーの一角にある。
周りはかわいい犬のファッションだったり、アートギャラリーだったり。ふらふらと歩くといきなり目の前にはエッジの効いた服がディスプレイされている場所に出る。セレクトショップで好きなのは、チープなものから、ソコソコのお値段のものまで漫勉なく揃っていて、スタイルがあるところである。
いいものだって、ワゴンの中に十把一絡げにされてしまっては、発見する気も失せてしまう。
入ると、正面には沢山の携帯ケース。どれもこれも良さげな感じではあるが、気が付く。真ん中にあるのは魔人ブウじゃないかい!!
そしてその隣に陳列されているのはSupremeを野次ったStupidパーカー。Supremeのお店も同じSOHOエリアにあるのだが、ここはいつみても行列。だからアメリカではコルゲート(マークが似たような赤と白の誰もが知っている歯磨き粉ブランド)と同じデザインなのに、Supremeばっかり異常に高いと言われていたりもする。そんな流れの一環でStupid。
ポンポン帽子と、ニット帽。ニット帽って、単調になりがちだけど、拘りたい感じの帽子である。
ソープ。中にあの、青い……、ネコ型ロボットの日本でもおなじみの有名なキャラクターが居るのだが、なんでだろう。
顔のついているキャップの個性も半端ない。
店員さんだってとっても個性的なんだ
相変わらずいいものが揃えてあるなと唸っていると、マッチョの坊主頭のオッちゃん店員が話しかけてくれた。「イイの入れてるだろう? これ、俺すごい好きな奴なんだよなあ。」等と気持ちが熱い。
セレクトショップの店員のイメージというと、思い出すのは代官山、表参道、六本木。どこの店でも、大抵線が細くがりがりである。もしくはエグザイル的な細マッチョ。いや、NYでもファッションのお店となるとそういう店が多い。
それがこの店では服よりもビールの方が似合いそうだなと思わせるような彼の風貌。このギャップが楽しいのである。以前はゴツイ坊主のオッちゃんちゃんが二人。最初に入った時はビックリしたものだ。だが近頃は女子の店員も。あ、女子が増えているなどと微笑みながら店内を見ていると、彼女が「この間ね、地元でおばあちゃんが逮捕されてさあ」と突然物騒な話をオッちゃんにし始めた。
何故、おばあちゃんが逮捕されたのか? 非常に後ろ髪をひかれる思いであるが……さて置き、服に集中する。
これはオーバーサイズで着るパーカー。カラフルなのがいい。
セール時期は狙い目。
個性的な服の多いこの店も年に数回セールをする。50%OFFなどとなるので、個性的なファッションがよりリーズナブルになる。
さて、私もここで冬のジャケットを手に取る。すると彼がいきなり、「あれ? 俺、覚えてた!! 前も来てたよねえ。」といい始めた。私もすかさず「前もここでジャケット買ったときに、俺も自分のお揃いで買っちゃった!」って言ってたよね。となどと返し、暫しキャッキャと話す。一瞬見た目は強面なのだが、話してみると非常に優しいのと、詳しく色々教えてくれるので、ここは話しかけることをお勧めしたい。
448 Broome St, New York, NY 10013
11AM–7:30PM