1ヶ月散らない不思議なサクラ!? イギリスのお花見事情とは
イギリス

春の暖かさを感じる頃、例え海外にいても桜を見たくなりますね。イギリスでも実は”サクラ”を見ることができます。3月中旬から4月下旬頃まで、日本で見ることのできる桜にそっくりな花が咲きます。
毎年、不思議に思っているのは、雨が降っても風が吹いても、その花は散らないのです。花びらがチラチラ〜と散る、日本の桜と明らかになにかが違うんです。

日本の桜とイギリスの”サクラ”の違いは?

イギリスで主に見られるのは、チェリープラムというサクラ類の木と、アーモンドやアプリコットといったバラ科モモ属の木。
ソメイヨシノなどの日本にある桜も数本見かけますが、それぞれが一斉に咲いたりせず、違う種類の桜や日本で見られる桜に似た花が次々に咲いていきます。
色も白、ピンク、濃いピンクなどがあり、木の高さも、低く小さい細い物から、大きく背の高い太い物まであります。
もちろん、お花なので花びらは散りますが、イギリスに咲いている”サクラ”は、日本のソメイヨシノのように1週間であっという間に散ってしまうことはありません。


▲写真のように、家の前に1本だけ咲いていることが多く、桜並木のような場所がないのが残念。
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立ち止まって、写真を撮っていたら、イギリス人のおじさんに、「Japanese?(日本人か?)」と声をかけられました。「Do you miss your country?”(日本が恋しいの?)」と、日本人の心を知っているかのようなお言葉。
おじさんは数年前に日本の桜が見たくて春に旅行をしたそうですが、桜が1週間で散ってしまうことを知らなかったようです。
訪れた時には、ちょうど見頃が終わっていたそうで、日本の桜を見てみたかったなぁと話してくれました。

England Cherry Blossom
日本でのお花見はせいぜい1週間くらいでシーズンが終わります。
その間、花見のために必死に場所取りをして、ひらひらと散る桜の花びらを楽しみながら、みんなでワイワイお酒を飲みますよね。
私も夜桜を京都まで見に出かけたのを思い出します。
全国で順番に咲いていくのも、日本ならではの気がします。
England Cherry Blossom
イギリスのチェリープラムやアーモンドの花は、1ヶ月くらいずっと咲き続いています。それに加え、それほど暖かくない時期から咲くためか、誰もお花見はしません。

イギリス人は、お花を見ながら本を読んだりする事が好きなのですが、桜の下での読書をしている姿は見たことがありません。
公園に咲いているチェリープラムなどの花の下にゴザをひき、寒さに身を縮めながらお弁当を食べているのは日本人くらいでしょう。

4月に入ったというのに、まだ気温は10度程度。お日様が覗くと暖かく感じますが、まだコートが手放せないのです。
もしイギリスでそれらの木を見たいと思ったら、住宅地を歩いてみると良いかもしれません。お家の前に1本、ピンク色の可愛いチェリープラムやアーモンドの木があり、花が咲いているのを見ることができるでしょう。

私も先週末、チェリープラムの木を探して有名な公園を訪れてみましたが、日本の桜並木のようにたくさん咲いている公園は無く、自宅の庭にチェリープラムの木を植えようと心に決めたのでした。
日本人は桜の花の命が短い事を知っているからこそ、イギリスにいても”サクラ”に夢中になるのでしょうね。

この記事を書いた人

モモ

モモ

東京新宿区生まれ。日本で数年働いた後、イギリスへ渡英。イギリスで生活しはじめて10年以上。気づけば、出産までイギリスで。現在は子供と暮らす事で、新しいイギリスを発見する日々。

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