朱色の迷宮:伏見稲荷大社で迷い込む異世界体験
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朱色の迷宮:伏見稲荷大社で迷い込む異世界体験

今や世界中から人が訪れる伏見稲荷大社。朱色の鳥居が連なる神秘的な空間が人気の秘密なのでしょう。近年では着物姿で写真を撮影に興じる観光客の姿が目立ちます。

しかし、それは頂上へ向かう階段が始まるまでのこと。言ってしまえば伏見稲荷大社のほんの「さわり」の部分にすぎません。伏見稲荷大社がパワースポットたるゆえんは、頂上そしてそこへ向かう道中、「お山」にこそあるのです! さらには知る人ぞ知る龍神スポットも・・・

今回はそんな伏見稲荷大社の魅力を、パワースポット専門ライターの筆者ががっつりお伝えします!

伏見稲荷大社とは

朱色の迷宮:伏見稲荷大社で迷い込む異世界体験


朱塗りの鳥居がどこまでも続く「千本鳥居」が印象的な伏見稲荷大社。全国に3万社ある稲荷神社の総本宮であり、1300年以上続く由緒ある神社です。

参拝客で賑わう参道を通り、境内に入ると総本宮の名にふさわしい、堂々としたたたずまいの楼門と本殿が目に入ります。青空に映える朱赤と緑のコントラスト。細部に目をやれば、鮮やかな装飾の美しさに思わず写真を撮りたくなってしまいます。

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【主祭神】

宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)

佐田彦大神(さだひこのおおかみ)

大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)

田中大神(たなかのおおかみ)

四大神(しのおおかみ)


それぞれ役目がことなり、伏見稲荷大社ではこれらの神様が一体となって稲荷大神として祀られています。

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本殿でお参りを済ませたら、向かって右方向へ歩くといよいよ名物の千本稲荷が見えてきます。映えスポットでもあるので参拝客、特に着物姿の外国人観光客が写真撮影を楽しむ姿を横目に、さらに奥へ進んでいきます。筆者的に神聖なエネルギーを感じた一つ目のパワースポットはもうすぐです。

おもかる石がある奥社のパワースポット

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千本稲荷を抜けた先にある奥社。その裏手にはちょっとした列ができるのですが、これは願い事の成就を占う「おもかる石」を試す人達。灯籠の前で願い事を念じながら石灯籠の空輪(灯籠の上の丸石)を持ち上げたときに、予想より軽いと感じたら成就するといわれています。反対に予想より重ければ成就は難しいのだとか。

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そして、ここで筆者オススメ! 最初のパワースポットのご紹介です。おもかる石の横に鎮座する奥社奉拝所―柵の向こうから山の神秘的な空気が感じられます。奥社でお参りするだけではなく、裏手に回ってこちらでもお参りをする方が、伏見稲荷大社の神様により近いような気がします。実際にこの奉拝所で熱心にお参りする人の姿も。

知る人ぞ知る龍神スポット「伏見神宝(かんだから)神社」

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伏見稲荷大社をひと言で表すなら、稲荷山という広大な境内に鎮座するあまたの社と塚の集合体です。時間と体力のある方はぜひ奥社で引き返すのではなく、さらにその先へ進んでいただきたいものです。

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特に奥社から少し進んだところにある分岐点をあえて人の少ない右へ折れると、伏見神宝神社が見えてきます。稲荷神社の主祭神は一般的に宇迦之御魂命ですが、伏見神宝神社では天照大神が祀られており、神道での三種の神器のルーツの十種神宝(とくさのかんだから)を奉安している神社です。平安時代初期に創建され、当時の皇室からの信仰も厚かったという由緒ある神社なのですが、実は狛犬ならぬ狛龍が守りを固める「龍神スポット」でもあります。

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境内の摂社・末社には龍頭社、八大龍王大神、白龍大神と龍づくし。龍神好きな方には必須の参拝スポットですね!

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こちらにもおもかる石があり、龍の頭を持ち上げて願望成就の占いを試せます。こちらは余り並ぶことがないので、奥社で試し損ねた方はぜひこちらで!

穴場のディープスポット

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伏見神宝神社から元来た道に戻り、お山参拝コースを進むのも良いのですが、定番のお参りコースでは物足りなさを感じる方は、そのまま竹林を道なりに進んでいくと更なるディープスポットへとたどりつけます。

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この辺りは重なるように立てられた塚の密集地帯。独特の雰囲気を醸し出しています。ひときわ目立っていたのが不動明王像。周辺を散策してみると滝行場もありました。不思議な雰囲気なのに、どこか清らかな空気を感じたのはそのせいでしょうか。

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あとで調べてみると、この辺りは伏見稲荷大社の正式な境内ではないものの、弘法ヶ瀧と呼ばれる修行場でした。筆者の同行者は何度も伏見稲荷大社に参拝経験がある人でしたが、「こんな場所があるなんて!」と驚いていました。まさにディープスポット! 予備知識無くたどりついた筆者一行は「呼ばれていた」のでしょうか!? 秘密の場所のような不思議空間がお好きな方は、ぜひ足を運んでみてください。

お山―真のパワースポットを歩く

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さて、ディープな空間から伏見稲荷大社の参拝ルートへ戻りましょう。伏見神宝神社への分岐点には、パワースポットと呼ばれる根上がりの松があります。ここから先はいよいよお山巡り。大抵の観光客はここで引き返すのですが、お山こそが伏見稲荷大社の真のパワースポット。標高233mの山頂まで階段が続くので体力・健脚に自信のある方は、ぜひ先へ進みましょう!

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階段と階段の合間にお社が多く鎮座しています。中でもそのたたずまいから、ひときわ強い気を感じるのがしなやかな黒狐の姿が印象的な「眼力社」です。

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名前の通り「眼の病の改善」と「先見の明・眼力が授かる」というご利益が有名で、伏見稲荷大社の中でも知る人ぞ知るパワースポット。経営者や相場関係者も通うのだとか。お山の社は山中ということもあってか、薄暗いお社の中、揺らぐろうそくの灯りが、霊験あらたかな空気を感じさせます。

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眼力社までくれば山頂まであともう一息です。

山頂のパワースポット

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最後の急勾配の階段を上りきると、突如降り注ぐ陽光。頂上に到着した証です。頂上には一の峰、二の峰、三の峰が空に向かうように鎮座しています。厳密に言うと一の峰が山頂で、ほかの二社はそれよりやや低い位置となっているそうです。

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それぞれ祀られている神様が異なるので、以下個別にまとめました。

・一の峰:別名「上社神蹟」。末広大神が祀られており、「末広がり」の名の通り、発展運・開運を司ります。

・二の峰:別名「中社神蹟」。主祭神は青木大神、言い換えると佐田彦大神(猿田彦大神の別名)が祀られており、みちひらき、交通安全、開運を司ります。

・三の峰:白菊大神、つまり宇迦之御魂大神が祀られています。稲荷神社の主祭神でもあるので、商売繁盛、五穀豊穣を司ります。

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山頂からは京都市街を一望できる絶景が広がっていることから、参拝客達がくつろぐ姿も。

筆者はこの日午前10時頃から参拝を始めたので、山頂に到着した頃にはすっかりお昼の時間を過ぎていました。頂上のお参りを済ませたことで気が緩んだのか空腹をおぼえたので、頂上付近のお店に入ることに。

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頑張ったご褒美はにしんそば。そして忘れてはいけないのが、いなり寿司です。伏見稲荷大社に参拝したら、縁起物のいなり寿司をいただきましょう! お山のお休みどころだけではなく、駅へ向かう参道沿いにもいなり寿司のお店があるので、お好きな場所で召し上がれ。

パワースポットお稲荷さんについて

お稲荷さん、こと稲荷神社は日本人にもなじみ深いものですが、ほかの神社と違う点がいくつかありますよね。

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お稲荷様はお狐様?

例えばお稲荷さんと言えばキツネをイメージする方が多いですね。ただし、キツネが稲荷神社の神様ではないので誤解なきよう。お稲荷さんの神様は先述の通り宇迦之御魂命。そしてキツネはあくまで神様を守り仕える眷属(使いの神)です。

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稲荷神社にたくさん鳥居がある理由は?

鳥居が連なる景色が稲荷神社の特徴の1つ。これはご利益に感謝した参拝者がお礼として鳥居を奉納しているから。鳥居の裏側には寄進者名と併せて時期も記載されています。伏見稲荷大社ではここ10年間に寄進された鳥居も多く見られ、昔も今もお稲荷さんのおかげで開運した人が多いことがわかります。

たくさんある「塚」は何?

歴史ある稲荷神社には、本殿・拝殿、そしてお社だけでなく、「塚」と呼ばれる石塚が立てられていることが多いですよね。この塚はもとより縄文時代より続く、神聖な場所を示す方法なのですが、お社と同様祈りを捧げる対象でもあります。

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特に稲荷神社では信者がこぞって境内に塚を建て、願い事をしたのだとか。現代では塚を建てることは簡単ではありませんが、塚参りもお稲荷さん詣での1つの形です。

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いかがでしょうか。基礎知識があるのとないのとでは、お参りの楽しさが違いますよね?特にお稲荷さんは特有の内容も多いので、伏見稲荷大社公式HPの「よくあるご質問」での予習をオススメします!


伏見稲荷大社

京都市伏見区深草薮之内町68番地

この記事を書いた人

ユルワ

ユルワ

占い師兼英語コーチ兼ライター。有名どころ~マイナーだけど霊験あらたかな穴場に至るまで、パワースポットを発掘するのが得意です。他にも西東京~西埼玉・西武線界隈をうろついたり、本好きにはたまらないスポットもご紹介しています。 モノはないけど海が超絶きれいな太平洋上の島国と激安激ウマのベトナム・ダナンで通算3年間に及ぶ海外暮らし経験有。次はどこで暮らそうかなと思案中です。

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