photo by Masakatsu Ukon
2015年3月に起こった、LCCジャーマンウィングスの航空機墜落事故は衝撃的でしたね。
それまでにも今年2月にトランスアジア航空、また昨年1年でネパール航空、マレーシア航空、トランスアジア航空、アルジェリア航空、セバハン航空(イラン)、エアアジアで乗員乗客の大半が死亡する墜落事故がありました。
こうやって見るとかなりの頻度ですし、航空機墜落は自分が注意しても防げないので怖い、と思っている旅行者も多いと思います。
航空機事故以外の死に至るケースを考える
私の主人は40代ですが、これまでの人生で飛行機は国内線に1往復しか乗ったことがないそうです。なぜかと言うと、航空機は落ちたらほぼ確実にアウトなので、高いお金を払ってまで危険な思いをしたくないと考えているからだそうです。私が飛行機で海外に出かける際には必ず「遺書を書いたか?」と尋ねます(本当です)。
私は主人と同じ年ですが、ずっと海外添乗員をやっていましたので、これまでの人生で200往復以上は航空機に乗っている計算になります。
しかしこの通り、まだ元気に生きています。一度も航空機事故に遭ったことはありません。
航空機事故に限らず、世の中には自分の力だけでは防げないものって沢山あるのではないかと思うのです。喫茶店でお茶をしていたらダンプが突っ込んで来て亡くなったケース、道を歩いていたらクレーン車が倒れてきて下敷きになって亡くなったケース、レストランで出された食事で食中毒になり、死に至ったケース・・・。
そして航空機事故も同じだと思うのです。今年の夏に、お茶の間で愛犬と共にテレビを見てくつろいでいた若い女性が、上から突然落ちてきた小型飛行機の下敷きになり亡くなったのを覚えている方も多いと思います。
まさか自宅で航空機事故に遭うなんて・・・。どんなに用心深い人でも、そこまで想定している人は居ないと思います。ということは、これは生まれながらにして持っている寿命なのだと考えるしかないではありませんか。
心配しすぎて心身をすり減らすよりも気楽で楽しい旅を
心配して、用心していても何事もない人も居るし、自宅で航空機事故に遭って亡くなってしまう人も居る。心配せず、全く用心せずに人生を謳歌して100歳まで健康に生きる人も居るし、酒を一滴も飲まないのに肝硬変になって亡くなってしまう人も居る。これが人生。(フランス語風にいうと、C’est la vie! - 人生そんなものさ)
それだったら、注意して防げるものだけ気を付けて、後は運を天に任せて気楽に楽しく旅行をしませんか?心配ばかりしていては、折角与えられた人生もったいない。
注意して防ぐ事ができるものとは?
注意して防げるものは何かというと、当たり前のようですが
- 何かあった時に、すぐ逃げられるいでたちを心がける。
- あれ?と思ったらすぐ確認、質問、相談。(これで詐欺だって撃退)
- 人や神に頼らない。必要だと思うものは自分で用意する。(浮き輪、アーミーナイフ等)
- 多言語を操れるようにしておく。(芸は身を助ける)
- 現在地と、方角をいつでも特定する技能を磨く。(旅行では方向感覚は命)
- 健康に気を付け、身体技能を鍛えておく。(危険を察知したら全速力で走り去る)
- 安全のためには金に糸目をつけない。
結局、これらのことに気を付けていれば日常生活においても通り魔に遭ったり、階段を踏み外して捻挫したり、泥酔して身ぐるみはがされたり、車で道に迷ったりこすったり、津波に流されたりといった事を避けられ、結果的に楽しく長生き出来る気がして来ませんか?
添乗員時代に出会ったある年配者の話
添乗員時代に出会った数々のお客様の、実に半数以上は60歳以上の年配者でした。中には80歳を過ぎてアルプスの登山ツアーに参加される方も珍しくありませんでした。そういう方々って、戦火を潜り抜けて来た方々で、上に挙げたようなことは自然に身についている方々ばかりだったと思います。一度、到着した空港でスーツケースがロストした際に、あるご高齢の女性が私に言いました。
「戦時中に比べれば、楽しい場所に遊びに来ているんだから1週間ぐらい着替えなくたって死ぬわけじゃないし平気よ。」
辛い思いをしてきたからこういうことが言えるのでしょうし、かつ必要な貴重品は全て手元に持っていたからこそすぐに諦めがついたのだと思いますから、やはり危機管理って大切です。
長くなりましたが、日ごろから必要な危機管理をきちんと行った上で、旅行を通じて人生をより豊かなものにしていきましょう!
危険はどこにでもあるし、それよりも旅行を通して得られる経験や出会いは自分の人生にとって貴重でかけがえのないものだと、声を大にして言います笑。
Viva la vita! (生きているって素晴らしい)