東京都に所属する、伊豆大島。
「東京」とは到底思えない大自然が、訪れる者を出迎えます。
Texas Trail @ Mount Mihara @ Oshima / _
Crater @ Caldera loop trail @ Mount Mihara @ Oshima / _
そんな伊豆大島を、ネイチャーガイドと共に散策すると、いったいどんな体験ができるのでしょうか?
『再生の旅へ』
■今回の旅の達人 前田 芳美氏 千葉県出身。自然の中にいることが大好きで、心のままについ動いてしまうので、数あるあだ名の一つに、海藻がある。 幼い時、初めて舞台で歌ったのが、『大島アンコ』であったが、今回が、初めての伊豆大島。 |
今年、新たな高速ジェット船も増便され、手が届きやすくなった伊豆大島。
都心から1時間45分、熱海からは45分で、行った先には、陸続きの場所とは、
また違う、別の星へ来たような世界があった。
爽やかな朝8時40分、竹芝桟橋からの出発、少し切なさも感じる船出。
普段の生活と自分とを切り離す。
三原山は、今も大地をつくり続け、独自の生態系が存在し、島全体が、変化し続けている。
伊豆大島で、思いもよらず感じたのは、その再生の力。
まさに命の息吹。
ジオパーク・ネイチャーガイドの活動が始まり、これからその活動の規模を広げていく。
次の噴火は、今後9年の間におこる可能性もあるそう。
もうすぐです。
伊豆大島へ、来る前の印象とは、まるで違う。
この島は、情報を隠していると思った。
これほどの冒険の要素がたくさんあって、こんなに都心に近い場所で。
まったく、驚きの旅である。
三原山へ
今回は、ネイチャーガイドの西谷さんと向かう三原山。
島のことを知り尽くし、山、渓どんなルートも自由自在。
マグマ熱を利用した天然のサウナ。現在は使われていない。
椿林を過ぎると、緑に隠れた小さな入り口が見えた。
天然サウナだそうで、70年以上前からあると言われ、1986年噴火の前には、使えたらしい。
地面の中に割れ目が走り、地上に、調度良く火山の熱が伝わって、サウナとなった。
わくわくする。
外輪山展望所から空に向かって歩く
富士箱根伊豆国立公園、大島三原山入り口の、外輪山展望所から歩く。
風のないこの日は、物音ひとつしない静けさに驚いた。
眼下に広がる草原に足を踏み入れると、太古の土地を歩いているかのようだ。
前方にそびえる三原山へ。
その予期していなかった世界に、私はもう、しびれてしまった。
どろどろとした溶岩の跡が残る。
1100度の溶岩は、山の形を変え、大地に覆いかぶさり、全てを焼き、新たな黒い大地をつくる。
条件によって、様々な形に固まり、一つの星がここにあるような、実にバリエーション豊かな地形を生み出している。
それらを見て、触っては、にこにこしていた私達。
ガイドの西谷さんから自然と歴史を学ぶ
26年前の噴火で流れ出た、おどろおどろしい溶岩のうねりは、そのままの形を残し、横たわる。
その前の噴火で焼かれた大地には、もう少し緑が増し。
それ以前に焼かれたエリアは樹海と化し。
その全てが独特で奥深く、そして、また焼かれる時が来るのだ。
生かされるものと、消滅させられるものがあり、そのために植物も、
独自の進化をとげ、火山に強い品種が、力強く再生を始める。
ススキ、椿もその一つ。
三原神社は、激しく溶岩が通った地帯にあるにもかかわらず、
そこだけを避けていったという、古い神社。
力の火口を、しばらく眺めてから。
空へ向かう坂を登る。
日が傾いた、この時間の、ススキと黒い岩肌の景色は、格別だった。
その荒々しさ、力強さに身を委ね、空を仰ぐ。
ありのままで居られることに涙が出る。
歩き、触れて、食べて、吸い込む。
大地が私に力をくれ、再生していく様は、私を元気にしてくれる。
最後に、不思議な樹海を通って、今日、キノコや虫の糞の匂いを、一緒にかいでくれ、
色んな話をしてくれた、ガイドの西谷さんとお別れです。
また、お会いしたいです。
一日が終わる
温泉でゆっくりして、自分だけの時間を過ごす。
お食事も、より美味しい。
お土産には、椿油や、今年の夏から販売されているという、バスソルトと、
エステソープも種類がたくさんあって、使うのが楽しみだ。
「三原神社」スポット情報 | 旅のプランニングツール tripro(トリプロ)
「大島樹海」スポット情報 | 旅のプランニングツール tripro(トリプロ)
※このコンテンツは、tripro「旅の達人」を再編集したものです。