海のイメージが強い石垣島ですが、ジャングルのような深い森の魅力も侮れない。今回は、3月から5月におすすめの、森のアクティビティをご紹介します。日本最小のホタルが生息する真っ暗な森に、ガイドの案内で出かけます。美しくも儚い短い命の煌めきに、感動すること間違いなし!
石垣島で森のアクティビティ
本州に暮らしていると、石垣島といえば「一年中マリンアクティビティを楽しむことのできる南の島」というイメージ。とは言っても、やっぱり冬はそれなりに寒いわけで…。
今回訪れたのは海開き間近の3月。今回はマングローブカヤック以外の“森のアクティビティ”を体験したくて探し当てたのが、マーレ石垣島の「ヤエヤマボタル鑑賞ツアー」。

実は島の中心部からアクセスしやすい場所に「バンナ公園」という広大な公園があって、この中に「ホタル街道」という名のスポットがあるんです。事前に調べたところ、ここでも見られるらしいのですが、真っ暗な夜道を歩かないといけないので断念。土地勘がない人はツアーに入るのがベストだと悟った次第です。
黒い幕が張られた車で森へ
なんだか犯罪のニオイがするタイトルですが、後ほど説明します(笑)。予約日の前日、マーレ石垣島のガイドさんから電話があり、当日のピックアップ時間を告げられます。ホテルまで迎えに来てくれて、帰りもホテルまで送ってくれるのでラクチンです。
電話で「まだホタルの数が少ないけど、どうしますか?」と聞かれたのですが、少しでも飛んでるなら見てみたいので迷わず参加。でも、正直で良心的な業者さんですよね。
黒いカーテンで車内が遮断された車が到着して乗り込んだ時には、このままミャンマーかどこかのアジトに連れていかれて日本に電話をかけるお仕事をさせられてもおかしくないな…と、一瞬頭をよぎりました(笑)
ヤエヤマヒメボタルにとっては光が害らしく、懐中電灯はもちろん、スマホの画面もストレスらしい。そういったわけで、車もなるべく光が漏れないように黒いカーテンをしているのだと思われる。
シンクロして光る無数の光
到着したのは於茂登岳の登山道近辺。とにかく果てしなく真っ暗。ガイドさんがいないと絶対に歩けない場所です。ツアーに申し込んだ時は、「スマホでホタル撮れるかな?一眼のほうがいいかな?」なんて思っていましたが、ホタルにとって光はストレスと聞いたので断念。そんなわけで、ここからの写真はガイドさんにもらった写真でご紹介します。

ヤエヤマヒメボタルは、石垣島や西表島などの八重山諸島にしか存在しない種で、川辺で生息するゲンジボタルなどとは異なり、山の斜面に生息します。光るのも独特で、日没後30分~1時間の間しか光らないのだとか。
ヤエヤマヒメボタルが生息する斜面に到着すると、既に光っている個体を発見。最初は「あ、いた!」「あそこにも!」だったのが、徐々に見つける必要がないくらいに光りだします。ちなみに、飛んでいるのは雄で、斜面にいるのは雌だそうです。光るのは繁殖のためだと考えられ、成虫になって光り始めて1週間ほどで短い命を終えるとのこと。点滅リズムが早いので、写真で撮ると線ではなく点と点が繋がるように写るみたいですね。
3月初旬なので、ホタルの数も少ないけど見物客も少ないらしく、「最盛期にはこの狭い場所に100人以上が集まります」とガイドさん。真っ暗なので迷子になってしまう人もいるのだとか。お子さん連れの人は手を離さないように気を付けてくださいね。
ものすごい数のホタルのイルミネーションを人がいっぱいの中で見るか、少な目のホタルを貸し切り状態で見るかは、好みが分かれるところだと思われます。私が参加した日は他のツアーで来た人を合わせても10人いませんでした。

ヤエヤマヒメボタルは、個々に光り出すのですが、やがてシンクロして同じタイミングで光るのだそう。不思議ですよね。シンクロして光る様子を見たい人は、沢山のホタルが飛び交う最盛期がおすすめです。マーレ石垣島のガイドさんは、石垣島の動植物や自然に詳しく、道中いろいろと楽しいお話をしてくれましたよ。ホタルへの配慮もきちんとされていたので、参加して正解でした!