観光出来る洞窟は各地に大小色々ありますが、内部の凄さもさることながら、発掘した開発者に感動する鍾乳洞が、静岡県の浜松市にあります。
今回はその鍾乳洞、竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)を紹介します。
竜ヶ岩洞とは
竜ヶ岩洞は、赤石山脈の支脈に位置する標高359.1mの竜ヶ石山にあり、2億5千万年前の石灰岩地帯に形成されています。
総延長約1000mの東海地方最大級の観光鍾乳洞で、一般公開されている部分は約400mです。
洞内には約50ヶ所の見学ポイントがあり、どれも自然が造り出した芸術作品で、神秘的な造形は思わず声をあげそうになるほどの素晴らしさです。
竜ヶ岩洞の開発者
竜ヶ岩洞のもうひとつの凄いところが、洞窟の開発者である戸田貞雄さんです。
経営していた石灰岩の石山が、セメントやブロックの時代になったことで閉山してしまい、その後「なんとかこの荒れ果てた石山を、蘇らせる事が出来ないものだろうか。」という一念で鍾乳洞の開発を始めたとのことなのですが、なんとその時74歳だったということが驚きです。そして、それから約2年半も命がけの調査と過酷な環境下での発掘作業を続けたという、本当に感動の一言しかありません。
そんな感動のお話は鍾乳洞の出口に併設されている『洞窟博物館』で詳しく紹介されています。竜ヶ岩洞の開発の歴史を当時の写真とジオラマで紹介してあるので、とてもわかりやすく必見です。ちなみにこの洞窟博物館は日本で初めて「洞窟」をテーマに作られた資料館です。
竜ヶ岩洞の周り
観光鍾乳洞だけでなく、傍には他にも興味深い物がいくつか併設されていますので、時間があればそちらもお勧めです。
『ようきた洞』というクールダウンスポットがあります。観光用の鍾乳洞とはまた別の小さな洞窟で、マイナスイオンたっぷりの鍾乳洞の風を浴びる「天然冷風浴」が出来る日本初の場所、更に、カルシウムイオンたっぷりの鍾乳洞の水で「足水」が出来る日本一の場所といわれています。このクールダウンスポットは4月~10月の間利用でき、そのお休みの間は「電飾土蛍」というイルミネーションが開催されています。調度今はその時期なので、その美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。15,000球のLEDに彩られた幻想の異空間で、ちょっとした洞窟内に青い世界が広がっています。洞窟内なので、昼間でも見ることが出来るイルミネーションといった感じです。
また、『岩石園』という竜ヶ岩洞周辺地域を構成する代表的な岩石35種類を配置してある場所があり、手で触れながら岩石を観察する事が出来ます。
お食事処や売店もあり、売店ではお土産物はもちろんですが、化石も売られていて、さすが洞窟の売店ならではだと思います。また、鍾乳洞に湧き出す天然水「天恵の泉」というのも売られているので、味わってみるのも良いと思います。
まとめ
アクセス方法は、JR浜松駅からであれば「浜松バスターミナル15番ポール」から遠鉄バス「奥山行き」で約50分、「竜ヶ岩洞入口」下車して、そこから徒歩で約5分です。
竜ヶ岩洞は、鍾乳洞内の自然美に感動し、更に開発者に感動し、ダブルの感動を味わえる鍾乳洞です。そして、人生いくつになっても挑戦することの素晴らしさと、勇気をもらえる場所です。