台湾・台北旅行を計画していて、もし「淡水」を行き先に加えていないのなら、それは実にもったいないこと。
淡水駅は、台北駅からMRT淡水信義線で乗り換えなしで着く、終着駅。初めての台北旅行でも迷うことなく辿り着くことができます。乗車時間も、約40分くらいです。
そこに広がるのは、また台北市内中心部とは異なる、港町の趣。そして、「淡水老街」という古くて新しい街並みが、また異国感を醸し出して魅力的だったのです。
淡水、そこは地元民のデートスポットだった
台北に来てからというもの、建物の威圧感に圧倒されながら過ごしていたので、この開放的な空間を見た時には思わず声をあげました。
淡水河が雄大な空間を作り出して、吹き抜ける風を感じることができます。そして周囲を見渡すと、道行く人は若いカップルが心なしか多いような気がして、地元民の憩いの場でもあるということを実感することができます。
淡水老街の趣を全身で感じる
「淡水老街」は、数百メートルにわたって続く、台湾ならではの情緒あふれるストリート。ちょっと例えが不思議に思われるかもしれませんが、私は麻布十番商店街を思い出しました。台湾版の、麻布十番のような、そんな趣と情緒と、若干の下町感の混ざり具合を垣間見た気がするのです。
道の両サイドに広がる、飲食店のお店、お茶のお店、雑貨屋…。店舗のひとつひとつが、この哀愁さえも漂う街並みを形成しています。
「淡水紅楼」を目指します、道に迷いやすいので注意
そんな港町の風景や街並みを眺めながら、「紅楼」を目指しました。
この旅で唯一、かなり道に迷ったポイントです。何しろWi-Fiも見当たらないので、ガイドブックと地形をにらめっこしてたどり着きました。
まず淡水老街をまっすぐ直進。区役所なども通過して、淡水福佑宮も通過します。
こちらが淡水福佑宮。目立ちます。
通過したら、福佑宮側の歩道を歩き、「紅楼」の看板をひたすら探します。
この看板です…わかりますか?
これは迷いますよね。でもこの記事で一度把握しておけば、そこまで猛烈に迷うことはないと思います。
この看板を見つけたら、小道に入って、階段をひたすら登ります。この小道がまた風情があって印象に残っています。
登りきれば、目的地はもうすぐそこ!
「淡水紅楼」、築100年の重みを感じる
これが築100年以上も経過しているという、レンガ造りの建物「淡水紅楼」。
かつて富豪が住んでいたというこの建物ですが、現在はレストランとなっています。
建物の中も、趣が溢れんばかりの石造りと、暖かな色味の照明。
ここに着席できただけで、ひとしきりの達成感を味わうこともできてしまうくらいです。
注文は少し注意が必要…かも
この日は14時を過ぎていたので、ランチメニューは終わってしまったとのことでした。
でも、「火鍋」はあるよ、と。そしてお茶はもちろんあるよ、とのことで、「火鍋」「東方美人茶」「紅茶(詳しい品名は忘れちゃいました)」を注文。
ちなみに店員さんは、その日にもよるのかもしれないのですが、あまり日本語は通じませんでした。でも漢字と英語を駆使すればなんとか意思疎通が可能ですよ。多少違うものを頼んでしまうのも、旅の醍醐味といえるかもしれませんね。
「火鍋」と言っていたものはこちら。
辛いのかな?と思いきや、豆乳鍋のような味付けのワタリガニ鍋でした。食べていた時は上海蟹だと信じていましたが、この写真を元に調べると、ワタリガニですね完全に…。
と、ここまではちょっとハズレかも、と正直思っていたのですが。
頼んでいた「東方美人茶」「紅茶」が…至福の時間でした。
台湾茶を工夫茶の作法でいただきます
これが工夫茶のセット。工夫茶とは、日本で言う「茶道」のようなもの。作法に則って台湾茶を淹れるための道具たちが、いま目の前に佇んでいる、というわけです。
当然、淹れ方がわかりません。
でもお姉さんがすかさずやってきて、二種類頼んでいたうちのひとつを目の前で淹れてくれました。
そして、もう一種類のお茶を自分達で淹れてみることができたのです。
まず火にかけているお湯を、茶壺と呼ばれる急須に入れます。
こぼすかこぼさないか、ギリギリまで入れます。
そして一煎目は、ここでは捨てていました(作法にも諸説あるようです)。捨てる前に、その一煎目で他に使用する茶器を温めます。
二煎目。
茶海、聞香杯、そして茶杯へと、お茶を次々と移すことによって、飲みやすい温度に下げていくようです。そして聞香杯では、香りを楽しみます。台湾茶ならではの、奥深さのある豊かな香りをいっぱい吸い込んでみました。この感覚、日本に帰ってきても忘れられない至高の体験です。
そうしてやっとのことで飲んだ一杯のお茶。思い出補正はないとは言えないですが、本当に美味いと断言できるお茶を口にできたと思っています。
自分用のお土産には、もちろん台湾茶。
会社のお土産にも、もちろん台湾茶。
台北旅行の際は、ぜひ、淡水と紅楼に寄ってみてくださいね!
■淡水紅楼
新北市(旧台北縣)淡水區三民街2巷6號
MRT淡水駅から徒歩約10分
11:00-22:00(LO. 21:30)(14:00-17:00は軽食のみ)