都内に住んでいる方なら1度は登ったことがあるであろう高尾山。
もしかしたら、小学校の遠足などで登ったことがある方もいるかもしれません。
小学生でも登れるほど道が整備され、交通の便も良く、ビアガーデンや飲食店も豊富で、最近は温泉もオープンした魅力溢れる高尾山ですが、今回は高尾山の新しい魅力、夜の魅力をお伝えします……!
始める前に
高尾山を登るにはいくつかのコースがありますが、今回は執筆者である私も夜登るのは初めてであったため、一番メジャーで簡単といわれる一号路を利用します。
そうはいっても山は山。装備は万端にしていかなければ、特に今回は夜登るので痛い目を見ます。
動きやすい服装、防寒具、飲み物、懐中電灯(できればヘッドライト)、汗拭きタオルは必ず持っていきましょう。
あとは携帯の充電器を持っていくこともおすすめします。理由は後ほど。
また、できればひとりで登るのではなく誰かと一緒に登りましょう。
さて、冒険にでる覚悟はできましたか? いざ出発です!
いざ、夜の高尾山へ
なんだ、まだ明るいじゃないか、とがっかりさせてすみません。
時刻は17:00(この写真を撮ったのは9月の末です)、終電がなくなってしまうことを恐れて、この時間からのスタートです。
高尾山口駅を出ると目の前にはこのような地図があります。
必ず写真を撮っておきましょう。
なぜなら高尾山に登ってしまうと、携帯電話は圏外で現在地を検索することができないためです。
いざ迷ったとき携帯電話の充電が切れて困るなんてことがないように、携帯の充電器は持って行きましょうね!
ここが今回挑戦する一号路の入り口です。
季節は秋、段々と暗くなり登山客が帰宅するのを横目にどきどきしながら進みます。
舗装された地面にほっとしつつ……と思いきや。
一体これはなんだ。
恐らく教養のある方が見ればなるほどなあ、となるのかもしれませんが。
教養も度胸もない私が夜こんなものと出会えば腰を抜かしてしまうかもしれません。
先が思いやられます。
一号路は基本的にほぼ全て舗装されており、一部を除きこのように平坦で、ペースさえ崩さなければ安心して登ることができます。
小まめな休憩と水分補給は忘れないでくださいね!
肌寒いくらいの温度なのにもう汗だらだらになっていました。
痩せるかも!? とテンション上がる私です。
ちなみにこの地点で時刻は17:30です。かなりのハイペース。
それからさらに10分ほど足を進めると、景色の良い開けた空間があります。
これはかすみ台展望台という地点で、ケーブルカーやリフトとの合流地点でもあります。
ふらっと自然を感じたくなったけれど、何の準備もしていないという時に、リフトなどで高尾山の景色を堪能してもいいですね。
何の変哲もない石垣に見えますが、お分かりいただけるでしょうか。中央の石の隙間に蛇が!!
同行者と和気藹々とおしゃべりしつつ登っていた序盤ですが、段々と疲労も溜まり、口数が減っていきます。
登山あるあるですね。
しかし万が一熊にあったら大変だと思っていた私は懸命におしゃべりを続けようとしました。
実際熊がどれほど出るかは定かではありませんので、ひとりで登る方は熊よけの鈴をつけたほうがいいかもしれません。
画像の蛇だけではなく、途中には猿園がありますし、夜はムササビを見れる場合もあるようです。
興味のある方は調べてみてください!
そして日は落ち
荒い画像で大変申し訳ありません。
疲労により手の震えが止まらなくなってしまったためです。
辺りが段々と暗くなって参りました。時刻は17:50。
これは浄心門という門で、ここからが薬王院の境内だということを示しています。
高尾山は古くからの山岳信仰が盛んであり天狗伝説でも有名な場所です。
神様の聖域にお邪魔する心持ちで、気を引き締めて行きましょう。
なにやら愉快で食欲をそそるお店を発見しましたが、あいにく閉まっていました。
次回は朝に再訪しようと誓いつつ、進みます。
そしてついに、数十段の階段を上った先は、薬王院の本殿です。
この時間になると人は全くおらず、勿論おみくじやお守りを購入することはできませんが、なにやら神聖な雰囲気です。
まるで入ってはいけないところに足を踏み入れてしまったような……。
時刻は18:00です。ここから頂上まではあと少し。
夜間は薬王院から頂上までの階段は封鎖されているので、本殿の裏から向かいます。
表示もあるので迷うことはないはずです。
そして、頂上へ
ほぼ唯一の悪い足場を抜けて、たどり着きました。
ヤッホーーーーーーー!!!!!!!
頂上です。
当たり前ですが、誰もいません。叫ぶのを躊躇ってしまいます。
時刻は18:15です。夕飯時の明かりで、夜景がとても綺麗です。
「明治の森高尾国定公園 高尾山頂 599.15M」と書いてあります。
同行者とお互いを撮り合っていたのですが、まるでホラー写真のようになってしまいました。
うーん、怖いです。
とてもはしゃいでいる写真のはずですが。
頂上には自販機がありますが、値段が高いです。
また、軽食が食べられるお店もあるのですが、夜間は例の如く閉まっています。
ナイト登山の際は、暗くて誰もいないため心細く感じるかもしれませんが、自分たちで持ち寄って少々休憩するのも楽しそうです。
行きはよいよい
達成感と美しい景色を堪能したところで、いざ、下山です。
心してかかるのは、実はここからです。
ご覧ください。
とても暗いです。
何が何やら分からない画像ですが、いくらフラッシュを炊いても、また懐中電灯で照らしても、闇が晴れることはありません。懐中電灯を消したら、自分の数センチ先も見えないほどです。言葉通り、闇に包まれます。
動物や虫たちの鳴き声と、自分たちの息遣い以外何も聞こえない、何も見えない世界です。
下山の際は、足元を照らしつつ、注意深く進んでくださいね。
ナイト高尾山の魅力
いかがでしたか?
今回は初ナイトハイクのため、夕方から出発し、夕飯時に帰宅する時間帯での挑戦になりましたが、高尾山は順調に行けば往復3時間で登れる山です。
所感ですと、もう少し遅い時間でも、準備さえ万端であれば苦なく登れそうです。
しかし、あくまでも私のこの挑戦は9月末のものですので、天候は皆さんそれぞれで必ず調べるようにしてください。
夜の高尾山は、スリルは勿論、闇の持つ神秘性、作られていない本来の自然など、普段の生活では味わえない体験を経験できます。頭と体をリセットしたいとき、また自分と向き合いたいとき、ぜひ夜の高尾山を訪れてみてください。その際、必ず準備は忘れずに!