横浜といえば、中華街やみなとみらいなど、多種多様な文化が織りなす独自の街並みが魅力の観光地です。
忘れてはならないのが、「和」の観光スポット「三溪園」。
こんなにも風情豊かな日本庭園が、私達を迎え入れてくれます。
三溪園 : Sankei-en Garden / naitokz
今回は、「三渓園」よりその魅力についてご寄稿いただいています。
京都よりも京都らしい。横浜にのこされた日本庭園で愉しむ、風流の一夜。
■今回の旅の達人 吉川 利一氏 三渓園 事業課 広報。 山手の西洋館群や中華街、みなとみらい21地区など少し移動するだけで多様な雰囲気が味わえるのが横浜の魅力です。“和”の三溪園もぜひお見逃しなく。 |
神奈川県庁や横浜市庁がある横浜中心部。
このエリアのすぐそばに、豊かな自然を擁する一大庭園があるのをご存知でしょうか?
広さおよそ175,000平方メートル、東京ドーム約4個分にもおよぶこの敷地内には、自然ばかりでなく、さらに京都や鎌倉などから集められた歴史的建造物17棟が点在、
あたかも元からそこにあったかのように周辺の景観とみごとにとけあった佇まいは、まさに古都。
“異国情緒”、“港町”、“近未来の街並み”などのキーワードで語られることの多い横浜のなかで、
そうしたイメージとはまるでかけ離れた“和”尽くしの世界が広がっているのが三溪園です。
「京都よりも京都らしい」。以前ある雑誌にこんな形容で紹介されたことがあります。
古建築が散りばめられたロケーションのなか日本で長く親しまれてきた四季折々の風物のさまざまな表情を楽しむ、三溪園の最大の魅力はこうした本格的な日本情緒に気軽に触れ、親しめることに尽きます。
なかでも人気の高いものが、この季節に行われる「観月会」です。
観月会の演奏会場となる臨春閣(国指定重要文化財)へのアプローチ。
丘上にそびえ立つシンボル・三重塔や池に浮かぶ和船、白木の橋などがライトアップにより仲秋の宵闇に浮かび、昼間とはまた違った趣きを見せる庭園をさらに奥の内苑まで歩を進めれば、
そこには音の風情を楽しむ別の空間が現れます。
期間中日替わりで繰り広げられる風雅な演奏の舞台となるのは、臨春閣。
江戸時代初期に紀州徳川家の別荘として建てられたと伝えられる、
京都・桂離宮とも並び称される洗練された数寄屋の意匠を取り込んだ建物です。
観月会では、現実を離れ自然と一体となった風流な秋の一夜が過ごせます。
※このコンテンツは、tripro「旅の達人」を再編集したものです。