LCCの旅って実際どうなの? 年間20フライト以上利用する旅ライターが利点&欠点をわかりやすく解説
日本

LCCの旅って実際どうなの?年間20フライト以上利用する旅ライターが利点&欠点をわかりやすく解説

みなさんは、飛行機を使って遠方へ出掛けるとき、どこの航空会社を使うことが多いですか? 筆者は毎年20フライト前後の頻度で飛行機を利用するため、経費削減のためにLCCをよく利用します。全日空や日本航空などの大手航空会社よりも運賃が安く、気軽に空の旅を楽しめることが利点のLCCですが、「安い」という利点の反面、利用する際に気を付けるべき事柄がたくさんあります。

この記事では、普段はあまりLCCを利用しない方にもわかりやすくLCCの利点と欠点を大手航空会社と比較してレポートしています。これからの旅の参考に、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

日本国内の主なLCC

日本国内のLCCで代表的な会社は、「Jetstar航空(以下Jetstar)」と「Peach Aviation(以下Peach)」

日本国内のLCCで代表的な会社は、「Jetstar航空(以下Jetstar)」と「Peach Aviation(以下Peach)」の2社ではないでしょうか。Jetstarはオーストラリア・メルボルンに本部を構える航空会社で、日本では成田国際空港を拠点空港としています。一方、Peachは関西国際空港に本部を構える航空会社。航空会社の名前はよく耳にするものの、その本部がどこにあるのかということは知らない方も多いのではないでしょうか?

大手航空会社との運賃比較

大手航空会社との運賃比較

全日空や日本航空などの大手航空会社は、手荷物預かりの個数や機内持ち込み手荷物の重量制限、マイルの積み立てや専用ラウンジの利用など、LCCに比べてフルサービスを提供していることが特徴です。そのため、比較的近距離だったり閑散期であったりしても、通常の運賃は空港使用料を含めると片道10000円前後になることが多い印象です。

LCCは、選択するプランによって運賃に大きく差があることが特徴でしょう。手荷物を預ける必要がなく機内持ち込み分の荷物も規定重量内であれば、近距離ならば片道5000円以下の破格で利用することができます。また、定期的に航空券のセールが行われており、運が良ければ1000円以下で飛行機に乗ることができる点が一番の魅力ではないでしょうか。セール対象の航空券はすぐに売り切れてしまうため、購入するのは至難の業。時にはサイトへのアクセスが集中し、販売開始から数時間単位で待機時間が発生することもあります。

ちなみに、筆者がこれまで購入した航空券で最安値のものは、関西-新千歳便片道分の990円。格安航空券の購入は運とネット環境に左右されますが、根気よく予約サイトへアクセスし続けることが購入のカギとなるでしょう。

各空港での使用ターミナル

LCC_.各空港での使用ターミナル

大手航空会社が鉄道駅のある主要ターミナルを利用することに反して、LCCを利用する場合はそう一筋縄にはいきません。

新千歳、仙台、福岡などの地方主要空港であれば国内線ターミナルは大手航空会社と同じなので間違うことはないのですが、ややこしいのが、成田、中部、関西の3空港。

成田空港は第1~第3ターミナルで構成されており、Jetstarは第3ターミナル、Peachは第1ターミナルを利用することになります。同様に、関西国際空港ではJetstarは第1ターミナル、Peachは第2ターミナルとなり、中部国際空港ではJetstarは第2ターミナル、Peachは第1ターミナルになる…というように、空港によって出入り口となるターミナルがそれぞれ異なるとうことを留意しておきましょう。

LCC_鉄道駅のないターミナルでは、各ターミナル間を往復(循環)している連絡バスが運行しています

鉄道駅のないターミナルでは、各ターミナル間を往復(循環)している連絡バスが運行しています。おおよそ10〜15分間隔で運行されており、どの空港も10分以内で目的のターミナル施設前へ行くことができるのでぜひ活用しましょう。

どの空港もターミナル間を徒歩で移動しようとすると20~30分程度の時間がかかってしまいます。バスに乗る場合も、歩いて移動する場合も、飛行機の搭乗時間内に間に合うよう、時間のゆとりを持って移動しましょうね!

チェックインカウンターや搭乗ゲートの場所

LCC_チェックインカウンターや搭乗ゲートの場所

大手航空会社のチェックインカウンターは、各航空会社のカウンターが並ぶ中でも比較的わかりやすい好立地にある場合が多いです。かたやLCCはエリア内のかなり端の方にカウンターがあるので、空港によっては相当な距離を歩かされることも…。

筆者の感覚では、大手>地方の航空会社(FDAやAIR DOなど)>LCC…というように、運賃が高額な航空会社ほど好立地にカウンターを設けているようなイメージです。特に、新千歳空港のようにJetstarとPeachのカウンターがエリアの両端にある場合、方向を間違えてしまうとかなりのロスタイムとなってしまうので十分に気をつけましょう。

搭乗ゲートの場所と搭乗までの移動手段

LCC_搭乗ゲートの場所と搭乗までの移動手段

飛行機に一度でも乗ったことがある方はご存じの通り、セキュリティチェック後は登場する飛行機に乗るためのゲート付近で待機することとなります。その際に、目的の搭乗ゲートまで多少なりとも歩いて移動した記憶があるのではないでしょうか。

LCCを利用する場合は搭乗ゲートがかなり奥にある場合が多く、使用するゲートの場所によっては5〜10分程度歩くこともざらにあります。

LCC_中部国際空港の第2ターミナル。搭乗ゲートまでの距離がかなり長いため、途中通路に待合エリアまでの距離が書かれていました

写真は中部国際空港の第2ターミナル。搭乗ゲートまでの距離がかなり長いため、途中通路に待合エリアまでの距離が書かれていました。こうやって数字で見てみると、セキュリティチェックを通過してからもある程度時癌の余裕が必要となることがよくわかりますね。

LCC_空港や使用する搭乗ゲートによっては、ターミナルの通路から直接機内へ向かうのではなく、徒歩や専用バスで滑走路に降り立ってから機内へ搭乗する場合があります

また、空港や使用する搭乗ゲートによっては、ターミナルの通路から直接機内へ向かうのではなく、徒歩や専用バスで滑走路に降り立ってから機内へ搭乗する場合があります。

ローコストなフライトのためは妥協せざるを得ないところなのでしょうが、雨天時の場合は少々厄介な問題となるでしょう。

使用する機体とフライト中の快適性

LCCの旅って実際どうなの?年間20フライト以上利用する旅ライターが利点&欠点をわかりやすく解説

LCCで使用する飛行機は、基本的に左右3席ずつの小型機となります。そのため、大手航空会社のジャンボジェット機に比べて席間隔が狭く、やや窮屈な印象を受けるでしょう。

また、機体の大きさが小さいので、乱気流の影響を強く受ける場合があります。離着陸前後には多少の揺れを感じることがあるので、三半規管の弱い方は事前に酔い止め薬を飲んでおくと体調不良の予防になります。

JetstarとPeachの比較

JetstarとPeachの比較

ここまで、大手航空会社とLCCの比較をしてきましたが、JetstarとPeachの2社ではどのような差があるのでしょうか? ここからは、あくまで筆者の主観となります。

これまでに何度もLCC2社のフライトを利用してきましたが、個人的には「Peach」の方が設備面では利点が多いように感じています。その理由は、シートポケットがあることと機内Wi-Fiが利用できる点。Jetstarの機体にはついていないシートポケットがあることで、機内に持ち込んだペットボトル飲料や書籍などを手の届く範囲に保管できることが便利だと感じています。また機内Wi-Fiに関しては、機内デジタルサービス(映画やアニメなど)の視聴やフライトマップの表示、飲食物の購入など、飛行機の中で過ごすにあたって便利なサービスがたっぷり利用できるというところが魅力でしょう。

ただし、Jetstarが決して劣っているというわけではありません。Jetstarにはセール時に航空券を1日早く購入することができる「Club Jetstar」という会員サービスがあります。このサービスはセール航空券をフライングゲットできるだけでなく、セール時にさらに安い価格で航空券を購入できる点がとても魅力的です。また、JetstarはPeachに比べ、便数は少ないものの、高松、松山、大分などの地方空港にも空路を就航している点がかなり便利だといえるでしょう。

前述した通り、空港によって発着のターミナルがそれぞれ異なる2社。目的地に合わせて、鉄道で移動しやすいターミナルを使用している会社を選ぶのもひとつの工夫かもしれませんね!

おわりに

LCCの旅って実際どうなの?年間20フライト以上利用する旅ライターが利点&欠点をわかりやすく解説

普段あまり飛行機に乗る機会がないと、空港に降り立ってからの行程がわからずあたふたしてしまうこともあるでしょう。旅に不慣れな場合は大手航空会社を利用した方がスムーズかつ快適に空の旅を楽しめるのでしょうが、少し慣れてくると、LCC特有の複雑な搭乗までの経路や小ぢんまりとした機内での環境も気にならなくなるかもしれません。

LCCは「Low Cost Carrier」の略称である通り、旅のコストを大幅に軽減することができるありがたい航空会社。この記事を読んでLCCに興味を持った方は、ぜひ一度、JetstarやPeachを利用して空の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

はらぺこえりむし

はらぺこえりむし旅するグルメライター/カフェマニア

カフェ、喫茶店好きが高じて全国47都道府県のカフェ制覇を目指す、食いしん坊な主婦ライター。 これまでに訪れたカフェや喫茶店は1000軒以上。流行りのおしゃれカフェから昭和の純喫茶まで網羅する雑食。 車の運転が苦手なので、電車やバス、飛行機などの交通機関を使った旅が中心。お得なきっぷや航空券セールを利用して、ローコストな旅を楽しんでいる。 好きなエリアは瀬戸内エリア、常滑、函館。海のない地域で生まれ育ったので、海を見るとテンションが急上昇! グルメ×旅の記事執筆が得意なので、TRIP'Sではおすすめのグルメスポットをたくさん紹介していきます。

    チャンネル

    チャンネルをもっと見る