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深い! ”真夜中の駆け込み寺”「坊主bar」で人生相談をしてみた

仏教ブームが叫ばれ始めて久しい昨今!
「寺ガール」や「寺社フェス」という言葉まで生まれたり、お坊さんと合コンすることを「坊コン」と言ったりするのだとか……。
ちょっとそこまでする勇気はないけど、お坊さんに話を聞いてもらいたい! という方にオススメなのが、お坊さんがバーテンダーを務めている「坊主バー」。都内にも何軒かある坊主バーの中で、今回は中野にある坊主バーに行ってみました。

いざ、坊主バーに潜入!

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JR中野駅の北口からおよそ徒歩5分。一見すると怪しげにも見えるビルの2階に坊主バーは入っています。

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こちらが入り口です。少し入るのに勇気がいりましたが、いざ!!

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暗めの店内は、壁飾りやテーブルの上にある小物、置いてある書籍に至るまで仏教一色です。
バーに立つお坊さんは曜日によって違うそうで、この日のお坊さんはこのお店のオーナーも勤めていらっしゃるという、低めの声が素敵なお坊さん。袈裟姿ではなく、「南無阿弥陀仏」と書かれたTシャツを着ていました。もともとは大阪にある坊主バーの直系店で、2004年の創業以来、今年で12年目を迎えたそうです。

あらゆるところに仏教要素が!

店内には様々な仏教に関するグッズが置かれていました。
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▲立川でイエスとブッダが暮らしているという設定で人気の漫画の作者のサイン!

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▲カウンターにはろうそく立てや香炉があることにも驚きますが、この左手に持っているものはなんとカクテルメニューなのです!

気になるものばかり!オリジナルカクテル

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ここに来たらぜひ頼んでいただきたいのがオリジナルカクテルです。オリジナルカクテルには仏教に由来する名前がついており、メニューを見ているだけで興味深かったのですが、今回はこちらの「一期一会」を注文しました。

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ベリー系のリキュールに杏露酒、カルピスウォーターが入っていてとても飲みやすかったです。女性にオススメの1杯です!

そもそも、お坊さんがバーテンダーっていいの?

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お店に入ってからしばらくして、そもそも僧侶というのは(建前上でも)煩悩を断ち切った生活をしているものというイメージがあり、このようにお酒を飲むこともあるバーテンダーのような仕事に就くことは許されているのか? という素朴な疑問が生まれたので聞いてみました。

「絶対他力」を唱える浄土真宗

こちらのバーテンダーを務めているお坊さんは浄土真宗のお坊さんでした。
浄土真宗というのは、浄土宗の開祖・法然の弟子である親鸞が開いた宗派です。浄土宗がひたすら念仏を唱えることで往生を願った「他力本願」であるのに対し、浄土真宗では、そもそも信じる心すら仏さまから授けられたもので、一切を仏様にお任せしていれば全ての人は往生できるよ! という「絶対他力」を唱えた宗派です。そのため、他の宗派に比べて儀式やしきたりも簡素でゆるく、庶民にも受け入れられやすかった宗派でした。(その分、他宗派からの反感は大きかったそうです。)中でも最大の特徴は、僧侶に肉食・妻帯が許されているという点でした。明治時代まで、表立ってそのようなことが許されていた宗派は浄土真宗のみだったのです!

「自分は誰よりも愚かで最低な坊さん」と気づいた親鸞

バーテンダーの方いわく、親鸞は自ら「愚禿親鸞」と名乗っていたそうです。酒も飲みたい! 肉も食べたい! 女と遊びたい! という煩悩を断ち切るのではなく、親鸞は素直に「自分は誰よりも愚かで最低な坊さんだ」という気付きを常に持ち続けていた謙虚な方だったそうです。弟子たちのことも、大きく言えば皆阿弥陀仏によって救われた同志たちだという考えから、「親鸞は弟子一人ももたず候」という有名な言葉も残しています。
そんな親鸞に感銘を受けたお坊さんだからこそ、このようなお店を開いているそうです!

仏教というと「なんだか難しそう……。」と思ってしまうかもしれませんが、よくよくお話を聞いてみればなんだか納得してきませんか!?

実際にお悩み相談してみた!

お酒が来てすぐくらいまでは、身の上話やここがどういうお店なのかなどについてお話を聞かせてもらっていましたが、酔いも回ってきたところでお悩み相談をすることに。今回、友人3人と来店したのですが、そのうちの1人が
「いつも彼女が人間性を否定してきてつらい。あなたは心を開いてくれないと言われる」
と悩んでいたので、話を聞いてもらうことにしました!

相談してみたところ……。

「人は他者を通して自分を知る。
相手に心を開いていけるかというのは、あなた自身があなた自身をどのくらい知っているかによる。何のために生きているか、自分が何なのかがわかっていないのにどうやって心など開くのか。そもそも開示できる自分はあるか? 人間というのはとても底が深い存在。自分についての理解は、多少は年齢と比例する部分もあるが、100%とは言い切れないし、未知の領域は無くならない。だからこそ自己探求していくべき。
彼女がそういう指摘をするということは、彼女にとってのあなたの理想像があって、彼女はそれ以外のあなたを認めてくれていないということにもなるが、その反面、そのように指摘してくれることは非常にありがたいことでもある。彼女の指摘も自己探求の材料の要素になるから、『痛いところをついてきてうざったい女だな!』ではなく、重大なご指摘をありがとうという姿勢でいるのはどうだろう?」

という深いお言葉が返ってきました。なかなか自分の間違いを指摘してもらって「ありがとう」と思うのは難しいことですが、彼の心にも響いたのではないでしょうか……。

悩みを聞いてもらえる現代の駆け込み寺!

誰かに話を聞いてもらいたい時、ここでならあなたのほしい言葉をかけてもらえるかもしれません。高円寺には、尼さんがいる姉妹店「尼僧bar」もあります! 今日は尼さん、今日は坊さんと、その日に話したい相手によってどちらも行ってみてはいかがでしょうか?

〒164-0001 東京都中野区中野5丁目55−6
19:00-02:30
公式HPはこちら

この記事を書いた人

リサ

リサ

東京在住大学生です。仏文科に在籍してます。