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サツマイモが神様!?埼玉の「多聞院」「神明社」にはちょっと変わったモノが溢れてる

●23【神明社①-30】●(700px) P1110118

埼玉県所沢市のはずれにある多聞院は、1696年に武蔵野台地の開拓計画をした川越藩主が、三富新田(上富村・中富村・下富村)を開村した際の鎮守の宮として、中富に毘沙門社(多聞院)を創建したもの。その後、神社と寺院とをはっきり区別させる法律に基づき、東に多聞院、西に神明社が祀られました。境内のアチコチにあるちょっと変わったモノを、紅葉狩りしながらご紹介します。
●1最初+10【多聞院①-35身がわり寅】●(700px) P1110034

武田信玄とゆかりのある多聞院と、サツマイモにゆかりのある神明社

まずは多聞院へ!武田信玄とのゆかりとは

●2【多聞院①-95】●(700px) P1110130

武田信玄の家紋「武田菱」が観えるように、毘沙門堂は武田信玄の守り本尊です。

●3【多聞院①-109】●(700px) P1110144

信玄は、この毘沙門天を兜の中に納めた川中島の合戦では、上杉謙信の刀から逃れることができたといいます。

出迎えてくれるのは……狛犬ならぬ狛寅(こまとら)!

●4【多聞院①-75+78】(700px)修正
スレンダーな狛寅が出迎えてくれるので、プロ野球の阪神ファンならぜひ訪れてみてはいかがでしょうか? 狛犬の代わりに、毘沙門天の化身とも言われている狛虎(こまとら)です。

●5【多聞院①-77】●(700px) P1110076

赤い濃淡が豊富なモミジに彩られている多聞院は、通称「牡丹の寺」として親しまれている寺院でもあります。立体曼荼羅をイメージして植え込まれた、23種類500株余りもの牡丹が咲く名所です。

赤いモミジが良く似合う渡り廊下

●6【多聞院①-19】●(700px) P1110018

毘沙門堂前と並び、毘沙門堂から伸びる渡り廊下周辺は人気の紅葉狩りスポットです。

●7【多聞院①-43】●(700px) P1110042

クネクネと曲がった渡り廊下と一緒に紅葉狩りできる場所は、日本の中でも多くはありません。

●8【多聞院①-54】●(700px) P1110053
アマチュアカメラマンが集まる撮影スポットとしても人気があります。

毘沙門堂に並んだトラトラトラ

●9【多聞院①-32身がわり寅】●(700px) P1110031

先ほどから毘沙門堂に、チラチラと観えているモノがあり、近づいてみると……

●1最初+10【多聞院①-35身がわり寅】●(700px) P1110034

小さくて可愛い、黄色いトラトラトラ・・・。お堂の欄干や床はトラだらけです。

●11【多聞院①-73】●(700px) P1110072

毘沙門堂に奉納されている小さな寅は、災いを引き受けてくれる「身がわり寅」です。

赤いモミジで鬱蒼とした庭園に、何かが割れる音が響く!

●12【多聞院①-116】●(700px) P1110151
赤い野点傘のある場所では、腰を下ろして紅葉狩りをすることができます。腰を下ろそうとした静かな境内に、響く音が気になり……

●13【多聞院①-8】●(700px) P1110007

音のする方へ向かってみると……お寺でアトラクション? 「かわらけ当て」は、小さい素焼きのお皿(1枚100円)を、的に向かって投げ、的の真ん中に当てて割れると良いことがあるというものです。先ほどから何かが割れる音がしていたのは、「かわらけ当て」をしていた音だったんですね。運試しに……エイッ! パリーン!

●14【多聞院①-4】●(700px) P1110003

野点傘のある場所に戻り、腰を下ろした目線の先に、傘地蔵が観えます。傘地蔵の前には、「米俵、大根、白菜、サツマイモ」が供えられていました。とてもリアルな彫刻です。サツマイモが供えられているのは、川越芋の産地だからでしょう。

情けない顔した鬼がいる

●15【多聞院①-63鬼の寒念仏像】●(700px) P1110062

木々に埋もれるようにして立つ、「鬼の寒念仏」像です。慈悲深そうな姿をしていますが、裏腹な偽善者を表しているようです。

●16【多聞院①-64鬼の寒念仏像】●(700px) P1110063

鬼の角は、佛の教えの三毒(貧欲・瞋恚・愚痴)を表していると言えます。人間は自分の都合で考えて、自分の目でものごとを見て、欲しいもの、利用できるもの、より良いものへと、限りなく角を出すと言われています。自分のことを言われているようで、胸が痛いです。

●17【多聞院①-80鬼の悟り】●(700px) P1110079

別の場所では、モミジの下で、情けないお顔の「鬼の悟り」像です。あり得ない方向に足を向けて座っています。

●18【多聞院①-82鬼の悟り】●(700px) P1110081

鬼は、もともと人に災いをもたらす、目に見えない隠れた者が鬼と呼ばれていました。わがままを通す人への戒めを込めたポーズだそうです。何かを我慢しているような、なんともユーモラスな表情をしていますが、周りの紅葉のせいなのか? 顔が赤くなっていますよー。

さつまいもを祀る神明社は、陰の世界

●19【多聞院①-88多聞院と神明社の境界】●(700px) P1110087

多聞院の境内から、神明社へ抜けることができます。

●20【神明社①-12】●(700px) P1110099

紅葉狩りをしていた多聞院に比べて、寂しさを感じます。多聞院が「陽」と表現するなら、神明社は「陰」という印象で、短い時間で「陰と陽」を感じることができます。

●21【神明社①-2】●(700px) P1110089

自分勝手な印象とは違い、神明社の御祭神は、太陽神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)なんですね。

●22【神明社①-18】●(700px) P1110106

この辺りは、武蔵野台地のまん中にあり、栄養分が少なく水はけの悪い赤土(関東ローム層)で、夏の干ばつの際に農作物の被害が特にひどい場所でした。風の強い日には乾いた赤土が、「赤い風」となって舞い上がり、目が開けていられなくなります。大雨の日にはぬかるむ土地なので、人々を困らせていました。

●23【神明社①-30】●(700px) P1110118

南永井村(現在の所沢市南永井)の名主の、吉田弥右衛門(よしだやえもん)が、栄養分の少ない土地でもよく実るというサツマイモの話を聞いたそうです。最初に関東でサツマイモの試作に成功したのは、通称甘藷先生と呼ばれていた、江戸の学者である青木昆陽でした。

●24【神明社①-29】●(700px) P1110117

その後、江戸に現れた焼き芋屋用として貴重な現金収入源になり、吉田弥右衛門の功績と、関東のサツマイモ作りの元祖である青木昆陽先生を「甘藷乃神(いものかみ)」としてお祀りすることになりました。何でサツマイモを祀る神社があるのか? と不思議に思っていましたが、由来を知れば納得できてしまいますね。それにしても、つやつやした美味しそうなサツマイモですね……。

●25【多聞院①-41】●(700px) P1110040

たくさんの花や木々に囲まれた紅葉狩りの多聞院と、サツマイモ開拓者の努力を称えた静かな神明社は、美味しい川越いもの産地にあります。対照的な寺社仏閣を訪ねてみてはいかがでしょうか?

多聞院

コンパニオンアニマルワールドかもしれない

華やかなモミジに囲まれた多聞院と、神聖な空気を感じられる神明社は対照的です。見どころの多い多聞院には、草木の傍らに小動物の彫刻が隠れています。あなたのコンパニオンアニマルを探してみてください。
コンパニオンアニマルワールドかもしれない

この記事を書いた人

MAKIJI

MAKIJI

秋田生まれ東京育ち。中年デビューのスピリチュアル系フリーライターとして、都市伝説でウワサされる神秘的なエリアをotaku感覚で追いかけます。日本人が忘れかけている魅力的なスポットの隠された謎を一緒に紐解きしませんか?五感をフル活用した情報であなたの背中をそっと後押したいと思います。