TRIP'S(トリップス)

【トリップス】全て現地取材
本物の旅人のための旅Tips

「山の水族館」が年々パワーアップしている気がする

北の大地の水族館(山の水族館) イトウ

ご存知でしょうか、「山の水族館」というちょっとユニークな名前の水族館を。正式名称は「北の大地の水族館」というのですが、地元民としては古くからの呼称である「山の水族館」のほうが未だにしっくりきているので、改称してからもこのように呼ばせていただいております。
通常の水族館レポートであればきっと、
「『山』という名前を水族館につけるだけあって、淡水魚だらけの水族館なんですーすごいでしょー」
というノリになると思うのですが。こちら、みなさまに声を大にしてお伝えしたいことがございまして……。
この水族館、年々パワーアップしている気がするのです。

私、北海道・旭川が地元なのですが、2012年のリニューアル以来、留辺蘂(るべしべ。現在は北見市)にあるこの水族館に数回足を運ばせていただいております。このたびも、北見方面に所用があったため、「せっかくだから寄ろう」くらいの感覚で立ち寄ってみたのですが……。
あれ? こんなかんじだっけ?
という衝撃とともに、いや、絶対にパワーアップしてる、という確信が芽生えていった次第です。
下記、共有させていただきます。

とにかく魚がデカくなってる気がする

この水族館の魚、基本的にデカいということは承知済みです。デカくなったのには理由があります。それは、魚たちが「温泉」で育っているから。前回来たときも、デカいなー魚、と思ったものです。しかし今回は、それを上回る感情となりました。
……なんかさらに大きくなってる。正直、怖い。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
こちら、イトウです。
鯉のぼりのようです。黙々と泳いでおります。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
イトウ自体ももちろん珍しく、「幻の魚」なんて呼ばれていたりします。たしかにこんなデカい魚が川で泳いでいるのは見たことがありません。それにしても、1mを超える巨体が目の前で40匹ほどうごめくと、感動をゆうに超えて、怖いです。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
アップにしても怖い。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
引きで見ても怖い。

さらに恐ろしいお魚がおります。それは、健康ランド等でおなじみの「ドクターフィッシュ」。フィッシュセラピー、なんていうサービス、受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。
こちらの水族館でも、「ドクターフィッシュ」の体験ができます。入場料のほかに追加料金などは不要でセラピー体験できるのだから太っ腹、なのですが……。
例に漏れず、なんか、デカいのです。
北の大地の水族館(山の水族館)ドクターフィッシュ
手を入れます。
北の大地の水族館(山の水族館)ドクターフィッシュ
デカいです。天ぷらサイズのハゼくらいの大きさがあります。吸い付かれる感覚が尋常ではありません。自分の手が小さくなるんじゃないかという勢いでゴリゴリ貪ってきます。ちょっとしたゾンビ映画を思い出してしまいました。かわいい、という感情よりも、断然恐怖感が優先されております。

流行に全力で媚びにいく姿勢が出すぎている

展示されているお魚さんたちが大きく成長したことは、むしろ喜ばしいことで、なんていい水族館なんだ、と単純に思うことでしょう。
しかしそのお魚たちを説明するための展示物について、問題があります。
流行に全力で媚びにいく姿勢を、水族館のあらゆる場所で感じてしまうのです。
まずは先ほどのイトウさんの写真をもう一度ご覧いただきましょう。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
お気づきでしょうか。イトウ達の左側にある掲示物。
北の大地の水族館(山の水族館) イトウ
▲クリックで大きな画像が見られます。

あ。これは……完全にポケモンGOじゃないか。
なになに、「みずタイプ」「重さ15kg」「大きさ1.5m」。
アメ部分は「タマゴ」となっており、なんと3,000個産む……ということでしょうか。
とくぎは「いただきます:魚や虫 水に落ちた ヘビ や カエル などを 捕食する」とのことで、けっこう獰猛な食生活なのねイトウさん、という感想。
……イトウの生態について図らずも勉強できてしまいました! 流行に乗っていく姿勢のおかげです。

もちろん他の魚の説明文も。
北の大地の水族館(山の水族館) ポケモンGO
▲クリックで大きな画像が見られます。

ピラルクーCP高めです(写真見切れててごめんなさい)。

また、ポケモンGOだけではありません。こちらも見覚えある画面が!
北の大地の水族館(山の水族館)LINE
▲クリックで大きな画像が見られます。

……どうみてもLINEです。LINEであるおかげで、ザリガニさんたちが生き生きと絶望していく様子が手に取るように理解できます。
北の大地の水族館(山の水族館)Twitter
▲クリックで大きな画像が見られます。

これは……Twitterですね。ドクターフィッシュのプライベートなツイートが見れちゃいます。

この「山の水族館」の、流行の最先端をゆく展示のおかげで、私はドクターフィッシュが実はふつうに赤虫が好きだというちょっと寂しい事実も胸に刻むことができました。通常の堅苦しい展示では、もしかしたら見逃していたかもしれません。

食べられるか、食べられないか。それが重要

「山の水族館」に入ったら最初に出迎えてくれる大きな水槽が「オショロコマの滝つぼ水槽」です。
北の大地の水族館(山の水族館)オショロコマ
滝つぼを下から眺めることができるのは、自然界では体験できない、水族館ならではの特徴的な水槽と言えます。
北の大地の水族館(山の水族館)オショロコマ
迫力あります。

しかし、どこから仕掛けてくるかわからないのがこの、山の水族館。ここでもありました、ツッコミどころ。
北の大地の水族館(山の水族館)オショロコマ
あ……「オショロコマ 食べられます」の文字が。
やっぱり人間だもの。大事なのはそう、この子たちが食べられるのか、食べられないのか、ですよね。この優雅に滝つぼを舞うオショロコマたち、かなり美味しいようです。オショロコマドッグってなんでしょうか、大変興味があります。そんなことを想像してから滝つぼ水槽を眺め直すと、もう美味しそうに見えてどうしようもなくなってしまいます。
もちろん、これだけではありません。
北の大地の水族館(山の水族館) サケ
サケ。
北の大地の水族館(山の水族館) サケ説明
▲クリックで大きな画像が見られます。

当然食べたくなります。仕方ないです。でも水族館のお兄さんが言ってはいけないと思うんです。

他にも攻めた展示、あります

ピラニアの展示です。ああやっと普通の水族館っぽい……と気を抜いた瞬間。
北の大地の水族館(山の水族館)
このピラニアの水槽に小さなグッピーが泳いでいることに気づいてしまったが最後。ピラニアなのになぜグッピーが共存しているのか……疑問に思う方のために作られたこの掲示を見て衝撃を受けること間違いありません。
北の大地の水族館(山の水族館)
▲クリックで大きな画像が見られます。

なになに……「ピラニアを別の水槽から移したときに紛れ込んできたグッピーがたくさん増えた」。
そんなことあるんですか。本当にそんなことあるんですか……と問いただしたくなりますが、たぶん、本当にそうなんだと思います。自然の脅威みたいなのをひしひしと感じます。

また、こんなものも。
北の大地の水族館(山の水族館)
▲クリックで大きな画像が見られます。

……ついついQRコード読み込ませたくなるじゃないですか。ずるい。

アクセスは決して良いとは言えない立地。それを逆手にとる姿勢。

北の大地の水族館(山の水族館)パンフレット
▲まじめなパンフレットもあります。

「山の水族館」、実はあまりアクセスが良い場所ではありません。旭川からは約130km、2時間以上。最寄りの空港である女満別空港からも約80km、1時間以上かかってしまいます。この周辺に観光施設があれば、その施設と一緒にまわる、という観光プランも組みやすいのですが……(私は道北や道東方面が大好きなので全力で勧めたいのですが、それでも初めての北海道旅行という方には勧めにくい……というくらい、難しい場所に立地している、というのが正直なところです)。
そんな立地な水族館だからこそ、展示を工夫しておもてなしの空間を作り出す。そしてそこまで規模が大きいわけではない水族館だからこそ、まるでベンチャー企業かのように、フットワーク軽く様々な展示にトライできる柔軟な組織ができているのではないか、と察します。
訪れるたびに進化しつづける「山の水族館」。
ぜひ道北・道東方面にお越しの際は立ち寄ってみてください。この記事に書かれている内容より、きっとさらにパワーアップした展示が出迎えてくれることでしょう。

北の大地の水族館(山の水族館)
公式HPはこちら

本当にアットホームな水族館です

展示物ひとつひとつに、職員さんの愛がこもった、そんな水族館。
もちろん水槽もお魚もプロ意識にこもった「水族館」であることに変わりはないのですが、なんというか、この手作り感、みたいなものを端々から感じて、ほっこりが止まりません。
旭川に帰省するたび出向きたいとは思いつつ……石北峠さえ真っ平らになってくれたら、すぐに行けるのに。
でもなかなか行けないからこそ、より価値が高まっている場所なのではないかな、とさえ思っております。
本当にアットホームな水族館です

▲この記事をシェアしていただくと私も幸せになれるという伝説があります。

この記事を書いた人

春菜 由香(コロポン)

春菜 由香(コロポン)TRIP'S編集長

87年北海道名寄市生まれ、旭川市育ち。名古屋大学文学部を卒業後、ゲーム業界に就職し、数年で疲れて退職。派遣OLに転身したところ、個人ブログ経由で拾われ現在に至る。