沼津市内浦で「ラブライブ!サンシャイン!!」聖地巡礼!ラブライバーに引かれて辿ってみた
日本

従来の聖地と言えば宗教や信仰にとって重要な場所と定義されていましたが、聖地の代名詞とも言われるエルサレムが日本では成り立たないようになりました。ここ日本にはアニメの数だけ聖地があるわけです。最近では映画「君の名は。」の舞台となった飛騨市が有名ですが、沼津市内浦も聖地として名高い場所です。その聖地となっているアニメは「ラブライブ!サンシャイン!!」。

今回は「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地である沼津市内浦を、巡礼者ではない著者がレポートします。非難覚悟で断っておきますが、「ラブライブ」も「ラブライブ!サンシャイン!!」も見たことがありません。
ポスター

ラブライバーに引かれて聖地参り

今回は、アニメが好きな友人のラブライバーが、沼津市に聖地巡礼に行くと言い出したので、ついて行くことにしました。
「ラブライブ!サンシャイン!!」とは静岡県沼津市の海辺の町、内浦にある私立浦の星女学院の少女たちがスクールアイドルを目指すといったアニメ。
前作である「ラブライブ!」ではアイドルグループ「μ’s」(ミューズ)が活躍し、声優ユニットが紅白出場して話題になりました。当時、なんでイングランド出身のロックバンドが紅白出場するんだろうと本気で思っていました。それぐらい、著者はアニメに対して疎い上に、萌え絵と呼ばれる絵に対しても、日野日出志の絵と同じ定義だと思っている人間です。
さて、そんな不信人で欲深い筆者は、今回の聖地巡礼で信仰に目覚めることが出来るのか。

沼津観光の定番、沼津港はどうなっているのか?

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最初に訪れたのは、沼津観光の定番、沼津港。

とりあえず、沼津港で腹ごしらえ

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朝早くから店内に人が入りきらないほどの賑わいを見せる、「魚河岸 丸天」。朝7時からの開店ということもあり、沼津港を観光してきた観光客らしき人で店内はいっぱいです。ここは深海魚が水揚げされるほど種類が豊富で新鮮な魚介を楽しめることもあり、海鮮丼やお刺身も人気ですが、ここの名物料理と言えば「海鮮かき揚げ」です。教材に使われる円柱そのものの大きさと形のかき揚げは、度肝を抜きます。
しかし、今回は穴子の押し寿司としらす丼を注文。おいしかったです。

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お会計に進むと、レジの横に「ラブライブ!サンシャイン!!」の人形と声優さんのサインが置いてありました。沼津港で最も知名度があるお店でも、このように幅広い観光客に応えてくれているようです。

「びゅうお」で美しい富士山を!

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「沼津港から望む富士山を見たい。」と思い、「びゅうお」に上りました。これは沼津港の内港と外港を結ぶ航路から侵入する津波対策として建てられた水門で、津波対策のために作られた扉体はだけあって、日本最大級です。その大きさを活かし展望台が作られました。

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展望台から見える富士山は清らかで、雄大で。拙い文章しか書けない著者には、富士山の美しさを表現できません。

 

ちなみにここの「びゅうお」も聖地です。DVD4巻目の背景になっているほか、アニメでは、ヨハネが走ったりメンバーが夕日を見ながら会話したりしたところだそうです。

地元特産品を見てみよう!

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沼津港には「沼津 みなと新鮮館」という地元の特産品のお店や飲食店が集まった建物があります。その中にある、JAなんすんという、静岡県東部地区を管内とする農作物を扱うJAのアンテナショップへ行ってみました。
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そこではJAなんすんの農作物を使った食品が売られています。みかん自体の出荷は2月~3月ですが、ジュースやゼリーなどの加工品は通年作っているようです。購入した「寿太郎みかんジュース」は、柑橘類独特の苦みは感じませんでした。甘みもしつこくなく、さわやかな酸味でおいしかったです。
 
実は、温州ミカンの品種のひとつであるこの「寿太郎みかん」は、「ラブライブ!サンシャイン!!」で小物として度々登場しています。よって、寿太郎みかんの加工品を扱っているこちらには、ライバーさんらしき人も立ち寄っていました。他にも「ラブライブ!サンシャイン!!」仕様のパッケージの水などがありました。

イタ車が走る沼津市内浦には一体何があるのか……!?

やっと、内浦地区です。今回は淡島を中心に内浦界隈を探索してみました。訪れた日は晴天に恵まれ、穏やかな海の水面がキラキラ輝いて美しかったです。
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内浦に来ますと、「ラブライブ!サンシャイン!!」のメンバーを塗装やステッカーを張って、ラッピングした車、通称イタ車(痛いラッピングの車)と呼ばれる車が走っていました。車種はスバルのインプレッサといった、ノーマル仕様のでも(のほうが)かっこいい車が多かった気がします。
また、湾内めぐりができる遊覧船乗り場がアニメに登場したこともあり、遊覧船のチケットが「ラブライブ!サンシャイン!!」仕様になっていました。そこの従業員のおじさんが「これでやってるよ」と、ポスターを指さし、巡礼者に向かって勧誘していましたが、信仰対象物を「これ」呼ばわりしたら、気を悪くすると思いますよ。

太宰治ゆかりの宿、安田屋旅館へ……

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文豪太宰治が「斜陽」を執筆したことで有名な旅館ですが、今ではメンバー高海千歌の実家のモデルとして巡礼者が訪れています。太宰の「富士には月見草がよく似合う」という言葉は「富嶽百景」の有名な一節です。それは山梨側の富士山でしたが、安田屋旅館からも富士山を見ることができます。
富士山という誰もが偉大で雄大だと評価するものを背景に、月見草を自分に見立てた太宰治。無教養な著者には太宰の心うちは推測できませんが、メンバー全員のぬいぐるみを並べ、富士山を背景に写真を撮る巡礼者の心うちも推測できません。
 
ここの安田屋旅館では日帰り入浴もできますが、訪れた日はなんと団体客が来客しているため入れず。次の日は休業してました。この仕打ちは私がラブライブ不信人だからでしょうか?

淡島の船もイタい!

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駿河湾にある無人島・淡島。そこには富士山が見えるあわしまマリンパークという水族館と、リゾートホテルがあります。
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あわしまマリンパークスタッフ一同は、「ラブライブ!サンシャイン!!」にさりげなく便乗しています。

チケット
ラブライブ船

イタいのは車だけではなく、船もイタい仕上がりになっています。

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船内もでは「ラブライブ!サンシャイン!!」を推しまくっていました。ラブライバーたちにとっては夢心地だとは思います。しかし、家族連れやカップルは困惑していたと思います。

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島へ降り立つと、富士山より先に目に入ったのは、あわしまマリンパークのマスコットキャラクター。2次元を使用するという潔さ。これなら松浦果南を応援するのもわかります。キャラクター達はウミウシをモチーフにしているため、全員雌雄同体です。つまり、「美少女」キャラではないわけです。先輩キャラクターはしまたろう。彼は男です。

メンバーが駆け上がった淡島神社の山頂とは……

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淡島の聖地のひとつである、淡島神社。アニメでメンバーが山頂を目指して駆け上がりました。なので、何人かの巡礼者たちが駆け上がっていきました。鳥居の手前には「ラブライブ!サンシャイン!!」の絵馬を描くスペースがありました。

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階段は梯子のように感じるほどの急勾配。心臓が破裂するほど心拍数が上がり、「がんばって」という言葉の明朝体のフォントが、見下している感じがして腹が立ちました。

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……と言いつつ、「がんばって」という言葉に背中を押され、やっと山頂に辿り着きました。

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今では淡島神社ですが、元々は淡島弁財天だったそうです。欲深い著者は金運が上がるようにお願いしました。友人は絵馬をかけ、「アクアーズ」ファーストライブチケットの当選をお願いしたそうです。ここでお願いしたことが良かったのかはわかりませんが、チケットが当選したそうです。

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山頂は眺めがいいかなと期待していましたが、草木が生い茂り景色は見れませんでした。登る途中にロックテラスがあるので、そこで景色を楽しんでください。風景ではなく、ロックテラス自体の写真を撮っていた人たちがいたので、そこも聖地だと思います。

カエル館も聖地

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あわしまマリンパークには日本一の展示種数のカエル館があり、日本や世界のカエルを50種類以上展示しています。ヤドクガエルもいろんな色や毒のものがいて、見ていて楽しかったです。

 

カエル館はメンバーの松浦果南が働いているダイビングショップのモデルだそうです。よって、「あわしまマリンパークスタッフ一同」が、なぜ松浦果南推しだったか理解できました。カエル館の中ではなく、外観を撮影している人が多くいたので、たぶん外観が聖地。

水族館では「しまたろう」に会える

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大規模とは言えない水族館ですが、駿河湾や淡島周辺の生物を中心に展示していました。手作りの解説本をはじめ、各所に飼育員の解説や捕獲した時のエピソードが詳細に、面白く書いてあり読みふけってしまいました。

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入館者との距離が近い展示をしています。また、水族館のバックヤードツアーもあり、動物好きにはたまらない場所です。
 
ちなみに左側に、緑のおにぎりのようなキャラクターがいますが、あれがうみねちゃんの先輩である「しまたろう」です。

聖地で食べたもの

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静岡県限定で販売されている「のっぽパン」。長さ34㎝という長めのソフトパンにクリームを挟んだ菓子パンです。今年の9月から「ラブライブ!サンシャイン!!」とコラボし、「のっぽ 塩キャラメル」味が発売されました。さっぱりとした甘味のクリームが、大きいパンにマッチして食べ応え抜群でした。
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期間限定で「ラブライブ!サンシャイン!!」のコラボカフェが沼津駅前にあったのですが、そこのメニューに寿太郎みかんのマドレーヌが付いたものがあり、おいしそうだったので個別で購入してみました。ふわっとさわやかな甘い香りと、しっとりとした舌触りがおいしかったです。
 
そのほか、アニメに出てきた「松月」というお菓子屋さんにも行ってきました。人気商品は「みかんバウンド」と「みかんどら焼き」です。たぶん、これらは重要な小物なのでしょうが、アニメを見たことがないのでよくわかりません。店内にはイートインスペースもあり、ラブライバーの人たちの交流できるように、ノートなども置いてありました。

おわりに

今回、不信人である著者が聖地巡礼に行ってみたわけですが、結局ラブライバーにはなりませんでした。牛に引かれて善光寺参りとはいきませんでしたが、聖地巡礼をしてみて巡礼者の多さに驚きました。
 
虚構であるアニメの世界に実在する場所が出てきて、そこで視聴者が共感できる等身大の登場人物が紆余曲折ありながら生活する。こういった物語は、その世界観をあまりにも身近に感じさせます。現実の世界で物語を探し当てる行為は、アニメの深部のような、アニメの世界に入れたというか。そういう気分になるのかもしれません。
 
この聖地巡礼は観光をはじめ、地元の特産品などをアピールするには効果的なツールです。それらによって、地域活性に結びつきますし、アニメにとっては特産品や地域限定品を登場させることによって、リアリティに深みが出ます。ここ沼津市は夏が終わってしまうと、オフシーズンになってしまうらしく、自治体をあげて観光に力を入れていました。
 
広い日本。まだ知らない場所を教えてくれるのが、アニメなのかもしれません。アニメを見なくてもこのように楽しめる聖地はたくさんありますし、話題の聖地に行ってみるのもいいかもしれません。また、検索でこの記事に来たラブライバーの人たちにとって、ここにアップした写真は物足りなかったと思います。やっぱり、聖地巡礼をおすすめします。

あわしまマリンパーク
〒410-0221 静岡県沼津市内浦重寺186
公式HPはこちら

この記事を書いた人

千津

千津ライター

幼いころは何者にでもなれると思っていたのに、成人しても特に何者にもなれず、外に探すようになりました。特に目的もなくふらふらと出かけるのが基本で、旅行も付き合いで行くという主体性のなさ。そんなことを積み重ねて、自分に厚みを出そうと思っています。

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